J-CASTニュース編集部では8日、潮氏に電話取材をし、直接見解を聞いた。

潮氏は「ウィキペディアを引用すること、アンサイクロペディアを引用することも恥ずかしいとは思いません。
多くの目にさらされているインターネット上の方が正確であることの方がしばしばある」と説明。
「アンサイクロペディアの性格を知らないと思い込んでネットに書き込まれたものに大多数が影響されているんだろうと思いますが、『正論』で、詳しくは新書『安全保障は感情で動く』を読んでという趣旨の断りが書いてある」と指摘した。

実際に、文春新書から刊行された上記の著書で潮氏は、「『ウィキペディア』のパロディサイトであるが、ここでは『アンサイクロペディア』の説明がむしろ本質を示しているだろう」と触れ、
ポリティカル・コレクトネスについてのほぼ同一の説明文を同サイトから引用して載せている(新書のほうが引用箇所が長い)。
「正論」の記事では、「アンサイクロペディア」に言及する少し前の箇所で、「詳しくは拙著『安全保障は感情で動く』」との但し書きがある。


潮氏は、「月刊誌は字数の制限などがありますので、いちいち断って書いていたら言いたいことを書けなくなってしまいます。
結果的にパロディーサイトであるという説明もなくネットで引用されているのを見た方がおっしゃっていると思いますが、全部の言葉に注釈を付けないといけないんですか。
あらゆるものが主観などで書かれている」と回答。
引用の是非について踏み込んで聞いたが、「そういう議論はこれ以上続けようとは思わない」などと明確な答えは得られなかった。

新聞社側から引用をめぐって指摘があったのかどうか尋ねると「楽屋話になるので私の立場で言うべきことではないが結果として(ネットに)出ているのであれば、校閲を通っていると思います。
問題になることを予測し、そこの部分を切り取ってネットに流したのは私の判断ではなく産経新聞の判断です。
その点に関して私との間のやり取りもありません」と話していた。

J-CASTニュース編集部では8日、産経新聞広報部にも書面で取材を申し込んだが、「編集に関することにはお答えしておりません」という回答のみ得られた。

https://www.j-cast.com/2019/04/08354696.html?p=2