NHK連続テレビ小説 『おしん 』 (1983年4月4日〜1984年3月31日)

第7話
 父 「なんだ正月でも盆でもねぇのに、こんだら白いメシ炊いて、
   どういうつもりだ。」
 母 「婆んちゃん今夜はおしんが明日奉公さ行く門出の祝いだ。
   婆んちゃんはだれよりもおしんばめんこがってくれた。これはおしんの
   コメだ。一番に婆んちゃんに食ってもらいてぇんだ。おしん、
   腹いっぱい食え。」
 父 「後先のことも考えねぇで。このコメはな、安いクズ米に換えて
   ちょっとでも食いのばさなんねぇんだぞ。それを こがな
   無駄しやがって。」
 母 「誰のコメでもねぇ。おしんが一年年季奉公と引き換えにしたコメだ。
   おしんに食わせて何が悪い。」
 父 「なんだとぉ、このアマ」
 おしん 「父ちゃん」
 母 「庄治、おしんのおかげで白いメシが食えるんだ 有り難いと思って
   食え。」
 おしん 「やっぱりうめぇな。白いメシは。」
 母 「おしん、向こうへ行ったら辛ぇこともある。思い残すことねぇように
   腹いっぱい食ってけ。」
 婆んちゃん 「おしんは奉公がどだなもんだか知らねぇで、白い飯で喜んで
   いるけんど、まだ小っちゃいのによう。おらぁむつこくて。」
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