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【歯茎が】孔悠鬼スレ4.5【むきっ!】
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0001共産党員
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2020/09/14(月) 09:12:50.57ID:+RPff69a
孔悠鬼 (@kongyouguai) 
https://twitter.com/kongyouguai
毎日不特定多数に一方的にネトウヨ断定してクソリプ送ったり集団で凍結扇動しているマジキチアカウントです。

歯茎はむきっ!としていますが、ちんちんはむけてないです。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
0002共産党員
垢版 |
2020/09/14(月) 09:16:40.04ID:+RPff69a
孔悠鬼 (@kongyouguai) 
https://twitter.com/kongyouguai
http://archive.today/W3yZ8
サブアカウント
たぬき猫のびぃ。(飼い猫)
https://twitter.com/racooncat_bii
日本共産党(もしくは日本民主青年同盟)関係者であり日夜ネトウヨ(と決め付けた)連中と戦う(自称)正義の人である!

過去のアカウント
gokino(削除)
rairairou(削除)
xiangyouxi(永久凍結)
AssocHangUyo(永久凍結)
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
0003マンセー名無しさん
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2020/09/14(月) 14:06:58.18ID:OTmxV9PD
次勃ってるやないか〜い
0004マンセー名無しさん
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2020/09/14(月) 19:12:23.48ID:32Y2IceK
うーまっ
0005マンセー名無しさん
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2020/09/14(月) 20:19:36.41ID:+RPff69a
むきっ!
0006マンセー名無しさん
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2020/09/14(月) 20:25:17.90ID:iKzDBK9R
うおおおお
俺達正義の味方は自称正義の人・孔悠鬼と徹底的に闘うぞおお
0007マンセー名無しさん
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2020/09/14(月) 20:36:12.57ID:9RBhzlFL
孔悠鬼君がツイッターに遺した足跡

https://togetter.com/search?q=gokino&;t=u&sort
https://togetter.com/search?q=rairairou&;t=u&sort
https://togetter.com/id/xiangyouxi
https://togetter.com/t/xiangyouxi
https://togetter.com/search?q=xiangyouxi&;t=u&sort
https://togetter.com/search?q=AssocHangUyo&;t=u&sort
https://togetter.com/id/kongyouguai
https://togetter.com/search?q=kongyouguai&;t=q&sort
https://togetter.com/search?q=kongyouguai&;t=u&sort
https://togetter.com/search?q=%E5%AD%94%E6%82%A0%E9%AC%BC&;t=q&sort=
0008マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:17:22.37ID:D66ZJ8S3
オレは禁断の森の奥、獣道で三匹の狼の様な魔物に追いかけられていた。
0009マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:17:40.38ID:D66ZJ8S3
 オレの鼓動は高鳴り、冷や汗を背中に掻き、息を切らして魔物に振り返る。
0010マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:18:01.28ID:D66ZJ8S3
 魔物は身体中から暗黒のオーラを放ち、紅く鋭い眼光に吸い込まれそうだ。
0011マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:18:24.47ID:D66ZJ8S3
 魔物は荒い息を上げて低く唸り、涎を垂らしながら、鋭い牙を覗かせ吠えて走ってくる。
0012マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:18:43.24ID:D66ZJ8S3
 舗装されてないので足元がかなり悪く、雨が降ったのか大小の水溜りが出来ている。
0013マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:19:02.60ID:D66ZJ8S3
 オレは前を向いてないので、前方不注意で盛大に水溜りを踏んだらしく、派手な水飛沫が飛び散る。
0014マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:19:23.10ID:D66ZJ8S3
 おかげでスニーカーが濡れ、靴下までも濡れて気持ち悪い。スニーカーが泥だらけだ。
0015マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:19:41.19ID:D66ZJ8S3
 おまけに水溜りを踏んだせいで、足を持っていかれ危うくこけそうになる。
0016マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:20:02.42ID:D66ZJ8S3
 その時、真ん中の魔物が急に立ち止り砂煙を上げる。
0017マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:20:20.32ID:D66ZJ8S3
 魔物は顔を真っ直ぐ上げて遠吠えをした。
0018マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:20:38.99ID:D66ZJ8S3
 あいつ何しやがった?
0019マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:21:03.11ID:D66ZJ8S3
 嫌な予感がする。オレの頬に冷や汗が伝い、オレは顔を戻す。
0020マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:21:25.14ID:D66ZJ8S3
 腕を必死に振って走り、小さな水溜りを飛んで避け、大きな水溜りはスニーカーや靴下が濡れるのを構わず走る。
0021マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:21:45.09ID:D66ZJ8S3
 こうなりゃ、汚れる心配をしてる場合じゃねぇ。
0022マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:22:05.42ID:D66ZJ8S3
 カーゴパンツの裾がずぶ濡れだが気にしない。
0023マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:22:28.52ID:D66ZJ8S3
 獣道の脇では、樹の影や枝の上で紅い眼が蛍の光の様に幾つも光が点滅している。
0024マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:22:48.57ID:D66ZJ8S3
 まさか、さっきの遠吠えで仲間を呼んだんじゃないだろうな。
0025マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:23:07.78ID:D66ZJ8S3
 オレの悪い予感が的中するかのように、獣道の脇、樹の影からぞろぞろと狼の様な魔物が出てきた。
0026マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:23:29.03ID:D66ZJ8S3
 枝の上から飛び降りる魔物。
0027マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:23:49.51ID:D66ZJ8S3
 よく見ると数本の樹に、魔物か動物の爪痕があった。
0028マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:24:11.17ID:D66ZJ8S3
 どの魔物も涎を垂らし、オレに鋭い牙を向けて威嚇して吠えている。
0029マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:24:33.25ID:D66ZJ8S3
 腹が空いているのか、苛立ったように足を踏み鳴らし、今にも突進してきそうだ。
0030マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:24:53.19ID:D66ZJ8S3
 嫌な目だぜ、どいつも同じ様な面してやがる。仲間でオレを狩るつもりか?
0031マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:25:13.51ID:D66ZJ8S3
 オレはまだ十一なんだぞ。こんなとこで、魔物の餌になりたくねぇ。
0032マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:25:35.64ID:D66ZJ8S3
 オレは魔物を見回しながら走り、心の中で愚痴を吐く。
0033マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:25:55.56ID:D66ZJ8S3
 こいつら襲ってこないのか?
0034マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:26:15.48ID:D66ZJ8S3
 その時、オレは獣道に転がっていた小石につまずき、片足が派手に上がる。
0035マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:26:33.43ID:D66ZJ8S3
「どわっ」
オレは間抜けな声を出してしまった。
0036マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:26:53.09ID:D66ZJ8S3
 オレの身体がぬかるんだ地面に倒れそうになる。
0037マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:27:11.95ID:D66ZJ8S3
 その時、オレの左隣を走っていた幼馴染のネロが右手を伸ばしてオレの胸を支えてくれる。
0038マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:27:30.89ID:D66ZJ8S3
 ネロは黒いハットを斜めに被り、整った目鼻立ちで黒縁メガネ。左耳にピアス。
0039マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:27:50.20ID:D66ZJ8S3
 服は白いシャツに黒いジャケットを羽織り、左手の小指と中指に指輪を嵌め、右手首にブレスレット。下はデニムパンツにスニーカーを履いている。
0040マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:28:10.25ID:D66ZJ8S3
 ネロはモデル並みの美形で女の子は黙っていない。
0041マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:28:29.13ID:D66ZJ8S3
 幼馴染のミサでさえ、ネロを独り占めにしている。
0042マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:28:48.56ID:D66ZJ8S3
 ネロのハットとジャケットは砂埃で汚れ、指輪とブレスレットに小さな泥が付いている。
0043マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:29:08.46ID:D66ZJ8S3
「わりぃな」
オレは頭の後ろを掻いた。
0044マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:29:27.51ID:D66ZJ8S3
 ネロはオレの胸からそっと手を離し、その場から一歩も動かず魔物を窺い辺りを見回している。
0045マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:29:47.30ID:D66ZJ8S3
 ネロは何やらデジタル腕時計のボタンを弄り、黒縁メガネのレンズに魔物の3D立体映像が表示された。
0046マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:30:08.19ID:D66ZJ8S3
 3D立体映像表示された魔物は回転して、何やら数秒後に黒いシルエットに変わり赤く点滅している。
0047マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:30:27.57ID:D66ZJ8S3
 オレは頭の後ろで手を組んで、ネロの様子を黙って見ていた。
0048マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:30:46.26ID:D66ZJ8S3
 ネロは首を横に振る。
0049マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:31:05.45ID:D66ZJ8S3
「ダメだ。こいつらの正体がわからない」
0050マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:31:24.61ID:D66ZJ8S3
 ネロはオレに振り向いて簡潔に答えた。
0051マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:31:44.35ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかける。
0052マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:32:03.00ID:D66ZJ8S3
 戦おうとするオレにネロは手で制する。
0053マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:32:23.49ID:D66ZJ8S3
「よせ。下手に動いて奴らを刺激するな。ミサの援護を待とう」
0054マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:32:42.15ID:D66ZJ8S3
 ネロは掌をオレに向けて、オレに警告する。
0055マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:33:00.29ID:D66ZJ8S3
「わかってる。ミサはホバーボードでのんびり観光してるんじゃねぇのか? ミサを待ってられるかっ」
0056マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:33:21.37ID:D66ZJ8S3
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま。
0057マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:33:43.50ID:D66ZJ8S3
 魔物に警戒しながら、魔物を刺激しないように体制を低くし、慎重に動きながら辺りを見回す。
0058マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:34:02.07ID:D66ZJ8S3
 こいつら、オレが小石につまずいた隙にオレたちを囲いやがった。
0059マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:34:23.25ID:D66ZJ8S3
 オレたちを囲んだ魔物は、すぐに襲おうとはせず遠くでオラたちの様子を窺っている。
0060マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:34:42.39ID:D66ZJ8S3
 オレは後退るうちにネロの背中とぶつかり、ネロと背中合わせになる。
0061マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:35:01.34ID:D66ZJ8S3
 オレは深呼吸して落ち着きを取り戻し、姿勢を正してネロに振り向く。
0062マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:35:20.63ID:D66ZJ8S3
「こいつらなんなんだ? アルガスタに魔物がいるなんて聞いたことねぇぞ」
0063マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:35:40.50ID:D66ZJ8S3
 オレは斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけたまま、ネロに訊く。
0064マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:35:59.14ID:D66ZJ8S3
 ネロは瞼を閉じて、肩を竦めて首を横に振る。
0065マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:36:20.20ID:D66ZJ8S3
「わからない。もしかしたら、禁断の森に棲んでいる新種の魔物かもしれない」
0066マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:36:40.07ID:D66ZJ8S3
 ネロは黒縁メガネの鼻のフレームを、人差指と中指で挟んで持ち上げた。
0067マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:36:59.31ID:D66ZJ8S3
 ネロは顎に手を当てて腕を組み、魔物を観察して考え込んでいる。
0068マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:37:20.87ID:D66ZJ8S3
 ネロの黒縁メガネのレンズには、魔物の黒いシルエットが回転して赤く点滅している。
0069マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:37:40.39ID:D66ZJ8S3
 その時、ネロの左耳に装着しているインカムに、幼馴染のミサから無線が入る。
0070マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:37:59.97ID:D66ZJ8S3
「ネロ、どうする? 囲まれちゃったわよ?」
0071マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:38:18.64ID:D66ZJ8S3
 ネロのインカム越しから、ノイズ交じりで幼馴染のミサの暢気な声が聞こえる。
0072マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:38:38.56ID:D66ZJ8S3
 ミサはホバーボードで禁断の森の偵察に行ったままだったが、やっとミサから無線が入る。
0073マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:38:56.58ID:D66ZJ8S3
 オレは額に両手を当てて空を仰ぐ、ミサどこにいるんだよ。
0074マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:39:14.96ID:D66ZJ8S3
 つうか、いままでどこ行ってやがった。オレのことは無視かよ、ミサ。
0075マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:39:33.93ID:D66ZJ8S3
 オレは空を睨んで拳を振り上げる。
0076マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:39:53.29ID:D66ZJ8S3
腹を空かしているのか、魔物たちがジリジリとオレたちとの距離を縮める。
0077マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:40:11.96ID:D66ZJ8S3
 魔物は低く唸り、吠えたり、涎を垂らし、歯を噛んで鳴らし、仲間の首に噛みついたりじゃれている。
0078マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:40:30.52ID:D66ZJ8S3
オレは魔物を睨み据え、斜め掛けの鞘に収めている剣の柄に手をかける。
0079マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:40:50.86ID:D66ZJ8S3
「こうなりゃ、戦うしかねぇだろ。ネロ、策はあるか?」
0080マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:41:11.13ID:D66ZJ8S3
 オレは背中合わせのままネロに振り向く。
0081マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:41:29.77ID:D66ZJ8S3
 ネロは瞼を閉じて肩を竦め、呆れて首を横に振る。
0082マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:41:48.82ID:D66ZJ8S3
「この数を相手にするつもりか? 相手にするとキリがない。こいつでまとめて片付ける」
0083マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:42:08.44ID:D66ZJ8S3
 ネロはジャケットのポケットから、銀色の小さな丸い球形を二個取り出した。
0084マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:42:28.02ID:D66ZJ8S3
「受け取れ」
0085マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:42:49.47ID:D66ZJ8S3
 ネロは後ろに手を回して、銀色の小さな球形をオレに手渡す。
0086マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:43:27.70ID:D66ZJ8S3
 オレは首を傾げ、手を後ろに回してネロから得体の知れない銀色の小さな球形を受け取る。
0087マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:43:46.20ID:D66ZJ8S3
「なんだよ、これ」
0088マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:44:05.34ID:D66ZJ8S3
 オレは眉根を寄せ訝しげにネロから受け取った銀色の小さな丸い球形を両手の掌で転がす。
0089マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:44:24.96ID:D66ZJ8S3
 オレは銀色の小さな球形が転がる動きを細い目でつまらなそうに追う。
0090マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:44:42.69ID:D66ZJ8S3
 ネロが肘でオレの脇腹を小突かれて、オレはネロに振り向く。
0091マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:45:01.24ID:D66ZJ8S3
「手前に水溜りがあるだろ? こいつで奴らを感電させる。ある程度倒せるだろ、後のことは考えてない」
0092マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:45:19.21ID:D66ZJ8S3
 ネロは手前の水溜りを睨み据え、左手をジャケットのポケットに突っ込んで銀色の小さな球形を放り投げて遊んでいる。
0093マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:45:38.62ID:D66ZJ8S3
 オレは耳をほじくって鼻で笑い顔を戻す。
0094マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:45:57.10ID:D66ZJ8S3
 ネロの作戦が耳に入ってなかったオレは数秒遅れて、両手の掌で銀色の小さな球形を転がす動きが止まった。
0095マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:46:15.60ID:D66ZJ8S3
 今更ながらネロの作戦に驚き、オレは銀色の小さな球形を握り締め、そのまま拳を振り上げた。
0096マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:46:35.16ID:D66ZJ8S3
「はあ!? こんなもんで何ができるんだよ!?」
0097マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:46:54.50ID:D66ZJ8S3
 周りを見渡せば、確かにオレたちの周りに大小の水溜りがある。
0098マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:47:13.25ID:D66ZJ8S3
 こんなもんで、あいつらを感電させられるのかよ。
0099マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:47:31.13ID:D66ZJ8S3
 オレは握り締めた指を広げて、掌に載っている銀色の小さな球形を見つめる。
0100マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:47:50.28ID:D66ZJ8S3
 ネロがオレに振り向く。
0101マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:48:08.92ID:D66ZJ8S3
「ボクを信じろ。それとも、カイトはボクを信じられないのか?」
0102マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:48:28.40ID:D66ZJ8S3
 ネロが念を込めてオレの脇腹を小突き、ネロはカイトに意思表示する。
0103マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:48:46.41ID:D66ZJ8S3
「……」
オレは何も言わなかった。
0104マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:49:05.13ID:D66ZJ8S3
 黙って銀色の小さな球体を握り締めて、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。
0105マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:49:23.56ID:D66ZJ8S3
「それにしても、景色がきれぇ〜」
0106マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 07:49:41.54ID:D66ZJ8S3
 その時、ネロのインカムからノイズ交じりで緊張感のないミサの暢気な声が聞こえる。
0107マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:50:00.33ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの声を聞いて呆れてため息を零す。
0108マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:50:20.16ID:D66ZJ8S3
 顔を上げて、オレはネロに振り向く。
0109マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:50:38.28ID:D66ZJ8S3
「そうだな。お前を信じるしかねぇ」
0110マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:50:56.49ID:D66ZJ8S3
 ネロは任せろという感じで頷く。
0111マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:51:14.81ID:D66ZJ8S3
「奴らが水溜りの上を歩いたら、そいつを投げるんだ、いいな?」
0112マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:51:33.39ID:D66ZJ8S3
 ネロはミサを無視して、黒いハットに手を載せ、銀色の小さな球形を握り締めた。
0113マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:51:53.30ID:D66ZJ8S3
 オレはネロに答える様に脇腹を肘で小突いた。
0114マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:52:12.56ID:D66ZJ8S3
「ああ。派手にやろうぜ」
0115マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:52:30.95ID:D66ZJ8S3
 オレは奴らが水溜りの上を歩くまで、じっと待った。
0116マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:52:48.92ID:D66ZJ8S3
 オレは緊張で唾を飲み込み、ごくりと喉を鳴らす。何故か喉が渇き、冷や汗が頬を伝う。
0117マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:53:06.82ID:D66ZJ8S3
 オレはネロが気になり、ネロに振り向いた。
0118マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:53:24.78ID:D66ZJ8S3
 ネロは左手をジャケットのポケットに手を突っ込み、右手で銀色の小さな球形を握り締めて手を構えている。
0119マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:53:42.76ID:D66ZJ8S3
 後ろの敵と前の敵を気にしながら、ネロはタイミングを窺っている。
0120マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:54:00.63ID:D66ZJ8S3
 どうやら、ギリギリまで奴らを引き付けるつもりらしい。
0121マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:54:18.89ID:D66ZJ8S3
「今だ!」
ネロが力強く叫んだ。
0122マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:54:37.22ID:D66ZJ8S3
 緊張でオレの心臓が口から飛び出しそうになる。
0123マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:54:55.07ID:D66ZJ8S3
「ほらよっ! 大人しくしやがれ!」
0124マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:55:13.20ID:D66ZJ8S3
 オレは水溜りの上を歩く奴らに向かって、銀色の小さな球形を放り投げる。
0125マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:55:31.12ID:D66ZJ8S3
 銀色の小さな球形は放物線を描いて水溜りに落ちた瞬間、強烈な青白い電撃が魔物たちを巻き込んで襲い始める。
0126マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:55:49.59ID:D66ZJ8S3
 あまりの眩い光に、オレは思わず「うっ」と声を漏らす。顔の前で眩い光を手で遮り、片目を瞑る。
0127マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:56:07.90ID:D66ZJ8S3
「ぐぉぉぉぉん!」
0128マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:56:26.41ID:D66ZJ8S3
 魔物らが水溜りの上で咆哮を上げながら、魔物の身体は黒こげになり黒煙を上げ、絶命したのかばたばたと横に倒れてゆく。
0129マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:56:44.97ID:D66ZJ8S3
 電撃を食らわなかった魔物らは、一瞬何が起こったか理解できず、首を傾げてお互い顔を見合わせる。
0130マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:57:03.40ID:D66ZJ8S3
 数秒が経ち、魔物らは仲間の死体を見つめて悲しい眼をして後退り、ぞろぞろと踵を返して樹の影に消えてゆく。
0131マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:57:21.25ID:D66ZJ8S3
 まだ諦めてないのか、樹の影で魔物の紅い目が光っているのが不気味だった。
0132マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:57:39.33ID:D66ZJ8S3
 オレは脱力感とともにため息を零す。
0133マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:57:57.43ID:D66ZJ8S3
 オレはネロに振り返って、ネロの肩に手を置く。
0134マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:58:15.49ID:D66ZJ8S3
「なんとかなったな。正直、お前の親父の発明品、馬鹿にしてたぜ」
0135マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:58:33.46ID:D66ZJ8S3
 オレは親指を突き出す。
0136マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:58:51.79ID:D66ZJ8S3
 ネロの親父は、ゾット帝国騎士団の科学者だ。
0137マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:59:09.65ID:D66ZJ8S3
 よく変な物を発明しては、騎士団と親衛隊に役立っている。
0138マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:59:29.43ID:D66ZJ8S3
 自慢げにネロは、オレとミサに親父の発明品を見せびらかす。
0139マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 07:59:47.96ID:D66ZJ8S3
 秘密基地で親父の発明品を弄っては、武器を改良するのがネロの趣味とかなんとか。
0140マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:00:05.90ID:D66ZJ8S3
 そんなんじゃ、女が呆れるぞ。いつもオレは思う。
0141マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:00:24.05ID:D66ZJ8S3
 お前が親父の発明品を弄る時、ミサがいつもつまらなそうにしているのがわからないのかよ。
0142マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:00:43.25ID:D66ZJ8S3
 ネロが鬱陶しそうにオレの手を払いのける。
0143マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:01:01.11ID:D66ZJ8S3
「よせよ。お前は何も考えずに突っ走るところがある。無駄な戦いは避けたい」
0144マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:01:19.48ID:D66ZJ8S3
 ネロは瞼を閉じて肩を竦める。
0145マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:01:37.35ID:D66ZJ8S3
 オレは頭の後ろで手を組んだ。
0146マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:01:55.55ID:D66ZJ8S3
「悪かったな、何も考えてなくて。今回は、お前に助けられたな」
0147マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:02:13.53ID:D66ZJ8S3
 ネロの背中越しに、魔物らが黒こげになっているのを見て、オレは口笛を吹く。
0148マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:02:31.57ID:D66ZJ8S3
「ねぇ。こんなとこにラウル古代遺跡があるわけ? 見たとこ森が広がってるし、でっかい湖はあるし。何もないじゃない」
0149マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:02:49.53ID:D66ZJ8S3
 ネロのインカムに、ノイズ交じりでミサから無線が入る。
0150マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:03:08.99ID:D66ZJ8S3
 お前は暢気でいいよな、ミサ。オレとネロは散々な目に遭ったってのに。オレは愚痴を零す。
0151マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:03:28.65ID:D66ZJ8S3
 オレは空を仰いで額に両手をくっつけ、お気楽なミサを探す。
0152マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:03:46.76ID:D66ZJ8S3
 オレはミサを探すのを諦めて頭の後ろで手を組み、樹の影に消えてゆく魔物らを見送る。
0153マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:04:04.85ID:D66ZJ8S3
「あいつらも諦めてくれたし、さっさとこんなとこ離れようぜ」
0154マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:04:22.79ID:D66ZJ8S3
 オレは肩を竦めて歩く。
0155マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:04:40.87ID:D66ZJ8S3
 ネロの横を通り過ぎようとした時、ネロは手でオレを制す。
0156マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:04:58.97ID:D66ZJ8S3
「待て、奴らの様子が変だ。油断するな、カイト」
0157マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:05:16.92ID:D66ZJ8S3
 ネロは何匹か残った魔物を見回した後、自分が倒した魔物の前にいる、生き残った魔物たちを睨み据える。
0158マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:05:35.77ID:D66ZJ8S3
「今度はなんだよ」
0159マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:05:54.68ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちして、斜め掛けの鞘に収めた剣の柄に手をかけ、残った魔物たちを見回す。
0160マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:06:14.03ID:D66ZJ8S3
 こいつら、何しようってんだ?
0161マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:06:32.26ID:D66ZJ8S3
 オレたちの前から立ち去らずに残った魔物は、なんと黒こげになった魔物の死体を喰い始めた。
0162マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:06:50.68ID:D66ZJ8S3
 魔物は喧嘩しながら、魔物の死体を貪る。生々しい咀嚼音が聞こえる。
0163マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:07:10.31ID:D66ZJ8S3
 信じられない光景を目の当たりにして、オレは思わず後退る。
0164マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:07:28.80ID:D66ZJ8S3
「!? ど、どうなってんだよ」
0165マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:07:46.75ID:D66ZJ8S3
 オレは手に変な汗を掻いていた。
0166マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:08:06.18ID:D66ZJ8S3
 ネロがオレを制した手をゆっくりと下す。
0167マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:08:25.19ID:D66ZJ8S3
「さあな。嫌な予感がする」
0168マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:08:43.19ID:D66ZJ8S3
 ネロは緊張した声音で、腰に巻いたホルスターのオートマチック銃の柄に手をかける。
0169マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:09:02.91ID:D66ZJ8S3
 ネロは余った手でジャケットのポケットに手を突っ込んだ。さっきの武器を使うのだろうか。
0170マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:09:22.23ID:D66ZJ8S3
 共食いしている一匹の魔物が貪るのを止めて顔を上げ、低く唸りながらオレたちに吠えて威嚇して見ている。
0171マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:09:40.69ID:D66ZJ8S3
 その魔物は、低く唸りながら足を踏み鳴らし、なんと姿を変え始めた。
0172マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:09:59.43ID:D66ZJ8S3
 その魔物は皮膚が解けてメタリックの骨格が露わになる。足の爪がさらに鋭くなり、背中にキャノン砲が現れた。
0173マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:10:18.08ID:D66ZJ8S3
 それぞれメタリックの骨格姿に変えた魔物の背中に様々な武器が現れる。
0174マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:10:36.00ID:D66ZJ8S3
 ミサイルランチャー、ガトリング砲、ビームキャノン砲。
0175マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:10:54.05ID:D66ZJ8S3
 姿を変えた魔物が勝ち誇った様に口許を綻ばせ、紅い目が鋭く光り、次々に背中に装備した武器を発射したり撃ってくる。
0176マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:11:12.00ID:D66ZJ8S3
 オレの瞳に、奴らの攻撃が迫るのが映る。
0177マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:11:30.00ID:D66ZJ8S3
 くそっ。ミサの奴、何してんだよ。
0178マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:11:48.82ID:D66ZJ8S3
 こんな時に。オレは焦り苛立った。
0179マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:12:08.21ID:D66ZJ8S3
「ウォーターボール!」
0180マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:12:26.39ID:D66ZJ8S3
 その時、オレたちの頭上でミサの声が降った。
0181マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:12:44.83ID:D66ZJ8S3
 ミサがオレたちの頭上で呪文を詠唱した声が聞 こえたかと思ったら、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、ふわりとオレの身体が浮き上がる。
0182マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:13:03.70ID:D66ZJ8S3
 その間に奴らの攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たるが、奴らの攻撃がジャンボシャボン玉に吸収されてゆく。
0183マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:13:21.90ID:D66ZJ8S3
 「ど、どうなってんだ!?」
0184マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:13:40.34ID:D66ZJ8S3
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスを取るのに必死で、ジャンボシャボン玉の中で忙しく回転している。
0185マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:13:59.20ID:D66ZJ8S3
 回転しすぎて気分が悪くなり吐きそうになり、ロ許を手で押さえる。
0186マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:14:17.23ID:D66ZJ8S3
 逆さま状態で隣のネロを見る。
0187マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:14:35.92ID:D66ZJ8S3
 ネロはジャンボシャボン玉の中でハットを押さえ、胡坐をかいてジャケットのポケットに手を突っ込んでいる。
0188マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:14:54.60ID:D66ZJ8S3
 ネロの奴、平然とパランス取りやがって、優雅に景色を堪能してやがる。
0189マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:15:12.77ID:D66ZJ8S3
 オレは逆さまの状態でネロを睨んで拳を振り上げる。
0190マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:15:31.55ID:D66ZJ8S3
 こうなったら、意地でもバランス取ってやる。
0191マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:15:49.99ID:D66ZJ8S3
 オレはジャンボシャボン玉の中でバランスをとるのに悪戦苦闘し、くるくる回ること数分が経ち、そろそろバテた頃。
0192マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:16:08.95ID:D66ZJ8S3
 オレはコツを掴み、やっとジャンボシャボン玉の中でバランスが取れる様になる。
0193マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:16:27.83ID:D66ZJ8S3
 オレは胡坐をかいて頬杖を突き、勝ち誇った様にネロを睨む。
0194マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:16:47.05ID:D66ZJ8S3
 ネロは相変わらずハットを押さえて胡坐をかき、ジャケットのポケットに手を突っ込み、眼下に広がる景色を堪能している。
0195マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:17:05.28ID:D66ZJ8S3
 無視かよ。オレは俯いてため息を零す。
0196マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:17:23.61ID:D66ZJ8S3
 オレは立ち上がり、退屈しのぎに片足を上げてよろけながらシャボン玉の内側をこぶしでたたいてみるが、金属の様な硬い音がする。
0197マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:17:41.39ID:D66ZJ8S3
 どうなってんだ。こいつはシールドなのか?
0198マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:18:00.34ID:D66ZJ8S3
 ふと下を見ると。オレの眼下で小さくなった奴らが悔しそうに攻撃を諦めてオレたちを呆然と見上げている。
0199マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:18:18.88ID:D66ZJ8S3
「ふぅ。なんとかなったか」
0200マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:18:36.94ID:D66ZJ8S3
 オレはネロに背を向けて寝転び、耳を穿りながら眼下に広がる景色を眺めた。
0201マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:18:55.05ID:D66ZJ8S3
 広大な森が広がり、山が連なり、川が流れ、大きな湖、大きな滝、古城、遺跡がちらほら見える。
0202マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:19:12.90ID:D66ZJ8S3
 大自然がオレを呑み込み、オレは息を呑む。これが、世界か。初めて見る。
0203マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:19:32.26ID:D66ZJ8S3
 昔は、この森に人が住んでたかもな。
0204マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:19:50.71ID:D66ZJ8S3
それにしても。
禁断の森の途中まで馬で来て、すく帰るつもりだったんだよな。
0205マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:20:09.88ID:D66ZJ8S3
 馬はミサの魔法でゾット帝国騎士団の馬小屋に返したのはいいけどよ。
0206マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:20:27.74ID:D66ZJ8S3
 まさか、遺跡を調べている時に魔物に襲われるとはな。
0207マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:20:46.58ID:D66ZJ8S3
 オレは思い出して、苦笑いしてため息を零す。
0208マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:21:04.86ID:D66ZJ8S3
 爺ちゃんの冒険書に書いてあった、ラウル古代遺跡。
0209マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:21:23.20ID:D66ZJ8S3
 爺ちゃんの最期の冒険、ラウル古代遺跡を確かめるため、ここまで来た。
0210マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:21:40.75ID:D66ZJ8S3
 オレは今、世界を見ている。爺ちゃんが見てきた世界。
0211マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:21:58.47ID:D66ZJ8S3
 オレは爺ちゃんに貰ったクリスタルの首飾りのクリスタルを握り締める。
0212マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:22:16.53ID:D66ZJ8S3
 このクリスタルは、爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したらしい。
0213マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:22:34.84ID:D66ZJ8S3
 爺ちゃんが死んでから、オレはクリスタルの首飾りを肌身離さなかった。
0214マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:22:52.82ID:D66ZJ8S3
 爺ちゃん。オレはこれから、世界を見ていく。
0215マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:23:10.80ID:D66ZJ8S3
 オレたちを包んだシャボン玉は上昇気流に乗って目がくらむ高さまで上昇した後、風に任せてゆっくりと飛んでゆく。
0216マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:23:30.46ID:D66ZJ8S3
 オレは束の間の旅を楽しむ。
0217マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:23:49.35ID:D66ZJ8S3
 その時、飛行機の様な騒音が近づいてくる。
0218マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:24:07.75ID:D66ZJ8S3
「なんだ?」
オレは何事かと思い、音のする方に顔を向ける。
0219マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:24:25.90ID:D66ZJ8S3
 騒音とともにごっついホバーボードに乗った、幼馴染のミサがオレとネロの間に割って入る。
0220マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:24:44.84ID:D66ZJ8S3
 オレは寝返りを打って、やっと来たミサを「おせえんだよ」と呟く。
0221マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:25:03.84ID:D66ZJ8S3
 ミサは亜麻色のポニーテールでエメラルドグリ ーンのベレー帽を斜めに被り、額にゴーグルを装着している。
0222マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:25:22.34ID:D66ZJ8S3
 両耳にハートのピアス、首にはハートのネックレス。
0223マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:25:40.84ID:D66ZJ8S3
 服は白のブラウスで胸に小さな紅いリボンが付き、スカイブルーのガーディガン。
0224マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:25:58.85ID:D66ZJ8S3
 コウモリの形をした黒いマントを羽織り、両手 に革の黒いグローブを嵌めている。
0225マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:26:16.90ID:D66ZJ8S3
 下はピンクのフレアスカートに太腿丈の黒いスパッツを穿き、膝から下は縞のニーソックス。
0226マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:26:35.40ID:D66ZJ8S3
 靴は黒いショートブーツ。
0227マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:26:54.32ID:D66ZJ8S3
 ミサが肩を疎め、瞼を閉じてため息を零す。
0228マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:27:13.78ID:D66ZJ8S3
「もう見てられないんだから。あたしに感謝しなさいよ? ネロ、あたし大活躍でしょ!?」
0229マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:27:33.36ID:D66ZJ8S3
 ミサは鼻と喉を鳴らしてオレを一瞥した後、胸の前で手を組み上目遣いでネロにラブラブビームを送る。
0230マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:27:52.74ID:D66ZJ8S3
 オレはつまらなそうにネロを見る。
0231マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:28:11.26ID:D66ZJ8S3
 ネロはミサを無視して胡坐をかき、景色を眺めながら腕を組んで顎に手を当てて何やら考え込んでいる。
0232マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:28:29.71ID:D66ZJ8S3
 また始まったよ。ミサの媚が。付き合ってらんね。
0233マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:28:47.81ID:D66ZJ8S3
「つうか、ミサ。お前、今までどこ行ってたんだよ?」
0234マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:29:05.98ID:D66ZJ8S3
 オレは寝転んだまま、耳を穿りながらミサを睨む。
0235マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:29:24.41ID:D66ZJ8S3
 こいつ、可愛いんだけど、性格が最悪なんだよな。
0236マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:29:43.89ID:D66ZJ8S3
「どこでもいいでしょ? カイトには関係ないじゃない」
0237マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:30:02.24ID:D66ZJ8S3
 ミサはオレに舌を出して、両手を組んで鼻と喉を鳴らしてそっぽを向いた。
0238マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:30:23.67ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちした。
0239マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:30:42.28ID:D66ZJ8S3
「ああ、そうかよ。お前の恋が実るといいな。どっかの誰かさんと」
0240マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:31:00.40ID:D66ZJ8S3
 オレは肩を疎めて、ネロに顎をしゃくる。
0241マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:31:18.49ID:D66ZJ8S3
 オレは「やってらんねえ」と呟き、ミサに背を向けて寝返る。
0242マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:31:36.46ID:D66ZJ8S3
 景色をぼんやり眺めていると、安心感と疲労で眠気が襲い、オレは欠伸をして目を擦る。
0243マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:31:54.90ID:D66ZJ8S3
その時、どこから飛んできたミサイルランチャーがオレのジャンボシャボン玉に当たり、卵が割れる様な嫌な音を立てて罅が入る。
0244マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:32:13.49ID:D66ZJ8S3
 オレのジャンボシャボン玉にミサイルランチャーが当たる度に罅が大きくなる。
0245マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:32:31.34ID:D66ZJ8S3
 その後、何故か敵の攻撃が止んだ。
0246マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:32:49.15ID:D66ZJ8S3
 諦めてくれたか?
0247マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:33:06.87ID:D66ZJ8S3
 オレは寝転んだまま、辺りを見回す。
0248マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:33:26.30ID:D66ZJ8S3
 くそっ。今度はなんだよ。
0249マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:33:43.45ID:D66ZJ8S3
 敵の攻撃が止んだのを確かめると、オレは眠気が一気に覚め、何事かと思い慌てて飛び起きた。
0250マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:34:03.13ID:D66ZJ8S3
「おい、ミサ。なんでオレだけ罅が入るんだよ!?」
0251マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:34:21.28ID:D66ZJ8S3
 オレは拳を振り上げ、ミサに食ってかかる。オレの拳が怒りで震えている。
0252マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:34:40.16ID:D66ZJ8S3
 ミサ。オレのだけ手加減したんじゃねぇだろうな。
0253マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:34:58.18ID:D66ZJ8S3
 オレの中で、そんな不安が過る。まさかな。
0254マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:35:16.41ID:D66ZJ8S3
 ミサは胸の前で両手を合わせて、可愛くぺろっと舌を出した。
0255マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:35:36.07ID:D66ZJ8S3
「ごめんっ。カイトの分だけ、手加減しちゃった。ネロは特別だからね?」
0256マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:35:55.55ID:D66ZJ8S3
 ミサはネロにウィンクして、ネロにラブラブビームを送る。
0257マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:36:14.58ID:D66ZJ8S3
 オレはミサが信じられず、ミサを力強く指さす。
0258マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:36:32.78ID:D66ZJ8S3
「はあ!? お前なに言ってんだよ!? ネロ、なんとか言ってやれよ!」
0259マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:36:50.86ID:D66ZJ8S3
 オレの指先が得体の知れない恐怖で震えている。手には嫌な汗を掻いている。
0260マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:37:08.74ID:D66ZJ8S3
 オレは救いを求める様にネロを見る。
0261マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:37:27.34ID:D66ZJ8S3
 ネロはミサを無視して、デジタル腕時計を弄りながら、黒縁メガネのレンズでどこからミサイルランチャーが飛んできたか探索モードで必死に探っている。
0262マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:37:45.19ID:D66ZJ8S3
 ここはネロに任せるか。オレはミサに視線を戻す。
0263マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:38:04.56ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの苛立ちで両手で頭を掻き上げる。
0264マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:38:22.67ID:D66ZJ8S3
「おい、ミサ! オレのだけ手加減したのかよ!? お前、それでも幼馴染かよ!?」
0265マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:38:40.69ID:D66ZJ8S3
 オレはまた力強くミサを指さす。やっぱりミサが信じられず指先が震えている。
0266マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:38:58.69ID:D66ZJ8S3
 今度は額に嫌な汗を掻いている。
0267マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:39:17.95ID:D66ZJ8S3
 ミサは肩を竦め不気味に微笑んで、鬱陶しそうに手をひらひらさせる。
0268マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:39:37.69ID:D66ZJ8S3
「ネロとあたしは大丈夫だから。落ちるのはカイトね。短い間だけど、楽しかったわ」
0269マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:39:56.09ID:D66ZJ8S3
 ミサは瞼を閉じ、涙を指で拭う仕草をして、胸の前で十字を切った。
0270マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:40:14.14ID:D66ZJ8S3
 こいつ、冗談じゃないな。本気だ。
0271マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:40:31.81ID:D66ZJ8S3
 オレはミサに呆れて、がっくりと肩を落とし俯く。
0272マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:40:49.89ID:D66ZJ8S3
 ミサに付き合いきれずに疲れて、そのまま深いため息が零れる。
0273マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:41:07.96ID:D66ZJ8S3
「何か近づいてくるぞ! 油断するな!」
0274マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:41:26.02ID:D66ZJ8S3
 その時、ネロの怒声が響く。
0275マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:41:44.60ID:D66ZJ8S3
「!?」
オレは一気に緊張して、驚いて顔を上げる。
0276マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:42:03.35ID:D66ZJ8S3
 オレは素早くネロを見ると、ネロの黒縁メガネのレンズに表示された3D立体地図が赤く点滅している。
0277マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:42:21.20ID:D66ZJ8S3
 敵か。どこだ?
0278マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:42:40.24ID:D66ZJ8S3
 オレは辺りを見回す。さっき攻撃してきた奴か?
0279マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:42:58.45ID:D66ZJ8S3
 その時、けたましく鳴きながら、オレたちの向こうと反対側から飛んできた二羽の大鷲。
0280マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:43:16.89ID:D66ZJ8S3
 大鷲はメタリックの骨格に眼が紅く、両翼の先端が太い筒状になっており、長い尻尾が生えている。
0281マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:43:34.81ID:D66ZJ8S3
 二羽の大鷲は回転しながらオレたちに近づき、それぞれ口を開けるとガトリングガンがあり、二羽の大鷲は口を開けたままガトリングガンを撃ってくる。
0282マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:43:54.24ID:D66ZJ8S3
 オレのジャンボシャボン玉の罅がみるみる大きくなる。
0283マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:44:12.23ID:D66ZJ8S3
 くそっ。諦めたんじゃなかったのかよ。
0284マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:44:30.19ID:D66ZJ8S3
 何でオレだけなんだ。
0285マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:44:49.47ID:D66ZJ8S3
 オレは両手で頭を掻きながらミサとカイトを見る。
0286マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:45:07.21ID:D66ZJ8S3
 ネロを見るが、ネロのシャボン玉は攻撃を吸収して大丈夫みたいだ。
0287マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:45:25.81ID:D66ZJ8S3
 ミサはミサで、青白い障壁に包まれている。
0288マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:45:43.91ID:D66ZJ8S3
 ミサ、オレのだけ本当に手加減したのか?
0289マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:46:02.38ID:D66ZJ8S3
 オレは首を横に振る。そんなわけねぇ。
0290マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:46:21.05ID:D66ZJ8S3
 オレは両手の拳を握り締める。
0291マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:46:40.08ID:D66ZJ8S3
「おい、なんとかしろよ!」
0292マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:46:58.11ID:D66ZJ8S3
 オレはミサとネロに訴える様に、シャボン玉の見えない壁を拳で叩く。
0293マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:47:16.34ID:D66ZJ8S3
 拳を額にくっつける。
0294マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:47:34.28ID:D66ZJ8S3
 オレは歯を食いしばって一羽の大鷲を睨む。
0295マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:47:52.40ID:D66ZJ8S3
 大鷲は勝ち誇ったように、両翼を真っ直ぐ前に突き出し、両翼の先端の筒からミサイルが発射された。
0296マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:48:10.64ID:D66ZJ8S3
 ミサイルの飛来音が風を切る。
0297マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:48:28.81ID:D66ZJ8S3
 オレは飛んでくるミサイルを見て舌打ちした。
0298マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:48:48.48ID:D66ZJ8S3
 今度はミサイルかよ。余計なことしやがって。
0299マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:49:08.20ID:D66ZJ8S3
 オレはシャボン玉の見えない壁を拳で激しく叩く。
0300マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:49:26.07ID:D66ZJ8S3
 くそっ。どうなってやがる。ここの魔物どもは。
0301マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:49:43.80ID:D66ZJ8S3
 ミサがシールドの手加減をしたとは思えねぇ。
0302マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:50:01.73ID:D66ZJ8S3
 じゃ何でなんだよ。
0303マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:50:19.82ID:D66ZJ8S3
 オレは諦めて両膝をシャボン玉の見えない床に突き、絶望に駆られ俯く。
0304マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:50:38.60ID:D66ZJ8S3
「不味いぞ。ミサ、カイトをなんとかしろ!」
0305マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:50:57.24ID:D66ZJ8S3
 ネロの怒声が波の様に揺らいで聞こえる。
0306マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:51:15.82ID:D66ZJ8S3
 大鷲のミサイル攻撃がオレのジャンボシャボン玉に当たり、攻撃音が遠くに聞こえる。
0307マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:51:35.04ID:D66ZJ8S3
 なんとかならねぇのかよ。くそっ。
0308マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:51:54.17ID:D66ZJ8S3
 オレは両手の掌を床に突き、拳を握り締めて見えない床を叩く。
0309マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:52:13.20ID:D66ZJ8S3
 その間にも、オレのジャンボシャボン玉の罅割れが大きくなる。
0310マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:52:31.21ID:D66ZJ8S3
 オレの鼓動が高まり、緊張で息が荒くなる。
0311マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:52:49.36ID:D66ZJ8S3
 瞼を閉じた。落ち着け。とにかく、考えるんだ。どうにかしないと。
0312マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:53:07.68ID:D66ZJ8S3
 その時、オレのジャンボシャボン玉は攻撃に耐えきれず、ついにガラスが割れた様に砕け散る。
0313マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:53:25.75ID:D66ZJ8S3
 オレの身体は吸い込まれるように宙に投げ出された。
0314マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:53:44.04ID:D66ZJ8S3
「うわぁぁぁぁぁ!」
0315マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:54:01.91ID:D66ZJ8S3
 オレの身体が逆さまにみるみる急降下していく。
0316マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:54:20.36ID:D66ZJ8S3
 顔を上げると、ネロとミサが小さくなる。
0317マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:54:38.46ID:D66ZJ8S3
 オレは手を伸ばして掌を広げる。
0318マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:54:57.16ID:D66ZJ8S3
「ミサ、ネロ……」
0319マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:55:16.05ID:D66ZJ8S3
 オレは小さく呟いた。
0320マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:55:34.20ID:D66ZJ8S3
 ついにミサとネロが点になり、見えなくなった。
0321マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:55:52.00ID:D66ZJ8S3
 オレの身体が急降下してゆく、地上に向けて。
0322マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:56:10.41ID:D66ZJ8S3
 今度ばかりはダメかもな。オレは瞼を閉じる。
0323マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:56:28.99ID:D66ZJ8S3
「こらあああああ! カイトおおおおお! なに諦めてんのよっ! あたしがカイトを助けるんだから! 幼馴染を見捨てたりしないわよ! 今行くから待ってなさいっ!」
0324マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:56:47.49ID:D66ZJ8S3
ミサの怒声が天から聞こえる。
0325マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:57:06.04ID:D66ZJ8S3
 変だな。これは夢か?
0326マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:57:24.45ID:D66ZJ8S3
 いや、オレはまだ死んでない。
0327マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:57:42.19ID:D66ZJ8S3
 気のせいじゃない。ミサの声が聞こえる。
0328マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:58:01.49ID:D66ZJ8S3
 オレはゆっくりと瞼を開ける。
0329マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:58:20.81ID:D66ZJ8S3
 オレの視界に、ミサがホバーボードの後ろの二本マフラーから激しく火を噴きながら、ホバーボードのエンジン全開でオレを追いかける姿が映る。
0330マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:58:39.39ID:D66ZJ8S3
 ミサの姿を見て、オレは鼻を鳴らし喉の奥で笑う。ミサに見捨てられたかと思ったぜ。
0331マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 08:58:57.30ID:D66ZJ8S3
 ネロとはぐれちまったな。あいつならなんとかするだろ。
0332マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:59:15.26ID:D66ZJ8S3
 その時、ミサの背後からけたましく鳴きながら 一羽の大鷲の魔物が急降下してくる。
0333マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:59:33.89ID:D66ZJ8S3
 またあいつかよ。諦めてくれそうにないな。
0334マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 08:59:57.41ID:D66ZJ8S3
 オレは大鷲の魔物を睨む。
0335マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:00:15.60ID:D66ZJ8S3
「ミサ! 後ろだ! あいつが追いかけてきてるぞ!」
0336マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:00:33.67ID:D66ZJ8S3
 オレは近づいてくるミサの背後を指さす。
0337マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:00:52.04ID:D66ZJ8S3
 ミサは鬱陶しそうに髪を掻き上げ、背後の魔物を無視してオレの降下スピードに追いつく。
0338マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:01:10.80ID:D66ZJ8S3
「魔物なんかどうでもいいわ! あんたがなんとかしてよ! あたしはあんたを助けるので手一杯なんだから! カイト、手を伸ばして!」
0339マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:01:28.59ID:D66ZJ8S3
 ミサがオレに手を伸ばして掌を広げる
0340マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:01:47.97ID:D66ZJ8S3
 ミサの亜麻色の前髪とポニーテールが風で靡いている。
0341マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:02:09.39ID:D66ZJ8S3
 オレもミサに手を伸ばしながら、腰のホルスターに挿したオートマチック銃の柄に手をかける。
0342マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:02:26.67ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちした。やっぱ、オレがなんとかしないとな。
0343マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:02:45.04ID:D66ZJ8S3
 大鷲の魔物はミサの背後で羽ばたきながら、長い尻尾の鋭い先端をミサの背中に向ける。
0344マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:03:04.04ID:D66ZJ8S3
 こいつ、あの尻尾でミサを刺そうってか。させるかよ。
0345マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:03:22.60ID:D66ZJ8S3
 オレはミサに手を伸ばしつつ、腰のホルスターに挿したオートマック銃を抜く。
0346マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:03:43.34ID:D66ZJ8S3
 片目を瞑って大鷲の魔物に狙いを定め、オートマチック銃の引き金を引いて二三発撃つ。
0347マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:04:02.97ID:D66ZJ8S3
 三発目に撃った銃弾が大鷲の魔物の腹に命中し、銀色の粘着物が大鷲の魔物の腹にくっついた。
0348マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:04:21.65ID:D66ZJ8S3
 同時に大鷲の魔物の身体を青白い電気が包み込み、大鷲の魔物が麻痺して苦しそうに鳴きながら 逆さまに降下してゆく。
0349マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:04:41.38ID:D66ZJ8S3
 オレは青白い電気を包み込みながら降下してゆく大鷲の魔物を見下ろして口笛を吹いた。
0350マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:05:00.65ID:D66ZJ8S3
 オレはオートマチック銃を握った手で、額の汗を手の甲で拭う。
0351マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:05:20.39ID:D66ZJ8S3
「ふう。なんとかなったな。それにしても、この銃、なんなんだ?」
0352マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:05:38.28ID:D66ZJ8S3
 オレはまじまじとオートマチック銃を見つめる。
0353マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:05:56.74ID:D66ZJ8S3
 帝国騎士団からくすねた銃だが、騎士団はこんなもん使っているのか。
0354マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:06:14.90ID:D66ZJ8S3
 物騒な世の中になったもんだ。
0355マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:06:34.55ID:D66ZJ8S3
 その時、もう一羽の大鷲の魔物がお腹を向けて急降下して来た。
0356マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:06:53.44ID:D66ZJ8S3
 そして、青白い電気を包み込みながら降下していた大鷲の魔物と接触して空中爆発が起きる。
0357マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:07:11.65ID:D66ZJ8S3
 その衝撃波がオレとミサを襲う。
0358マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:07:29.71ID:D66ZJ8S3
 あとちょっとでオレはミサの手を掴むところだったが、爆風でオレは回転しながら吹っ飛んだ。
0359マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:07:49.57ID:D66ZJ8S3
「うわっ」
熱気と破片が飛んできて、オレは顔の前を手で遮る。
0360マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:08:15.84ID:D66ZJ8S3
 凶器と化した破片が頬や腕、脇腹や太ももを掠めて皮膚が切れて怪我する。
0361マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:08:30.20ID:D66ZJ8S3
 オレは痛くて、「っつ」と思わず顔をしかめて声を漏らす。
0362マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:08:48.86ID:D66ZJ8S3
「ああもう! あとちょっとだったのに! 世話が焼ける男ね! こうなったら、魔法しかないわね! ウォーターポール!」
0363マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:09:09.15ID:D66ZJ8S3
 ミサの苛立ちの声が降り、ミサは呪文を詠唱した。
0364マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:09:28.39ID:D66ZJ8S3
 ミサが呪文を詠唱すると、オレの身体がジャンボシャボン玉に包まれ、オレの身体がジャンボシャボン玉の中で浮き上がる。
0365マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:09:46.25ID:D66ZJ8S3
 またこの魔法か、嫌な思い出しかないぜ。オレは顔をしかめ、心で愚痴を零す。
0366マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:10:04.27ID:D66ZJ8S3
 オレはオートマチック銃を腰のホルスターに挿した。
0367マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:10:23.27ID:D66ZJ8S3
 オレは胡坐をかいて、太ももに掌を突く。
0368マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:10:42.36ID:D66ZJ8S3
「また手抜きじゃねえだろうな!」
0369マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:11:00.22ID:D66ZJ8S3
 ミサを睨んで拳を振り上げる。
0370マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:11:18.87ID:D66ZJ8S3
 ミサが鬱陶しそうに髪を掻き上げ、ホバーボードを飛ばしてオレのジャンボシャボン玉に近づいてくる。
0371マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:11:37.49ID:D66ZJ8S3
「即席のウォーターボールよ。文句言わないでよ ! あたしの魔力、そんなにないんだから!」
0372マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:11:56.33ID:D66ZJ8S3
 ミサがジャンボシャボン玉の中に手を突っ込んで、オレに手を伸ばす。
0373マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:12:18.33ID:D66ZJ8S3
「いつまで持つかわからないわよ? また落っこちたい?」と、ミサは顔をしかめて冷たく言い放つ。
0374マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:12:39.34ID:D66ZJ8S3
 自分の手を早く掴めと言わんばかりに、シャボン玉の中に突っ込んだ手の指をひらひらと動かす。
0375マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:13:14.50ID:D66ZJ8S3
 魔法が使えないオレはミサの態度に苛立ち、頭の後ろで手を組む。
0376マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:13:37.90ID:D66ZJ8S3
「おせえんだよ。待たせやがって」
0377マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:14:06.18ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちしてから、一安心してため息を零し、仕方なく嫌々ミサに手を伸ばす。
0378マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:14:30.68ID:D66ZJ8S3
 オレがミサの手を掴んだ瞬間、ジャンボシャボン玉が勢いよく弾けた。
0379マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:14:51.02ID:D66ZJ8S3
 ミサはオレの手を掴んだままため息を零す。
0380マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:15:16.54ID:D66ZJ8S3
「やっと掴んだわよ。邪薩が入ったけど、まあいいわ……」
0381マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:15:51.35ID:D66ZJ8S3
 やれやれという感じで、ミサは瞼を閉じで肩を疎めて首を横に振る。
0382マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:16:18.45ID:D66ZJ8S3
 オレはミサに親指を突き出した。
0383マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:16:43.02ID:D66ZJ8S3
「オレはミサを信じてたぜ。一時は諦めたけどな」
0384マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:17:14.21ID:D66ZJ8S3
 歯を見せて、オレはミサに笑いかける。
0385マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:17:39.86ID:D66ZJ8S3
 ミサは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにオレから顔を背けた。
0386マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:18:03.22ID:D66ZJ8S3
「べ、別にっ。ま、まあ、幼馴染だし? ネロに言われたし? それにしても、危機一髪だったわね」
0387マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:18:24.18ID:D66ZJ8S3
 ミサはオレから顔を背けたまま、額の汗を手の甲で拭う。
0388マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:18:52.13ID:D66ZJ8S3
ミサの汗の粒が風に飛ばされて、オレの頬に張り付く。
0389マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:19:15.15ID:D66ZJ8S3
「オレを殺す気かよ。ったく」
0390マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:19:41.40ID:D66ZJ8S3
 オレは眉根を寄せてミサを睨み、俯いてため息を零す。
0391マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:20:05.52ID:D66ZJ8S3
 雲を抜け、雲の間から足元に広がる景色に息を呑んだ。
0392マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:20:33.93ID:D66ZJ8S3
 ネロの奴、今頃なにしてんだか。
0393マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:21:03.22ID:D66ZJ8S3
「ねえ、ネロのこと考えてるの? ネロのことなら心配ないわよ? 後で合流しようって言ってたし。それに、ネロのハイテク装備もあることだし。なにも心配することないわよ」
0394マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:21:26.27ID:D66ZJ8S3
 ミサはオレが考えていることを、さらりとロにした。
0395マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:21:49.27ID:D66ZJ8S3
 やっぱ、ミサはオレの幼馴染だな。オレはミサの顔を見て微笑む。
0396マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:25:23.37ID:D66ZJ8S3
「そうか、ならいいんだ。ミサを巻き込んで悪かったな。お前、ネロと一緒に王都ガランに行くつもりだったんだろ?」
0397マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:25:43.82ID:D66ZJ8S3
 オレはミサのことはお見通しという感じで、ミサに歯を見せて笑った。
0398マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:26:03.60ID:D66ZJ8S3
 ミサは皮肉たっぷり込めて瞼を閉じて舌を出す。
0399マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:26:24.16ID:D66ZJ8S3
「そうよ。あんたを放って、王都ガランでネロとデートしようと思ってたのに。デート当日になって、あんたが待ち合わせ場所に来て、禁断の森に行こうとか言い出すし。ほんと信じれない。せっかくお洒落してきたのに。おかげでデートが台無しよ。まさかネロがあたしとのデートをあんたに言ったとはねぇ、迂闊だったわ」
0400マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:26:42.28ID:D66ZJ8S3
 ミサはネロが信じられないという様に、また瞼を閉じて首を横に振る。
0401マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:27:01.56ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの顔を見て、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
0402マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:27:20.06ID:D66ZJ8S3
 ミサにネロのこと言うべきか、オレは迷った。
0403マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:27:38.31ID:D66ZJ8S3
「ミサ。ネロはお前のこと……」
0404マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:27:57.43ID:D66ZJ8S3
 言いかけて、オレは言葉を呑んだ。
0405マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:28:17.63ID:D66ZJ8S3
 ネロは、お前のこと幼馴染だと思ってる。
0406マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:28:37.74ID:D66ZJ8S3
 オレは拳を握り締め、俯いて瞼を閉じて首を横に振る。
0407マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:28:56.94ID:D66ZJ8S3
 ミサはデートのこと根に持ってるのか、ミサの盛大なため息が聞こえる。
0408マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:29:16.31ID:D66ZJ8S3
「ネロがどうした? なによ、気になるじゃない」
0409マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:29:35.10ID:D66ZJ8S3
 ミサの興味津々な声が降ってくる。
0410マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:29:54.54ID:D66ZJ8S3
 オレは俯いたまま、ゆっくりと瞼を開ける。
0411マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:30:12.62ID:D66ZJ8S3
「なんでもねえよ」
0412マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:30:32.37ID:D66ZJ8S3
 オレは小さく呟き、握り拳に力を入れて拳が震えた。
0413マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:30:51.91ID:D66ZJ8S3
 そのまま、ミサと顔を合わせるのが嫌でオレは俯いたまま。
0414マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:31:11.64ID:D66ZJ8S3
 急にミサが洟をすすって泣いた。
0415マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:31:29.87ID:D66ZJ8S3
「少しはあたしの恋に協力してくれてもいいじゃない。カイトのバカッ」
0416マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:31:49.94ID:D66ZJ8S3
 ミサが小声でぼそりと呟く。
0417マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:32:08.75ID:D66ZJ8S3
 オレは聞こえないふりをした。
0418マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:32:26.84ID:D66ZJ8S3
 その後、気まずい空気が流れ、オレとミサは黙ったままだった。
0419マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:32:44.82ID:D66ZJ8S3
 その時、ミサのホバーボードのマフラーから空 気が抜けた様な嫌な音を立てた。
0420マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:33:04.18ID:D66ZJ8S3
「!? な、なんだ!?」
0421マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:33:23.55ID:D66ZJ8S3
 オレは驚いて顔を上げる。
0422マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:33:41.66ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードのファンの回転が弱くなる音が聞こえる。
0423マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:33:59.62ID:D66ZJ8S3
「ね、燃料が切れかかってる!? こんな時に! ?」
0424マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:34:17.54ID:D66ZJ8S3
 ミサがホバーボードの上でバランスを崩すと同時に、ミサは背中のマントを開き滑空する。
0425マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:34:35.63ID:D66ZJ8S3
 ミサの足からホバーボードが離れ、オレは咄嗟 に片方の手でホバーボードを掴む。
0426マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:34:53.77ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードの重さにオレは顔をしかめる。
0427マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:35:12.15ID:D66ZJ8S3
「今度は燃料が足りねえのか。災難続きだな。にしても、このホバーボード重いぞ」
0428マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:35:30.58ID:D66ZJ8S3
 オレはホバーボードを憎たらしく見つめる。機械の塊が生意気だな。
0429マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:35:48.88ID:D66ZJ8S3
 このホバーボード、何かの役に立つかも知れないからな。
0430マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:36:08.22ID:D66ZJ8S3
 ミサは両手でしっかりとオレの手を掴んでいる。
0431マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:36:26.23ID:D66ZJ8S3
 マントを広げたミサは風に任せて、オレたちはゆっくりと優雅に飛んでゆく。
0432マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:36:44.41ID:D66ZJ8S3
 ミサがため息を零すのが聞こえ、オレはミサを見上げた。
0433マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:37:02.26ID:D66ZJ8S3
 お前、ため息が多いな。そんなにネロとデートが出来なかったことが悔しいのかよ。
0434マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:37:21.61ID:D66ZJ8S3
 なんかミサに悪いことしたな。今度、ミサの恋に協力してやるか。
0435マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:37:39.72ID:D66ZJ8S3
 ミサは風で髪をなびかせて、眼下に広がる景色にうっとりして堪能していた。
0436マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:37:57.76ID:D66ZJ8S3
「あーあ。思った以上に景色が綺麗で、この子の 燃料食っちゃったなあ。反省……ごめんね、ネロ」
0437マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:38:15.97ID:D66ZJ8S3
 ミサはがっくりと肩を落とし、意気消沈して俯く。
0438マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:38:36.41ID:D66ZJ8S3
 おいおい。お前、ホバーボードの名前がネロとか病んでるな。聞いてて寒気がする。
0439マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:38:54.90ID:D66ZJ8S3
 オレはホバーボードでミサを殴ってやろうかと思ったがやめた。
0440マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:39:13.76ID:D66ZJ8S3
「お前が寄り道してるせいで、オレとネロは大変だったんだからな。ちったぁ反省しやがれ」
0441マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:39:33.06ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードを掴むオレの手が怒りと重さで震えている。
0442マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:39:50.88ID:D66ZJ8S3
 その時、急にミサの息が荒くなる。
0443マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:40:09.28ID:D66ZJ8S3
「はあ、はあ....」
みるみるミサの顔色が悪くなり、ミサの額に汗が滲む。
0444マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:40:27.42ID:D66ZJ8S3
 嫌な予感がして、オレの鼓動が高まる。
0445マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:40:45.71ID:D66ZJ8S3
「お、おい。ミサ、どうしたんだよ?」
0446マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:41:04.34ID:D66ZJ8S3
 オレはミサが心配で、ミサの顔を覗き込む。
0447マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:41:22.29ID:D66ZJ8S3
 ミサの額は玉のように汗を掻いている。
0448マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:41:40.77ID:D66ZJ8S3
 オレを掴むミサの両手が震えている。
0449マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:41:59.09ID:D66ZJ8S3
 ミサはオレの顔を見て微笑んだ。
0450マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:42:17.08ID:D66ZJ8S3
「ごめん、カイト。あたし、魔力を消費しちゃったみたい、 後は、お願い、ね....」
0451マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:42:35.41ID:D66ZJ8S3
 ミサは気絶して身体から力が抜け、ミサが落ちてゆく。
0452マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:42:53.50ID:D66ZJ8S3
 ミサはオレを掴んだまま落下する。
0453マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:43:11.55ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの体重に引っ張られる。
0454マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:43:29.38ID:D66ZJ8S3
「ぐっ」
オレはミサの手をしっかりと片手で掴む。
0455マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:43:49.04ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードを掴んでいる手を、ホバーボードを持ち上げて脇に挟み、ミサの手を両手で掴む。
0456マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:44:07.53ID:D66ZJ8S3
「ミサっ!?」
オレは歯を食いしばって力を入れた。
0457マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:44:25.50ID:D66ZJ8S3
 ぜってえ離さねえ。無理しやがって。
0458マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:44:43.67ID:D66ZJ8S3
 ミサのパワーグローブのおかげで、ミサの体重をそんなに感じない。
0459マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:45:02.05ID:D66ZJ8S3
 風の抵抗を受けながら、大地が近づいてくる。
0460マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:45:21.71ID:D66ZJ8S3
 幸いにも、下に大きな川が流れているのが小さく見える。
0461マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:45:40.87ID:D66ZJ8S3
 うまくいけば助かるかもな。川に落ちたとしても、川の深さがわからねえ。
0462マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:45:58.76ID:D66ZJ8S3
 川に飛び込んだ衝撃で、怪我どころじゃねぇな。
0463マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:46:16.93ID:D66ZJ8S3
 下手すりゃ溺れて、オレとミサはお陀仏だ。
0464マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:46:34.76ID:D66ZJ8S3
 どうする。考えろ。
0465マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:46:52.88ID:D66ZJ8S3
オレは瞼を閉じて首を横に振る。
0466マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:47:10.55ID:D66ZJ8S3
 やっぱ、頼みはこいつだな。
0467マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:47:28.92ID:D66ZJ8S3
 オレは脇に挟んだホバーボードに目を落とし、ミサを掴む手に力を入れる。
0468マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:47:46.88ID:D66ZJ8S3
 ウォーターボールの魔力がまだ効いているのか、オレの身体は浮いていた。
0469マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:48:05.59ID:D66ZJ8S3
 ミサのパワーグローブから、ミサの魔力が伝わってくるのかもな。
0470マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:48:23.90ID:D66ZJ8S3
 もしかして、オレがミサの魔力を吸い取ってるのか?
0471マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:48:42.20ID:D66ZJ8S3
 オレは瞼を閉じて首を横に振った。めんどくせぇ。
0472マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:49:00.44ID:D66ZJ8S3
 くそっ。オレはホバーボードの重さに耐えられず、顔をしかめ、脇と手と額にも嫌な汗を掻いている。
0473マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:49:18.33ID:D66ZJ8S3
 そろそろ限界かもな。ミサも重くなってきやがった。
0474マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:49:36.52ID:D66ZJ8S3
 ミサを掴む手が震え始め、脇を動かした隙に脇からホバーボードがするりと滑り落ちた。
0475マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:49:54.48ID:D66ZJ8S3
 重力の勢いで、風を切り裂きながら落ちてゆくホバーボード。
0476マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:50:12.90ID:D66ZJ8S3
「くそっ!」
0477マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:50:31.87ID:D66ZJ8S3
 回転しながら落ちてゆくホバーボードに、オレはミサの手から片手を離して、ホバーボードに手を伸ばす。
0478マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:50:50.40ID:D66ZJ8S3
 オレは悔しくて歯を食いしばる。ミサ、すまねぇ。お前のホバーボードを手放しちまった。
0479マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:51:08.69ID:D66ZJ8S3
 オレはやるせなくなり、ホバーボードに伸ばし手を垂れて俯く。
0480マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:51:26.79ID:D66ZJ8S3
 諦めるのか? そんな簡単に。ミサの大事なホバーボードなのに。
0481マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:51:44.82ID:D66ZJ8S3
 ミサが好きなネロって名前のホバーボードだろ? ミサのお気に入りなんだろ?
0482マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:52:02.89ID:D66ZJ8S3
 垂れた手を握り締め。瞼を閉じて首を横に振る。いや、まだ終わってねぇ。
0483マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:52:20.90ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードに燃料が少し残ってるはずだ。その可能性に賭ける。
0484マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:52:38.88ID:D66ZJ8S3
 どうにかして遠隔操作すれば、ホバーボードを動かせるかもしれねぇ。
0485マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:52:56.85ID:D66ZJ8S3
 小さくなってゆくホバーボードに、オレは手を伸ばす。頼む、動いてくれ。
0486マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:53:15.85ID:D66ZJ8S3
 その間にも眼下に大きな川が近づいてくる。川の流れる轟音が聞こえる。
0487マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:53:33.88ID:D66ZJ8S3
 ぐずぐずしてられねぇ。このポンコツが! さっさと動きやがれ!
0488マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:53:52.31ID:D66ZJ8S3
 今にも川に落ちそうなホバーボードを、オレは黙って睨み据える。
0489マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:54:11.36ID:D66ZJ8S3
 その時、オレの首飾りのクリスタルが眩く青白い光を放つ。
0490マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:54:29.28ID:D66ZJ8S3
 オレは思わず青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。何が起こった?
0491マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:54:47.61ID:D66ZJ8S3
 眼下のホバーボードが川の水面に近づいた瞬間、ホバーボードが川の水面に浮く。
0492マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:55:05.54ID:D66ZJ8S3
 轟音とともに凄まじい水飛沫がホバーボードの周りに飛び散る。
0493マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:55:23.72ID:D66ZJ8S3
 主の声に応えるようにクリスタルが青白い光を放ちながら、オレとミサの身体がゆっくりとホバーボードに吸い寄せられてゆく。
0494マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:55:41.80ID:D66ZJ8S3
 オレはミサを抱きかかえながら、青白く光るクリスタルを掌に載せて、クリスタルをまじまじと見た。なんだ? 助かったのか?
0495マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:56:00.66ID:D66ZJ8S3
 そして、オレがミサをホバーボードの上に乗せようと思った直前。
0496マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:56:18.88ID:D66ZJ8S3
 急にミサのパワーグローブから火花が散って、ミサの身体が鉛りの様に重くなり、オレはミサを手放してしまう。
0497マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:56:36.69ID:D66ZJ8S3
 ミサが川に落ちて水飛沫がオレの頬に張り付く。
0498マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:56:56.23ID:D66ZJ8S3
 オレは川に流されまいと、慌ててホバーボードの上に両腕を載せてホバーボードにしがみつく。
0499マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:57:15.89ID:D66ZJ8S3
「ミサッ!?」
0500マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:57:34.61ID:D66ZJ8S3
 オレの下半身がずぶ濡れになり、流されまいと足に力を入れる。
0501マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:57:52.45ID:D66ZJ8S3
 空中爆発で飛んで来た破片で太腿を切った傷口が沁みて、オレは顔をしかめる。
0502マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:58:10.67ID:D66ZJ8S3
 痛みを我慢して、オレは水面上に浮いたホバーボードからミサに手を伸ばす。
0503マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:58:29.00ID:D66ZJ8S3
 くそっ。動け、このポンコツが!
0504マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:58:47.09ID:D66ZJ8S3
 オレは吐き捨てるように、ホバーボードの上を拳で思いっきり叩いた。 
0505マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 09:59:05.04ID:D66ZJ8S3
 次の瞬間、ホバーボードは空気が抜けた様な間抜けな音を出し、ホバーボードが川に落ちて派手に水飛沫を上げた。
0506マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:59:24.72ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードが川に落ちた瞬間、オレは川の水を飲んだ。
0507マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 09:59:42.93ID:D66ZJ8S3
 空中爆発で飛んで来た破片で切った腕や頬の傷口が沁みて、オレはまた顔をしかめる。
0508マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:00:01.03ID:D66ZJ8S3
 手当しないとな。そんな思いを裏切るように、オレはホバーボードにしがみついたまま流されてゆく。
0509マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:00:18.92ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードを板代わりに、オレはホバーボードにしがみつきながら飲んだ水を吐いて咳き込む。
0510マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:00:36.85ID:D66ZJ8S3
 前髪を掻き上げてミサを見ると、川の流れが早く、ミサがどんどん流されてゆく。
0511マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:00:54.88ID:D66ZJ8S3
 うつ伏せに浮いて流されるミサ。
0512マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:01:12.95ID:D66ZJ8S3
 このままじゃ、ミサが溺れ死ぬ。なんとかして助けねぇと。
0513マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:01:32.00ID:D66ZJ8S3
 オレはホバーボードの上で、川の水の冷たさに震えていた。
0514マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:01:50.72ID:D66ZJ8S3
 不味いな、体温が奪われてる。
0515マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:02:08.70ID:D66ZJ8S3
 オレがホバーボードから離れたら、オレまで溺れてしまう。
0516マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:02:27.15ID:D66ZJ8S3
 オレはミサから目を離さない。
0517マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:02:45.46ID:D66ZJ8S3
 ミサの数メートル先に、大きな尖がった岩が川から突き出している。
0518マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:03:03.33ID:D66ZJ8S3
 待てよ。ミサがあの岩に引っかかってくれれば、なんとかなりそうだ。
0519マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:03:21.86ID:D66ZJ8S3
 オレは震える手で川の水を手で必死に漕ぎながら、ミサの後ろに位置を調整する。
0520マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:03:39.89ID:D66ZJ8S3
 やがて、ミサは大きな岩に引っかかり、ミサの身体はうつ伏せのまま浮いている。
0521マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:03:58.87ID:D66ZJ8S3
 少ししてオレはミサに追いついた。
0522マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:04:17.00ID:D66ZJ8S3
 岩の周りは幸いにも浅瀬せで、川の流れも遅く、オレの腰くらいまで水の高さがある。
0523マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:04:35.32ID:D66ZJ8S3
「ミサ、しっかりしろ!」
0524マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:04:54.00ID:D66ZJ8S3
 オレはミサを支えて肩に担ぎ、川底に足を取られよろけながら、オレはミサをホバーボードの上に載せる。
0525マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:05:11.96ID:D66ZJ8S3
 ミサの生死が気になって、オレは横になったミサの胸に耳を当てる。
0527マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:05:30.27ID:D66ZJ8S3
 鼓動どころか何の音も聞こえない。聞こえるのは自分の鼓動と川の流れる音だけ。
0528マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:05:36.09ID:1rzR9fkX
やっぱりこのコーヒーはうまいのぉ
0529マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:05:48.05ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの胸から耳を離し、もう一度ミサの胸に耳を当てる。
0530マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:02.38ID:1rzR9fkX
なぁんつうか
0531マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:06.88ID:D66ZJ8S3
 やっぱり、何も聞こえない。オレはミサの胸から耳を離し、絶望に駆られ俯く。
0532マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:20.21ID:1rzR9fkX
コーヒー、ブラックで!
0533マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:25.15ID:D66ZJ8S3
「おい、ミサ。嘘だろ……」
0534マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:30.45ID:1rzR9fkX
お姫様の飲む味っつうか
0535マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:44.28ID:D66ZJ8S3
 オレは顔を上げて、ミサの身体を必死に両手で揺らす。
0536マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:06:47.81ID:1rzR9fkX
カフェオレ、豆乳たっぷりで!
0537マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:07:00.64ID:1rzR9fkX
貴様っっ
0538マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:07:02.53ID:D66ZJ8S3
 ミサは人形の様にぐったりして横になったまま動かない。
0539マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:07:17.31ID:1rzR9fkX
「皇帝」ッ!
0540マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:07:21.92ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードからミサの腕が垂れて、ミサの手が川の水に落ちている。
0541マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:07:41.41ID:D66ZJ8S3
 涙が滲んで、オレは手の甲で涙を拭う。
0542マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:08:01.13ID:D66ZJ8S3
「くそっ! なんでこんなことになっちまったんだよ!」
0543マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:08:20.69ID:D66ZJ8S3
 オレはやるせなくなり俯く、ミサの足元のホバーボード上を拳で思いっきり叩く。
0544マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:08:39.18ID:D66ZJ8S3
 ミサを死なせねぇ。オレは諦めない。
0545マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:08:56.86ID:D66ZJ8S3
 そうだ。人工呼吸だ。総合学校の授業で習ったな。
0546マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:09:14.90ID:D66ZJ8S3
 オレは顔を上げ、うろ覚えでミサの身体を仰向けにし、ミサの唇に自分の唇を重ねようとする。
0547マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:09:19.60ID:1rzR9fkX
うわぁぁぁ
0548マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:09:32.06ID:1rzR9fkX
クスラヂオ、グロンベル一つずつ
0549マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:09:32.65ID:D66ZJ8S3
 ミサの白い顔を見て、オレは顔が火照る。なんでオレがミサとキスしなきゃならねぇんだ。
0550マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:09:50.63ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの紫色の唇を見て躊躇い、生唾を飲み込み喉を鳴らす。
0551マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:09:59.97ID:1rzR9fkX
そんなもの、うちにはないよ
0552マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:10:08.66ID:D66ZJ8S3
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。ミサ、目が覚めたらオレをぶん殴ってくれ。
0553マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:10:15.21ID:1rzR9fkX
んまぁぁい
0554マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:10:26.52ID:D66ZJ8S3
 オレは意を決し、瞼を閉じたまま、ミサとキスして人工呼吸する。
0555マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:10:45.06ID:D66ZJ8S3
 三秒くらいミサと濃厚なキスして、オレは恥ずかしくなり慌ててミサの唇から自分の唇を離して咳き込む。
0556マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:11:03.46ID:D66ZJ8S3
 これでいいのか? オレは口許を手の甲で拭う。次は心臓マッサージだな。
0557マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:11:21.58ID:D66ZJ8S3
 オレはミサを心臓マッサージしようとするが、ホバーボードが不安定で揺れる。
0558マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:11:39.42ID:D66ZJ8S3
 ミサを心臓マッサージしようとすると、今度はホバーボードが沈んでうまくいかない
0559マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:11:57.59ID:D66ZJ8S3
 ここじゃダメだ。早く陸に上がらないと。なんとかならねぇのか。
0560マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:12:15.62ID:D66ZJ8S3
 オレはミサから顔を上げて、川岸を睨む。
0561マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:12:33.70ID:D66ZJ8S3
 なんとなく、オレはミサの濡れた服に目がいってしまう。
0562マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:12:52.49ID:D66ZJ8S3
 ミサのフレアスカートから覗く生足を見て、オレは思わず生唾を飲み込み喉を鳴らす。
0563マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:13:10.51ID:D66ZJ8S3
 興奮して鼻血が出そうになり、慌てて鼻を押さえてミサから視線を逸らし、気まずくなって人差指で頬を掻く。
0564マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:13:29.16ID:D66ZJ8S3
 人差指で頬を掻きながら、横目で瞬きして、視線を戻しつつミサを見てしまう。
0565マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:13:47.38ID:D66ZJ8S3
 その時、ミサの腰のホルスターに銀色のリボルバー型フックショットが挿してあるのが目に止まった。
0566マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:14:05.83ID:D66ZJ8S3
 銃口の下に掌サイズの球形があり、球形の中にワイヤーが収まっている。
0567マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:14:23.71ID:D66ZJ8S3
 引き金を引くと、三角に尖ったワイヤーの先端が銃口から飛び出す仕組みだ。
0568マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:14:41.93ID:D66ZJ8S3
 フックショットか。こいつで川岸に生えてる樹に刺せば、なんとかなりそうだな。
0569マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:14:59.90ID:D66ZJ8S3
 オレは閃いたとばかりに、掌の上で拳を叩いた。
0570マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:15:19.13ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの変なところに目がいかないように瞼を閉じ、瞼を開けないように瞼に力を入れ、ミサの身体を手探りで触ってゆく。
0571マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:15:37.66ID:D66ZJ8S3
 その時、なにか柔らかい物に触れて、オレは思わず瞼を開けた。
0572マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:15:55.36ID:D66ZJ8S3
 なんだ? そう思いながら、オレの左手がミサの胸を掴んでいた。
0573マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:16:13.27ID:D66ZJ8S3
 や、やべ。ミサの胸を掴んじまった。しかも小さい。
0574マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:16:31.59ID:D66ZJ8S3
「ひっ」
オレは情けない悲鳴を上げて、ミサの胸から慌てて手を離す。
0575マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:16:49.94ID:D66ZJ8S3
 ばっちいとばかりに、オレは左手首を必死に振っている。
0576マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:17:08.05ID:D66ZJ8S3
 左手首を押さえて変に唸った。
0577マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:17:26.28ID:D66ZJ8S3
 よ、よし、気を取り直していくぞ。オレは胸を撫で下ろして深呼吸する。
0578マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:17:44.25ID:D66ZJ8S3
 今度は顔を片手で覆い、指の間から片目を開け、ミサの腰のホルスターに挿しているリボルバー型フックショットに手を伸ばす。
0579マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:18:02.29ID:D66ZJ8S3
 ミサが起きやしないかと変に気になりながらも、オレはなんとかリボルバー型フックショットを抜き取った。
0580マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:18:21.83ID:D66ZJ8S3
 調子に乗ったオレはリボルバー型フックショットの引き金に人差指を通してリボルバー型フックショットを回し、鼻頭を人差指で得意げに擦る。
0581マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:18:39.89ID:D66ZJ8S3
 なにやってんだろ、オレは。こうしている間にも、ミサがあぶねぇってのに。
0582マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:18:58.06ID:D66ZJ8S3
 急に虚しくなってどっと疲れが出て、オレはがっくりと肩を落とす。
0583マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:19:16.27ID:D66ZJ8S3
 オレは顔を上げて額を手の甲で拭い、深く息を吐いて落ち着かせた。こりゃ寿命が縮んだな。
0584マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:19:35.60ID:D66ZJ8S3
 何故か嫌な汗を掻いているような気がしたが、川の水と変な汗が混じっているのかわからなかった。
0585マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:19:53.96ID:D66ZJ8S3
 オレは腰に手を当てて、銀色のフックショットをまじまじと見つめた。
0586マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:20:12.01ID:D66ZJ8S3
 頼むぜ。オレは片目を瞑り、銀色のフックショットを片手で構え、川岸に生えている樹の太い幹に狙いを定める。
0587マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:20:29.70ID:D66ZJ8S3
 引き金を引くと、勢いよく銃口からワイヤーが飛び出し、狙い通り樹の太い幹に刺さった。
0588マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:20:47.60ID:D66ZJ8S3
 ワイヤーを思いっきり引っ張ってみる。大丈夫そうだ。一発でうまく幹に刺さってくれた。
0589マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:21:05.46ID:D66ZJ8S3
 オレはミサの脇腹に腕を通して、ホバーボードを掴む。
0590マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:21:24.24ID:D66ZJ8S3
 幹を睨んで、またフックショットの引き金を引き、ワイヤーをゆっくりと巻き取ってゆく。
0591マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:21:42.68ID:D66ZJ8S3
 ゆっくりとワイヤーが銃身に巻き取られてゆく中、川の流れが早くなり、オレは川に流されてゆく。
0592マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:22:00.49ID:D66ZJ8S3
 ワイヤーが伸びきってぎりぎりと嫌な音がする。不味いぞ、上手くワイヤーが刺さってなかったのか?
0593マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:22:18.64ID:D66ZJ8S3
 その時、ワイヤーは川の流れに耐えられなくなり、呆気なくワイヤーの先端が幹から抜ける。
0594マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:22:36.61ID:D66ZJ8S3
 引っ張られるようにオレは川に流される。
0595マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:22:54.64ID:D66ZJ8S3
「うわっ!」
0596マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:23:12.66ID:D66ZJ8S3
 オレの叫びも虚しく、オレは川の流れに身を任せるしかなかった。
0597マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:23:31.05ID:D66ZJ8S3
 くそっ。フックショットはダメだったか。オレは引き金を引いて、ワイヤーを巻き取る。
0598マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:23:49.67ID:D66ZJ8S3
 ぜってぇ、お前を助けるからな。オレはミサに振り向いて、ミサの脇腹を通してホバーボードを掴む手に力を入れる。
0599マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:24:08.13ID:D66ZJ8S3
オレは川の流れに揺られて酔って吐きそうになる。
0600マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:24:26.69ID:D66ZJ8S3
 川の水がつめてえ。傷が沁みやがる。
0601マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:24:44.60ID:D66ZJ8S3
 今日は災難だぜ。まさか、この先は滝じゃねえだろうな。
0602マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:25:02.90ID:D66ZJ8S3
 オレは嫌な予感がして、川の先を見つめる。
0603マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:25:20.69ID:D66ZJ8S3
 川の先は深い森が広がっている。
0604マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:25:38.79ID:D66ZJ8S3
 その時、両川岸にさっきの狼の様な魔物がオレを追いかけてくる。魔物は二匹。
0605マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:25:56.83ID:D66ZJ8S3
 メタリックの骨格の身体で眼が紅く、背中に装備した大きなマシンガン。
0606マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:26:14.62ID:D66ZJ8S3
 もう一匹の背中には大きなキャノン砲を装備している。
0607マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:26:32.63ID:D66ZJ8S3
 オレの傍でマシンガンの弾丸が川に落ち、すぐ傍でキャノン砲が川に落ちて爆発で川に穴が開く。
0608マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:26:50.36ID:D66ZJ8S3
 くそっ。諦めの悪い奴らだ。
0609マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:27:09.15ID:D66ZJ8S3
 オレは息を吸って、ミサを押さえたまま川に潜って顔を隠す。
0610マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:27:27.55ID:D66ZJ8S3
 水中でマシンガンの弾丸がオレの頬を掠めたのか、類に痛みが走りオレは顔をしかめる。
0611マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:27:46.30ID:D66ZJ8S3
 川の流れが速くて息が続かず、オレは川から顔を出して大きく口を開ける。
0612マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:28:04.46ID:D66ZJ8S3
 キャノン砲がホバーボードのすぐ上を掠める。
0613マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:28:22.54ID:D66ZJ8S3
 ホバーボードにマシンガンの弾丸が命中したのか火花が散っている。
0614マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:28:40.44ID:D66ZJ8S3
 気のせいか少しずつ川の流れが早くなっている。
0615マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:28:58.60ID:D66ZJ8S3
 オレの流される速さに追いつけなくなった魔物は諦めて立ち止って首を振っているのが見えた。
0616マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:29:16.90ID:D66ZJ8S3
 魔物は踵を返して、樹の影に消える魔物の後ろ姿が小さくなる。
0617マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:29:34.67ID:D66ZJ8S3
 どんどん川に流され、川が曲がったりで気分が優れなくなる。やっぱり、滝があるのか?
0618マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:29:52.54ID:D66ZJ8S3
 オレは吐きそうになり、口許を手で押さえる。
0619マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:30:10.73ID:D66ZJ8S3
 オレの嫌な予感が当たり、辺りに轟音が響く。目の前に大きな滝が口を開けて迫っていた。
0620マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:30:29.91ID:D66ZJ8S3
 おいおい、あんな滝に落ちたら、今度こそ助からないぞ。
0621マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:30:48.20ID:D66ZJ8S3
 成す術もなく、オレとミサは滝に吸い込まれて滝に落ちた。
0622マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:31:06.00ID:D66ZJ8S3
 宙に放り投げ出されたオレは逆さまになってミサに手を伸ばす。
0623マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:31:24.37ID:D66ZJ8S3
「ミサあああああ!」
0624マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:31:42.25ID:D66ZJ8S3
 くそっ! ミサが死んじまう。どうにかなんねえのかよ! オレは悔しくて歯を食いしばる。
0625マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:32:00.60ID:D66ZJ8S3
 そうだ。さっきみたいに助けてくれよ! オレは小さくなってゆくミサに手を伸ばしたまま、胸のクリスタルを握り締める。
0626マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:32:19.54ID:D66ZJ8S3
 オレは、ミサを助けたいんだ! なんとかしやがれ!
0627マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:32:37.42ID:D66ZJ8S3
 その時、胸のクリスタルが眩く青白く光る。オレは青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。
0628マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:32:55.58ID:D66ZJ8S3
 顔の前を手で遮る指の間からホバーボードが縦になってマフラーから火を噴き、真っ直ぐにミサ の元に飛んでゆくのが見える。さっきの魔物の攻撃でホバーボードが損傷して火花を散らしながら。
0629マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:33:14.09ID:D66ZJ8S3
 ミサに追いついたホバーボードはミサの身体の下に潜り込み、ホバーボードの上にミサの身体がうつ伏せに乗っかり、ゆっくりとホバーボードは下がってゆく。
0630マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:33:32.58ID:D66ZJ8S3
 オレはミサに親指を突き出す。頼むぜ、ネロ。 ミサを守ってくれ。
0631マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:33:50.87ID:D66ZJ8S3
 なんとかなるだろ。オレは安心してため息を零し、水飛沫を手で遮りながら辺りを見回す。
0632マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:34:09.42ID:D66ZJ8S3
 どっかにフックショットを引っかけられれば助かるかもしれねえ。
0633マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:34:27.19ID:D66ZJ8S3
 オレはフックショットを握り締める。
0634マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:34:44.90ID:D66ZJ8S3
 滝の裏の岩壁にフックショットを引っかけるのもいいが、滝の流れが早い。
0635マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:35:02.69ID:D66ZJ8S3
 他にフックショットを引っかけられるような岩や木がない。
0636マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:35:20.51ID:D66ZJ8S3
 やっぱ、近くに引っかけられるようなもんはねえか。そんな甘くねえよな。
0637マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:35:38.24ID:D66ZJ8S3
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。
0638マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:35:56.47ID:D66ZJ8S3
 オレは緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、滝の端の突き出た岩壁に向かってフックショットを構えて、フックショットの引き金を引く。
0639マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:36:14.31ID:D66ZJ8S3
 ワイヤー足りるか? けっこう岩壁まで距離あるな。オレは額に手を当てて、岩壁までの距離を確かめる。
0640マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:36:32.79ID:D66ZJ8S3
 銃口から勢いよくワイヤーが飛び出し、岩壁に突き刺さったフックショットにオレは引っ張られる。
0641マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:36:50.68ID:D66ZJ8S3
「岩壁に叩きつけられる! そこまで考えてなかったあああああ!」
0642マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:37:09.96ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちして、フックショットを両手で構えて引き金を引く。
0643マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:37:27.98ID:D66ZJ8S3
 岩壁に突き刺さったワイヤーが抜けてワイヤーが巻き取られ、オレの身体が逆さまに滝壺に吸い寄せられてゆく。
0645マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:37:45.96ID:D66ZJ8S3
 オレは大きく息を吸って吐いた。
0646マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:38:04.01ID:D66ZJ8S3
 最後にこいつを頼ることになりそうだ。不思議と死ぬ気がしねえ。
0647マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:38:21.94ID:D66ZJ8S3
「なんとかしやがれ! ただの飾りじゃねえだろうが!」
0648マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:38:40.14ID:D66ZJ8S3
 オレは瞼を閉じ、胸のクリスタルを片手で握り締めた。
0649マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:38:58.41ID:D66ZJ8S3
 その時、滝の向こうから大きな翼が羽ばたく音が聞こえる。
0650マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:39:16.39ID:D66ZJ8S3
 なんだ? オレは思わず験を開けて、音の方を見た。
0651マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:39:34.38ID:D66ZJ8S3
 クリスタルの青白い光がオレを包み込む。
0652マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:39:52.81ID:D66ZJ8S3
 オレの視界に白色の大きなドラゴンが羽ばたきながら、口から炎を吐き、物凄い速さでオレに近づいてくるのが映る。
0653マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:40:09.62ID:D66ZJ8S3
 白色ドラゴンの瞳は吸いこまれそうな透き通る 大きなサファイアブルーだった。まるで大きなサファイアブルーの宝石の様な瞳だ。
0654マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:40:28.36ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンが火を噴いた熱気がオレを襲い 、オレは顔の前を手で遮る。
0655マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:40:46.33ID:D66ZJ8S3
 物凄い熱気でむわっとする。冷たかったオレの身体が温められる。
0656マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:41:04.36ID:D66ZJ8S3
 な、なんだよ、あいつ。魔物か? オレを捕まえる気なのか? それとも腹が減ってオレを食う気か?
0657マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:41:22.49ID:D66ZJ8S3
「ワハハハハッ! 感じる、感じるぞ! 久しいオーヴの力だ! ワタシは長い眠りから覚めたぞ!」
0658マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:41:40.57ID:D66ZJ8S3
 人語を操るよく通る声が近づいてきたと思ったら、白色ドラゴンがオレを一瞥して、白色ドラゴンの大きな影がオレの下を通り過ぎる。
0659マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:41:58.65ID:D66ZJ8S3
 次の瞬間、ばさっと翼を広げるような大きな音がして、オレの背中がごつごつと硬い物に触れた
0660マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:42:16.62ID:D66ZJ8S3
 見上げると、白色の大きなドラゴンが仰向けになって両手でオレを抱いていた。
0661マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:42:34.84ID:D66ZJ8S3
 白色ドラゴンの指の鋭い爪が視界に入り、オレはぞくりと寒気がしてぷるっと震える。
0662マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:42:52.88ID:D66ZJ8S3
「うわっ! お、下ろせ! 魔物が!」
0663マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:43:10.85ID:D66ZJ8S3
 オレは白色ドラゴンの腕の中で手足をバタバタさせて暴れた。
0664マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:43:28.96ID:D66ZJ8S3
 まだクリスタルが青白く輝いているので、オレはクリスタルをそっと握り締めた。
0665マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:43:46.71ID:D66ZJ8S3
 不思議と安心して落ち着き、大丈夫だと教えてくれている様な気がした。
0666マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:44:04.64ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンが身体をよじって、呆れたように大きな首を横に振る。
0667マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:44:22.63ID:D66ZJ8S3
「やれやれ。無暗にオーヴを使い過ぎだ、マスターよ。お前は疲労の限界がきているはずだ、少し
0668マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:44:40.91ID:D66ZJ8S3
眠るがいい」
0669マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:44:59.00ID:D66ZJ8S3
 気持ち良さそうに両翼を羽ばたかせて、大きな滝から離れ、白色ドラゴンは川沿いをゆっくりと 飛んでゆく。
0670マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:45:18.52ID:D66ZJ8S3
 その時、オレの眼下に川岸に寄せられてうつ伏せに倒れているミサが目に入る。
0671マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:45:36.55ID:D66ZJ8S3
 ミサの傍にはホバーボードが裏返って火花が散っている。
0672マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:45:54.49ID:D66ZJ8S3
 川岸の樹の影から現れた一人の黒装束が肩に掛けたマシンガンを構えてミサにゆっくりと近づいてゆく。
0673マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:46:12.37ID:D66ZJ8S3
 オレの鼓動が高まり、急な眠気から一気に覚める。
0674マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:46:30.20ID:D66ZJ8S3
「お、おい! 下ろしてくれ! ミサを助けないと!」
0675マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:46:48.00ID:D66ZJ8S3
 オレは白色のドラゴンの硬い皮膚を肘で小突いた。
0676マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:47:04.93ID:D66ZJ8S3
 肘が痺れてびりびりして、オレは痛みで肘を押さえて呻いた。
0677マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:47:22.91ID:D66ZJ8S3
「倒れているあの子かい? ちょっと様子を見ようじゃないか」
0678マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:47:40.60ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンがミサの上空を旋回し始めた。
0679マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:47:58.65ID:D66ZJ8S3
 黒装束の男がミサを肩に担ぎ、ホバーボードを脇に挟んで、黒装束は旋回している白色のドラゴンを仰ぐ。 黒装束は顔が黒いフードで覆われ、口許も黒い布で覆っているため、性別がわからず、表情も見えない。
0680マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:48:16.77ID:D66ZJ8S3
 やがて黒装束はミサを肩に担ぎ直して歩き出し 、奥の樹の影に消えた。
0681マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:48:34.99ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンが旋回をやめて羽ばたき、森の奥を見つめている。
0682マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:48:53.22ID:D66ZJ8S3
「ふむ。近くに野営地があるみたいだね、テントが幾つか張ってある。そこの連中みたいだ、あの子を攫った奴は。どうするんだい?」
0683マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:49:11.94ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンが欠伸をして火を噴いた後、オレに訊いてきた。
0684マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:49:30.24ID:D66ZJ8S3
 オレは白色のドラゴンの視線を眼で追った。
0685マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:49:48.28ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンの視線の先に野営地があり、テントが幾つか張ってあった。
0686マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:50:08.66ID:D66ZJ8S3
 野営地から白煙が昇って、風に乗っていい匂いがオレの鼻腔をくすぐる。
0687マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:50:27.12ID:D66ZJ8S3
 匂いに反応するように、オレの腹の虫が鳴った
0688マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:50:47.10ID:D66ZJ8S3
 そういえば、腹が減ったな。ミサが持ってきた菓子、全部食ったしな。
0689マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:51:05.31ID:D66ZJ8S3
 ミサの奴、本当はネロとのデートで食うつもりだったんだろうけど。
0690マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:51:23.34ID:D66ZJ8S3
 オレはお腹を擦るが、腹の虫は食いものをよこせと鳴き続ける。
0691マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:51:41.21ID:D66ZJ8S3
 オレは額に手を当てて、よく野営地を見ようとする。
0692マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:52:00.26ID:D66ZJ8S3
 あいつら、ラウル古代遺跡を調査しにきた探検隊か?
0693マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:52:18.34ID:D66ZJ8S3
 それにしても、こんなところに開けた場所があるなんて。
0694マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:52:36.42ID:D66ZJ8S3
 そうだ。あいつらに訊いてみよう、ラウル古代遺跡のこと。何か知ってるはずだ。
0695マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:52:54.58ID:D66ZJ8S3
 その前に、オレはミサを助ける。
0696マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:53:12.73ID:D66ZJ8S3
 オレは野営地を睨み据え、拳を握り締めた。
0697マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:53:22.36ID:1rzR9fkX
足元に気をつけて
0698マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 10:53:30.70ID:D66ZJ8S3
「ミサを助けに行く! 野営地に行ってくれ!」
0699マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:53:38.90ID:1rzR9fkX
いえ、一人で大丈夫です
0700マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:53:48.69ID:D66ZJ8S3
 オレは白色のドラゴンの腕の中でじたばたと暴れた。
0701マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:53:49.94ID:1rzR9fkX
んぉん
0702マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:00.62ID:1rzR9fkX
だ↑れ↓
0703マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:06.65ID:D66ZJ8S3
 白色のドラゴンはオレを摘まんで、顔の前までオレを持ってくる。
0704マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:20.31ID:1rzR9fkX
こちら父です
0705マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:24.53ID:D66ZJ8S3
「ワタシは反対だね。マスターの疲労が酷い。今野営地に行ったって死ぬだけさ。ワタシとお前で攻めるつもりかい? 冗談じゃないよ。敵の数が多い。よく考えな」
0706マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:33.58ID:1rzR9fkX
君が心愛くん(吉良吉影)だね
0707マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:42.68ID:D66ZJ8S3
 白色ドラゴンは眉根を寄せて口を結び、白色ドラゴンの鼻息がオレに飛んでくる。
0708マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:46.51ID:1rzR9fkX
ラビットハウスは、
0709マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:54:59.94ID:D66ZJ8S3
 白色ドラゴンの声が子守唄の様に、波の様に揺らいで聞こえる。
0710マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:55:17.92ID:D66ZJ8S3
 な、なんだ。急に眠気が襲ってきやがった。
0711マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:55:35.69ID:D66ZJ8S3
「ミサがミサを助けなくちゃ....」
0712マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:55:53.69ID:D66ZJ8S3
 オレは目がうとうとして船を漕ぎ始める。
0713マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:56:11.63ID:D66ZJ8S3
 白色ドラゴンは馬鹿にするように鼻で笑う。
0714マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:56:29.66ID:D66ZJ8S3
「オーヴを使ったにしちゃ、よく身体が持ったほうだ。大したもんだよ」
0715マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:56:47.28ID:D66ZJ8S3
 オレはそこで気絶した。
0716マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:57:05.07ID:D66ZJ8S3
 目の前が真っ暗になる。
0717マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:57:22.95ID:D66ZJ8S3
突然、オレの頭に映像が流れる。
0718マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:57:41.18ID:D66ZJ8S3
 どこか大きなテントの中で、頑丈な檻の中に閉じ込められているのか画面が左右に揺れる。
0719マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:57:59.00ID:D66ZJ8S3
 テントの入り口からちらっと外が見えて、黒装束がライフルを肩に担いで通り過ぎる。
0720マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:58:17.16ID:D66ZJ8S3
『ねぇ、ネロ。カイトが助けに来てくれるよね?』
0721マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:58:34.95ID:D66ZJ8S3
 ミ、ミサか? なにやってんだよ?
0722マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:58:52.96ID:D66ZJ8S3
 これはミサが見ている映像か? わけわかんねぇ。
0723マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:59:10.95ID:D66ZJ8S3
 なんでオレが夢見ているんだよ。
0724マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:59:28.83ID:D66ZJ8S3
 映像がネロに固定される。
0725マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 10:59:47.53ID:D66ZJ8S3
 ネロは檻を背に片足の膝を曲げて檻に凭れて座り込み、片足の膝を曲げた膝の上に腕を載せている。
0726マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:00:05.47ID:D66ZJ8S3
 ネロは黒縁メガネの奥で遠くを見つめている。
0727マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:00:23.72ID:D66ZJ8S3
 やがて黒縁メガネをゆっくり外して、ジャケットの内ポケットから取り出した布でメガネのレンズを拭いている。
0728マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:00:41.59ID:D66ZJ8S3
 ネロはジャケットの内ポケットに布を突っ込み、黒縁メガネを片手で掛ける。
0729マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:01:00.45ID:D66ZJ8S3
『ボクとしたことが油断した。ミサの魔法が消えて、敵の野営地に落ちるとは。カイト、お前が頼りだ』
0730マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:01:18.87ID:D66ZJ8S3
 ネロは顔を上げて後ろ頭を檻に凭れ、物思いに耽って何故か鼻で笑った。
0731マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:01:36.67ID:D66ZJ8S3
 映像は雑音とともにそこで途切れた。
0732マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:01:54.40ID:D66ZJ8S3
 どれくらい時間が経っただろう。
0733マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:02:12.18ID:D66ZJ8S3
 ふとオレの鼻腔をいい匂いがくすぐる。
0734マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:02:29.92ID:D66ZJ8S3
 なんだ? いい匂いがする。オレは匂いを嗅ぐ。
0735マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:02:48.50ID:D66ZJ8S3
 匂いに釣られて、オレは瞼をゆっくりと開ける。
0736マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:03:05.31ID:D66ZJ8S3
 オレの視界に女の顔が揺らいで映る。
0737マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:03:23.36ID:D66ZJ8S3
 辺りを見回すと森の開けた場所だった。
0738マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:03:40.35ID:D66ZJ8S3
 視界が揺らいで気持ち悪い。
0739マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:03:58.45ID:D66ZJ8S3
 オレは女に視線を戻す。
0740マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:04:16.47ID:D66ZJ8S3
 女は髪が雪の様に白いミディアムヘアで肩に髪がかかるくらい。
0741マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:04:27.11ID:1rzR9fkX
夜になると
0742マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:04:34.40ID:D66ZJ8S3
 整った目鼻立ちで、瞳は吸い込まれそうなサファイアブルー。
0743マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:04:39.83ID:1rzR9fkX
バーになるんです
0744マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:04:51.60ID:D66ZJ8S3
 耳に蒼い滴の形をした透明なクリスタルのピアスを付けて、風でピアスが小さく揺れている。
0745マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:04:55.85ID:1rzR9fkX
父はそのマスターです
0746マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:05:09.70ID:D66ZJ8S3
 服は長袖の青コットンのロリータクラシックドレスで黒いショートブーツを履いている。
0747マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:05:27.94ID:D66ZJ8S3
 女の髪が風で優しく靡く。
0748マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:05:45.97ID:D66ZJ8S3
 女はオレの顔を不思議そうに覗き込み、両手を腰に当てて不気味に歯を見せて笑った。
0749マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:06:04.83ID:D66ZJ8S3
「うわっ!」
オレは驚いて慌てて上半身を起こす。葉っぱデザインの薄い毛布がオレの上半身からずり落ちる。
0750マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:06:23.19ID:D66ZJ8S3
 どうやら、オレは大きな切り株の上で寝ていたらしい。木の香りがする。振り向くと木の枕がある。
0751マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:06:41.28ID:D66ZJ8S3
 なんだ、この枕。不思議に思い木の枕を人差指で触ってみると、意外にふわふわで柔らかい。
0752マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:06:59.32ID:D66ZJ8S3
 人差指を離すと風船の様にゆっくりと膨らんで面白い。
0753マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:07:17.24ID:D66ZJ8S3
 その時、頭痛がしてオレは顔をしかめて額を手で押さえる。
0754マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:07:32.21ID:1rzR9fkX
DIO様!?
0755マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:07:35.02ID:D66ZJ8S3
「うっ」
気分が悪くて吐きそうだ。
0756マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:07:53.13ID:D66ZJ8S3
 頭痛を訴えるようにオレは女を見上げて睨み据える。
0757マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:08:11.10ID:D66ZJ8S3
 女は腕の前で両手を組み、勝ち誇ったように仁王立ちして喉の奥で笑っている。
0758マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:08:29.94ID:D66ZJ8S3
「オーヴに選ばれし者にしては、まだまだ力の使い方がなっておらんの。お前はあれから二時間も気を失っておったんじゃ。無理もないわい」
0759マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:08:47.47ID:D66ZJ8S3
 女はやれやれと肩を竦める。
0760マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:09:05.35ID:D66ZJ8S3
 オレ額を手で押さえて顔をしかめながら女を睨み据える。
0761マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:09:23.27ID:D66ZJ8S3
「あんた誰だよ?」
0762マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:09:41.28ID:D66ZJ8S3
 オレは頭痛で額に変な汗が滲む。
0763マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:09:59.13ID:D66ZJ8S3
 女は馬鹿にしたように胸の前で両手を組んだまま、鼻と喉を鳴らして笑う。
0764マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:10:17.35ID:D66ZJ8S3
「お前を助けたじゃろ? 忘れたか? フフフフッ」
0765マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:10:35.13ID:D66ZJ8S3
 女は不気味に喉の奥で笑う。
0766マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:10:52.99ID:D66ZJ8S3
 オレは頭痛の痛みを紛らわすために額を掌で叩く。
0767マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:11:11.41ID:D66ZJ8S3
「……白いドラゴンか? お前、人間に姿を変えたのか? 冗談だろ」
0768マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:11:29.61ID:D66ZJ8S3
 頭痛が治まり、オレは切り株の上に胡坐をかいて、太ももの上に肘を突いて頬杖を突き鼻で笑う。
0769マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:11:47.59ID:D66ZJ8S3
 額を掌で叩きながら。
0770マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:12:05.58ID:D66ZJ8S3
 女は両手を腰に当てて得意げに頷く。
0771マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:12:23.90ID:D66ZJ8S3
「そうじゃ。それより、切り株ベッドの寝心地はどうじゃ? 木の枕も最高じゃろ?」
0772マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:12:41.88ID:D66ZJ8S3
 女は頭の後ろで手を組んで、木の枕に顎をしゃくる。
0773マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:13:00.50ID:D66ZJ8S3
 オレは腕が痒くなり、腕をぽりぽりと掻く。
0774マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:13:18.31ID:D66ZJ8S3
 ふと腕の掠り傷が治っていることに気付き、腕の掠り傷があったところをまじまじと見つめる。
0775マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:13:36.37ID:D66ZJ8S3
 傷が嘘の様にまるでない。
0776マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:13:54.21ID:D66ZJ8S3
「あれ、傷が治ってる。どうなってんだ?」
0777マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:14:12.36ID:D66ZJ8S3
 首を傾げて毛布を捲ると、太ももの掠り傷も治っている。
0778マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:14:30.34ID:D66ZJ8S3
 唸りながらシャツを捲って脇腹を見ると、脇腹の傷も治っている。
0779マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:14:48.36ID:D66ZJ8S3
 これも、こいつの力なのか? オレは胸のクリスタルを掌に乗せて、そのままクリスタルを握り締める。
0780マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:15:06.53ID:D66ZJ8S3
 女が俯いて顎に手を当てて顎を擦っている。
0781マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:15:24.38ID:D66ZJ8S3
「あの子たちのことじゃが……野営地で頑丈な檻に監禁されておる。警備も厳しい。迂闊には手を出せん」
0782マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:15:42.52ID:D66ZJ8S3
 気まずそうに女はオレから顔を背け、オレに横目で瞬きしながら人差指で頬を掻いている。
0783マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:16:00.45ID:D66ZJ8S3
 ま、まさか、ミサとネロのことか? さっき夢で見た。
0784マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:16:18.37ID:D66ZJ8S3
「な、なんだって!? どういうことだよ!?」
0785マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:16:36.33ID:D66ZJ8S3
 あんたは何もしないで戻って来たのかよ。
0786マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:16:54.29ID:D66ZJ8S3
 こうしている間にもミサとネロはなぁ!
0787マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:17:12.73ID:D66ZJ8S3
 オレは怒りが込み上げ、拳を握り締める。
0788マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:17:30.98ID:D66ZJ8S3
 拳で切り株ベッドを叩き、オレは歯を食いしばって女を睨み据える。
0789マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:17:49.33ID:D66ZJ8S3
 女は頭の後ろで手を組み、木のテーブルの上に乗っている土鍋に顎をしゃくる。
0790マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:18:07.60ID:D66ZJ8S3
「それより、腹が減っておるじゃろ? キノコカレー食うか? 美味いぞ?」
0791マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:18:25.62ID:D66ZJ8S3
 女は鼻歌を歌いながらオレの傍までやってきて、オレに微笑んで手を差し伸べる。
0792マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:18:43.43ID:D66ZJ8S3
 オレは女の手を払いのけて女の襟首を掴み、女に顔を近づけて女を睨み据える。
0793マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:19:01.37ID:D66ZJ8S3
「なんでミサとネロを助けなかった!? お前なら助けられただろ!? ミサとネロはな、オレの大事な幼馴染なんだよ!」
0794マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:19:19.29ID:D66ZJ8S3
 その時、オレのお腹の虫が盛大に鳴り、オレは参ったとばかりに腹を手で押さえる。
0795マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:19:37.25ID:D66ZJ8S3
 女も負けじと胸の前で両手を組んでオレを睨み据え、馬鹿にしたように鼻と喉を鳴らして笑う。
0796マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:19:56.00ID:D66ZJ8S3
「助けてやったのに、その態度はなかろう? それとも、あのままお前は滝に落ちていたらどうなっていた? 言っておくが、わらわはお前をオーヴの主に認めたわけではない。わらわは、お前がオーヴの持ち主に相応しいか試しておるんじゃ。わかるか? そのオーブは使い方を間違えれば世界が滅ぶ品じゃ」
0797マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:20:13.87ID:D66ZJ8S3
 女は挑発するように腕を組んだまま胸のクリスタルを指さす。
0798マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:20:31.96ID:D66ZJ8S3
 オレは乱暴に女の襟首を掴んだ手を離して、女から顔を背けて舌打ちする。
0799マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:20:50.00ID:D66ZJ8S3
「腹が減った。キノコカレー食わせろ、美味いんだろ? 聞きたいことが山ほどあるんだ。食ったら聞かせてもらうぞ」
0800マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:21:08.40ID:D66ZJ8S3
 オレは切り株ベッドから立ち上がると、両手をポケットに突っこんで大股で木のテーブルに向かう。
0801マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:21:26.43ID:D66ZJ8S3
 女はオレの背後で嬉しそうに咳払いをする。
0802マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:21:44.47ID:D66ZJ8S3
「わかればよろしい。答えられる範囲で答えようぞ。ではでは、キノコカレー召し上がるとよい」
0803マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:22:02.39ID:D66ZJ8S3
 女は小走りでオレを追い越し、木のテーブルに置いてある土鍋の蓋を両手で取り、蓋を引っくり返して木のテーブルの上に置く。
0804マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:22:20.74ID:D66ZJ8S3
 土鍋の蓋が暑かったのか、「あちぃ!」と叫んで、手首を押さえて掌に息を何度も吹き、手首を振ったり手を必死に冷ましている。
0805マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:22:38.72ID:D66ZJ8S3
 土鍋の傍には木のコップと魔法瓶が置いてる。
0806マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:22:56.55ID:D66ZJ8S3
 土鍋のキノコカレーから湯気が盛大に上がって、美味しそうなキノコカレーの匂いが漂う。
0807マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:23:14.56ID:D66ZJ8S3
 オレは片手の掌を木のテーブルに突いて、キノコカレーの匂いを嗅ぐ。
0808マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:23:32.77ID:D66ZJ8S3
「おっ、美味そうじゃん」
0809マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:23:50.67ID:D66ZJ8S3
 オレは股を広げて木の丸椅子にどかっと座る。
0810マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:24:09.00ID:D66ZJ8S3
 キノコカレーを見て生唾を飲み込んで喉を鳴らし、口許に垂れた涎を手で拭う。
0811マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:24:27.11ID:D66ZJ8S3
 キノコカレーはジャガイモ、ニンジン、タマネギ、一口サイズの肉? たぶん、これがキノコなんだろ。
0812マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:24:45.03ID:D66ZJ8S3
 さらに挽肉、ナス、トウモロコシ、ルーの上にちょこんと四角いバターが添えられている。
0813マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:25:02.76ID:D66ZJ8S3
 食欲をそそる野菜たっぷりのカレーだ。
0814マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:25:20.90ID:D66ZJ8S3
「いただきます!」と、オレは手を合わせて、スプーン置きに置かれた木のスプーンを左手で握る。
0815マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:25:38.96ID:D66ZJ8S3
 まずは気になった一口サイズのキノコを木のスプーンに乗せて食べてみる。
0816マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:25:56.99ID:D66ZJ8S3
 キノコは肉厚で弾力があり、少し甘味がある不思議な味だった。肉の食感に似ている。
0817マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:26:14.70ID:D66ZJ8S3
 オレはキノコを飲み込んだ後、あまりの美味さに呻った。
0818マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:26:33.23ID:D66ZJ8S3
「このキノコうめぇ!」
0819マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:26:49.44ID:D66ZJ8S3
 オレは木のスプーンを忙しなく動かして、キノコカレーを口に運ぶ。
0820マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:27:07.95ID:D66ZJ8S3
 勢いよくキノコカレーを食ったため、ルーを飲み込んだ後に喉を詰まらせ咽る。
0821マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:27:26.44ID:D66ZJ8S3
 女がオレの背中を優しく擦る。
0822マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:27:44.57ID:D66ZJ8S3
「なんじゃ。もっとゆっくり食べんか。ほれ、これを飲め」
0823マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:28:02.67ID:D66ZJ8S3
 女が魔法瓶を取って木のコップにオレンジ色の液体を注いで、オレにオレンジ色の液体が注がれた木のコップを差し出す。
0824マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:28:20.38ID:D66ZJ8S3
 オレは思わず木のコップの中身を見る。
0825マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:28:38.54ID:D66ZJ8S3
 オレンジ色の液体で、明らかに水じゃなかった。
0826マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:28:56.76ID:D66ZJ8S3
 訝しげに首を傾げるも、オレは眉根を寄せて匂いを嗅いでオレンジ色の液体を恐る恐る口に運ぶ。
0827マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:29:14.64ID:D66ZJ8S3
 喉を鳴らして一口飲む。ん? オレは首を傾げる。
0828マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:29:32.65ID:D66ZJ8S3
 あまりにも冷たくて美味くて、ごくごくと喉を鳴らして飲み干す。
0829マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:29:50.74ID:D66ZJ8S3
 オレは木のコップを勢いよく置く。
0830マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:30:08.74ID:D66ZJ8S3
「ぷは〜! なんだこれ、美味いじゃねぇか! ジュースか?」
0831マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:30:26.68ID:D66ZJ8S3
 オレは口許を手で拭いながら顔を上げて、隣で腰に手を当てて立つ女に訊く。
0832マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:30:44.78ID:D66ZJ8S3
 女が勝ち誇ったように、オレの肩に手を載せる。
0833マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:31:02.91ID:D66ZJ8S3
「リップルの実の果汁ジュースじゃ。フルーティで甘味と少し酸味があって美味いじゃろ?」
0834マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:31:21.18ID:D66ZJ8S3
 女がポケットからなにやら取り出し、掌に乗った小さなみずみずしい桃色の実を自慢げにオレに見せる。
0835マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:31:39.29ID:D66ZJ8S3
「これがリップルの実じゃ」と言って、小さな桃色の実をオレに突きつける。
0836マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:31:57.32ID:D66ZJ8S3
 オレは女の掌から乱暴に桃色の実を取って、茎を摘まんでまじまじと見つめる。
0837マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:32:15.18ID:D66ZJ8S3
「こんなに小さいのか!? リップルの実ってのは」
0838マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:32:33.33ID:D66ZJ8S3
 オレはリップルの実を見ながら感心して頷き、顎に手を当てて擦りながら「なるほど」と呻る。
0839マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:32:51.48ID:D66ZJ8S3
 オレは横目で女を見る。
0840マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:33:09.62ID:D66ZJ8S3
 女は瞼を閉じて人差指を突き出し、人差指を小さく左右に振っている。
0841マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:33:27.67ID:D66ZJ8S3
「この森は食材が豊富じゃからの。リップルの実は高い樹に実のるんじゃ。栄養もあるから、森の動物たちの好物になっておる」
0842マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:33:45.94ID:D66ZJ8S3
 瞼を開けて、両手を腰に当ててオレに歯を見せて笑う。
0843マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:34:05.38ID:D66ZJ8S3
 オレはリップルの実を木のテーブルの上にそっと置いた。
0844マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:34:23.58ID:D66ZJ8S3
「なるほどな。それより、お前誰なんだよ? すげぇ今更だけど」
0845マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:34:41.35ID:D66ZJ8S3
 オレは片手で肩を竦めて頬杖を突き、隣の女を見上げながらキノコカレーを口に運ぶ。 
0846マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:34:59.06ID:D66ZJ8S3
 咽ないようにゆっくり噛む。
0847マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:35:17.22ID:D66ZJ8S3
 喉が渇いて魔法瓶を取り、木のコップにリップルジュースを注ぎ、ごくごくとリップルジュース飲む。
0848マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:35:35.47ID:D66ZJ8S3
 女はオレを見下ろして胸を張り、片手を腰に当てて拳で胸を叩く。
0849マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:35:53.82ID:D66ZJ8S3
「わらわはラウル古代遺跡の番人ディーネじゃ。魔力でドラゴンと人の姿に変えることができる。そのオーヴはかつてラウル帝国の古代王が身に着けていた物じゃ。わらわは古代王に仕えておった。この森は遥か昔、ラウル帝国じゃったんじゃ。今となっては呪いですっかり深い森になってしもうたのう」
0850マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:36:11.80ID:D66ZJ8S3
 オレはキノコカレーを食べる手を休めて、木のテーブルに両肘を突いて胸のクリスタルを掌に乗せた。
0851マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:36:30.37ID:D66ZJ8S3
「ふーん。古代王のオーヴにラウル帝国、おまけに呪いねぇ。なんでオレがオーブの持ち主になったんだよ? こいつは爺ちゃんがラウル古代遺跡で採取したんだぞ」
0852マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:36:48.45ID:D66ZJ8S3
 オレは掌のクリスタルを指さして、ディーネを横目に瞬きする。
0853マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:37:06.55ID:D66ZJ8S3
 ディーネは眉根を寄せて、訝しげに首を傾げて胸の前で腕を組んで唸っている。
0854マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:37:24.84ID:D66ZJ8S3
「オーヴはラウル古代遺跡の最深部の台座に嵌めてあったはずじゃが……お前の爺さんが持ち去ったのかの。どうも、わらわは長い眠りから覚めたばかりで記憶が曖昧じゃ……それに、なんでわらわは封印されてたんじゃろ? ああもう、訳がわからんわい!」
0855マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:37:42.95ID:D66ZJ8S3
 ディーネはぽかぽかと両手で頭を叩いて、頭を両手でくしゃくしゃとかきむしっている。
0856マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:38:01.13ID:D66ZJ8S3
 もしかして、爺ちゃんは悪い奴らに脅されて、ラウル古代遺跡の最深部からオーブを持ち去ったのか?
0857マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:38:19.13ID:D66ZJ8S3
 なんのために? わからない。ってことは、爺ちゃんはオーブを悪い連中から隠した?
0858マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:38:37.74ID:D66ZJ8S3
 オレは瞼を閉じて首を横に振る。結局、爺ちゃんはオレに何も言わずに逝ってしまった。
0859マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:38:55.82ID:D66ZJ8S3
 オレにどうしろってんだよ。オレは掌のクリスタルを握り締めた。
0860マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:39:15.38ID:D66ZJ8S3
 その時、頭上で卵が割れる様な嫌な音がした。
0861マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:39:33.65ID:D66ZJ8S3
 オレは思わず顔を上げると、気付かなかったが青白いドームの障壁にひび割れが生じている。
0862マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:39:51.90ID:D66ZJ8S3
 結界が張ってあったのか? なんのために? もしかして、オレたちを襲った魔物から守るためか?
0863マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:40:09.81ID:D66ZJ8S3
 どすんと重い地響きが響き、魔法瓶とコップと土鍋が踊った。遠くでキャノン砲を撃つ音が聞こえる。
0864マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:40:28.56ID:D66ZJ8S3
 青白いドームの障壁のひび割れが大きくなってゆく。結界が壊れるのも時間の問題だな。
0865マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:40:46.51ID:D66ZJ8S3
 のんびり飯食ってる場合じゃねぇ。
0866マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:41:05.53ID:D66ZJ8S3
 といいつつも、オレはキノコカレーを食いつつ、リップルジュースを飲みながら、のんびりと結界を見上げる。
0867マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:41:24.57ID:D66ZJ8S3
オレはキノコカレーを食いながら、ディーネを横目で訝しげに見る。
0868マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:41:42.63ID:D66ZJ8S3
 ディーネは腰に両手を当てて青白いドームを見上げ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
0869マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:42:00.98ID:D66ZJ8S3
「やれやれ。ハンターのことを忘れておったわい。ハンターどもがわらわの結界を壊そうとしておる」
0870マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:42:19.49ID:D66ZJ8S3
 その時、遠くで獣の咆哮が聞こえ、凄まじい音波が飛んで来てオレは慌てて両耳を塞ぐ。
0871マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:42:37.38ID:D66ZJ8S3
 オレは訝しげに、横目でディーネを睨み口を歪ませる。
0872マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:42:55.60ID:D66ZJ8S3
 ディーネは腕を組んで片手で肩を竦め、獣の咆哮が聞こえた方に顎でしゃくる。
0873マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:43:13.40ID:D66ZJ8S3
「なんじゃ? ハンターのことを説明するのか? それとも、状況を説明するのか?」
0874マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:43:32.79ID:D66ZJ8S3
 やれやれという感じでディーネはうなだれ、両手を垂らして横にぶらんぶらんと振って遊んでいる。
0875マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:43:50.80ID:D66ZJ8S3
 オレは地響きや獣の咆哮を無視して、キノコカレーを食い始める。
0876マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:44:08.52ID:D66ZJ8S3
 しばらくして音が止み、オレは顔を上げて首を傾げる。
0877マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:44:27.13ID:D66ZJ8S3
「さっきの咆哮、オレが遭った魔物よりも図体がでけぇんじゃねぇの? ハンターがなにかしんねぇけど。状況はヤバそうだ」
0878マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:44:45.68ID:D66ZJ8S3
 ディーネが指を弾いて鳴らすと、木のテーブルの上に黒革ベルトに挿した、金と銀のオートマチック銃と肩掛けの鞘に収められた剣が現れた。
0879マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:45:03.68ID:D66ZJ8S3
 オレはキノコカレーを食い終わって、土鍋の中に木のスプーンを放り込む。お腹を擦りながらディーネに振り向く。
0880マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:45:21.69ID:D66ZJ8S3
 ディーネはお手上げという感じで、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
0881マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:45:40.68ID:D66ZJ8S3
 額に手を当ててため息を零す。
0882マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:46:00.78ID:D66ZJ8S3
「お前もみたじゃろ? 凶暴な魔物を。あれは古代人が造ったラウル帝国を守る魔物じゃ。今となってはプログラムが暴走して姿まで変えて厄介なことになっておる。禁断の森に侵入した者を狩るハンターとなってしまった。あいつら、ちっともわらわを認識せん。困ったことになったわい」
0883マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:46:18.81ID:D66ZJ8S3
 ディーネが忌々しげに音のする方を指さして舌を出し、頭をぽかぽかと両手で叩く。
0884マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:46:36.70ID:D66ZJ8S3
 オレは木のテーブルに頬杖を突いて肩を竦める。
0885マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:46:54.68ID:D66ZJ8S3
「あいつら共食いしてたぜ? ありゃ意味あんのか?」
0886マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:47:12.95ID:D66ZJ8S3
 腹が満たされたのか急に眠気が襲って、オレは欠伸をして涙目でディーネを横目で見る。
0887マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:47:32.28ID:D66ZJ8S3
 ディーネは顎に人差指を当てて空を仰ぐ。
0888マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:47:50.36ID:D66ZJ8S3
「うーん。それは、単に腹が空いたからじゃろう。仲間を喰うことであやつら力が増すからのう。味を覚えたんじゃろ」
0889マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:48:08.76ID:D66ZJ8S3
 ディーネは腕を組んで、不思議そうに首を傾げている。
0890マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:48:26.65ID:D66ZJ8S3
 オレは涙を指で拭って腕を組み、顎に手を当てて唸る。
0891マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:48:44.75ID:D66ZJ8S3
「図体がデカいのが相手となるとヤバいな。ディーネ、結界はどれくらい持つんだ?」
0892マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:49:03.08ID:D66ZJ8S3
 オレは顔を上げて顎から手を離し、ディーネに振り向く。
0893マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:49:20.95ID:D66ZJ8S3
 ディーネは瞼を閉じて肩を竦める。
0894マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:49:38.95ID:D66ZJ8S3
「さあの。今のところ持っておるが……ただ、あやつら結界を壊せずにお怒りみたいじゃ。うーむ。どうにかして、わらわをあやつらに認識させればいいんじゃがのう……」
0895マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:49:56.95ID:D66ZJ8S3
 ディーネはつまらなそうに後頭部で手を組んで空を仰ぐ。
0896マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:50:14.89ID:D66ZJ8S3
 ディーネをハンターに認識させる? そうすりゃ、追いかけてこないのか?
0897マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:50:31.92ID:D66ZJ8S3
 いや、待てよ。単純にあいつらを味方につければいい。
0898マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:50:50.01ID:D66ZJ8S3
 そうか、その手があったか。どうやってあいつらを味方につけるんだよ?
0899マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:51:08.05ID:D66ZJ8S3
 自分で言っておいてわけわかんねぇ。オレは両手で頭をくしゃくしゃにした。
0900マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:51:26.13ID:D66ZJ8S3
 オレは腕を組んで、顎に手を当てて顎を擦る。
0901マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:51:44.32ID:D66ZJ8S3
「なあ。どうにかしてハンターを味方にすれば、野営地を奇襲してミサとネロを救えるんじゃないか?」
0902マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:52:02.61ID:D66ZJ8S3
 オレは顔を上げて、自信なさげにディーネに訊く。
0903マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:52:20.69ID:D66ZJ8S3
 ディーネは顔を輝かせて、閃いたとばかりに掌の上に拳で叩く。
0904マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:52:38.69ID:D66ZJ8S3
「それじゃ! あやつらのプログラムを書き換えて、わらわたちを認識させればいいんじゃ! でかしたぞ!」
0905マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:52:56.71ID:D66ZJ8S3
 ディーネが嬉しそうに顔を綻ばせてオレの元に小走りで寄り、オレの頭を両手でくしゃくしゃにして頬擦りする。
0906マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:53:14.64ID:D66ZJ8S3
 オレは鬱陶しそうにディーネの手を払いのける。
0907マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:53:32.71ID:D66ZJ8S3
 ディーネはオレから離れて木のテーブルに掌を突いて、勝ち誇ったように喉の奥で笑ってオレを見下ろす。
0908マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:53:50.73ID:D66ZJ8S3
 オレは木のテーブルに頬杖を突いて、片手で肩を竦めた。
0909マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:54:08.86ID:D66ZJ8S3
「なんだよ? 頭がおかしくなったのか?」
0910マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:54:26.79ID:D66ZJ8S3
 興味なさそうにオレは横目でディーネを睨み口を歪ませる。
0911マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:54:44.90ID:D66ZJ8S3
 ディーネは掌を木のテーブルに突いたまま、顔を綻ばせて指を弾いて鳴らす。
0912マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:55:03.00ID:D66ZJ8S3
 すると、土鍋と魔法瓶と木のコップが消えて代わりに黒革ベルトに挿した金と銀のオートマチック銃と、斜め掛けの鞘に収められた剣が現れる。
0913マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:55:20.09ID:D66ZJ8S3
 片手を腰に当てて、オレに親指を突き出して歯を見せて笑う。
0914マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:55:38.08ID:D66ZJ8S3
「ハンターと戦うのにやわな銃は命取りじゃからな。銃はわらわからのプレゼントじゃ。それにしても、今の時代の剣は随分な業物じゃのう。感心じゃわい」
0915マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:55:56.08ID:D66ZJ8S3
 ディーネは両手を腰に当てて木のテーブルに置かれた鞘を見て頷き、後頭部で手を組んで呻る。
0916マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:56:14.12ID:D66ZJ8S3
 オレは木のテーブルに両手の掌を突いて椅子から勢いよく立ち上がった。
0917マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:56:32.20ID:D66ZJ8S3
「なんだよ、これ!? ハンターを味方につけるのに戦えってか!? 冗談じゃねぇぞ!」
0918マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:56:49.40ID:D66ZJ8S3
 オレは金と銀のオートマチック銃を指さして、両手の拳を木のテーブルに叩く。
0919マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:57:07.92ID:D66ZJ8S3
 ディーネはオレの肩に手を置く。 
0920マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:57:26.01ID:D66ZJ8S3
「じゃ、どうするんじゃ? お前はこのまま逃げるのか? 何もせずにミサとネロを見捨てる気か?」
0921マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:57:44.22ID:D66ZJ8S3
 ディーネの冷たい声がオレの胸に突き刺さる。
0922マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:58:02.48ID:D66ZJ8S3
 オレの眼が動揺でさざ波の様に揺れる。やがて俯いて拳を握り締める。 
0923マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:58:20.73ID:D66ZJ8S3
「オレは……ミサとネロを見捨てる気なんかねぇ。ただビビッてただけだ。いつもミサとネロがいたからな。ディーネ、手を貸せ。あいつらにたっぷり仕返しするぞ。もしあいつらを味方につけたら、オレをオーヴの主と認めろよ?」
0924マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 11:58:38.82ID:D66ZJ8S3
 オレは顔を上げて斜め掛けの鞘をゆっくりと肩に斜め掛けする。
0925マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:58:57.04ID:D66ZJ8S3
 肩を動かして、ゆっくりと鞘から剣を抜き、刀身に映るオレをまじまじと見つめる。
0926マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:59:15.04ID:D66ZJ8S3
 意を決して剣を鞘に収め、金と銀の銃を見てオレは腕を組んで首を傾げる。
0927マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:59:33.32ID:D66ZJ8S3
 剣は騎士団からくすねた剣みたいだけど、銃は騎士団からくすねた銃じゃないな。
0928マンセー名無しさん
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2020/09/15(火) 11:59:51.45ID:D66ZJ8S3
 それに、オレはミサのフックショット川に落としたか? 
0929マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:00:09.60ID:D66ZJ8S3
 オレは腕を組んだまま、瞼を閉じて首を横に振る。まあいいか。
0930マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:00:26.08ID:D66ZJ8S3
 ディーネの咳払いが聞こえる。
0931マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:00:45.03ID:D66ZJ8S3
「やる気になったみたいじゃのう。よかろう、あやつらを味方につけることができたら、お前をオーヴの主と認めよう」
0932マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:01:02.85ID:D66ZJ8S3
 オレはディーネに振り向くと、ディーネは顔を綻ばせて「うんうん」と頷いていた。
0933マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:01:20.67ID:D66ZJ8S3
 オレは舌打ちして、ディーネを無視して黒革ベルトを腰に巻く。
0934マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:01:38.55ID:D66ZJ8S3
「オレをオーヴの主と認めたわけじゃないのに、なんで武器なんかくれるんだよ。ったく、わけわかんねぇ」
0935マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:01:56.65ID:D66ZJ8S3
 さすがに剣と銃を身に着けると、ずしりと重い。
0936マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:02:14.97ID:D66ZJ8S3
 オレはベルトに挿した金のオートマチック銃を抜いて、片目を瞑って片手でオートマチック銃を樹に構える。
0937マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:02:32.01ID:D66ZJ8S3
 金のオートマチック銃をベルトに挿して、今度は銀のオートマチック銃を抜いみる。
0938マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:02:50.05ID:D66ZJ8S3
 銀の銃はフックショットだった。形がミサのフックショットに似ているが、こっちの方が高性能そうだ。
0939マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:03:07.00ID:D66ZJ8S3
 オレは肩を回して、屈伸したり、腕を伸ばしたり体操した。
0940マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:03:25.04ID:D66ZJ8S3
 ディーネは腕を組んで、訝しげな目つきで体操するオレを見下ろす。
0941マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:03:43.03ID:D66ZJ8S3
「どうやってハンターども味方につけるんじゃ? まさか考えてないとか言うんじゃないじゃろな?」
0942マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:04:01.31ID:D66ZJ8S3
 ディーネはオレの傍に寄ってきてふふんと喉で笑い、腰を回すオレの脇腹を肘で小突く。
0943マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:04:19.03ID:D66ZJ8S3
 オレはディーネを無視して、鞘から剣を抜いて素振りする。
0944マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:04:37.03ID:D66ZJ8S3
「それができたら苦労してねぇよ。って、ディーネちけぇよ! そんなに斬られてぇか!」
0945マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:04:55.07ID:D66ZJ8S3
 オレは何故か顔が火照り、鼓動が高まり、ディーネを近づけさせまいと剣を振り回す。
0946マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:05:13.08ID:D66ZJ8S3
 こいつ、よく見りゃ可愛いじゃねぇか。
0947マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:05:31.92ID:D66ZJ8S3
 オレは気まずそうに頬を人差指で掻いて、剣先をしっかりとディーネに向ける。
0948マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:05:48.20ID:D66ZJ8S3
 その時、地響きが腹に響いて、オレの身体が跳ねる。
0949マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:06:05.36ID:D66ZJ8S3
 オレは驚いて手から剣が滑り落ちて、剣が地面に落ちる。
0950マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:06:23.51ID:D66ZJ8S3
 オレが屈んで地面に落ちた剣を拾おうとした時、体当たりするような轟音と衝撃波がオレを襲う。
0951マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:06:41.63ID:D66ZJ8S3
 オレは青白いドームの障壁を見上げて、剣を拾い上げて鞘に収める。
0952マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:06:59.56ID:D66ZJ8S3
「そろそろ向こうも本気みたいだぜ? 仲間でも呼んできたんじゃねぇの? ディーネ、さっさとドラゴンに変身しろよ」
0953マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:07:17.40ID:D66ZJ8S3
 オレは腕を組み、ディーネを睨んで鼻と喉を鳴らして笑った。
0954マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:07:35.63ID:D66ZJ8S3
 ディーネは腕を組んでそっぽを向き、鼻と喉を鳴らして笑う。
0955マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:07:53.71ID:D66ZJ8S3
「わかっとるわい。せいぜい、振り落されんように気を付けることじゃ」
0956マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:08:11.55ID:D66ZJ8S3
 ディーネはびしっとオレに指さすと、片方の指を弾いて鳴らす。
0957マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:08:29.37ID:D66ZJ8S3
 すると、ディーネの身体がぼんっと音を鳴らして白い煙に包まれる。
0958マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:08:47.22ID:D66ZJ8S3
 オレは煙臭くて咳き込み、煙に目を凝らす。
0959マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:09:05.14ID:D66ZJ8S3
 数秒後に風が舞い、白い煙の中から両翼を広げて二本足で立った白色のドラゴンが現れた。

☆続く☆ 
0960マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:09:24.03ID:D66ZJ8S3
おまけ:魔物の正体終了後の雑談コーナー ゲスト:カイト



作者:今回はカイトくんにあらすじのナレーションをお願いしました。

カイト:新エピソードも十話が近いことだし、作者が何か新しいことをしたいとかで、オレにオファーしてきやがった。

作者:もちろんギャラは払いますよ。カイトくん、ギャラはなにに使うんですか?

カイト:そうだな。いくらか親にあげて、あとは好きなものを買いたいな。

作者:おお、親孝行ですね! 因みに何買うんですか?

カイト:そうだな、PS4の本体とか?

作者:世界設定は異世界のアルガスタだ!そんなもん売ってねぇよ!(突っ込みの平手チョップ)

カイト:つうわけで、次回も読んでくれよな!

作者:えっと……というわけで、本番終了後の雑談コーナーでした! 次回もお楽しみに!
0961マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 12:44:39.24ID:431PNzmi
歯茎剥き出しアイコンの人凍結されたのか垢消しか
0962マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 19:27:55.26ID:1rzR9fkX
埋めさん今どこ埋めてるの?
0963マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 21:16:56.98ID:NeGIFqKR
もうツイッターやめたら?恥かくだけだし
0964マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 21:48:34.93ID:7nVqHuVs
スレ民がいくら恥かこうがノーダメ
0965マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 21:54:21.86ID:IC4ubAFY
孔悠鬼さんなんであの顔俺じゃないって否定しないの?
普通あんな顔だと濡れ衣着せられたら怒るよね
0966マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 21:58:30.45ID:1rzR9fkX
>>965
あの顔が孔悠鬼じゃなくて特に社会貢献をしている自民党の重鎮だった場合
君があの顔をしていると間違えられたら怒るの?
0967マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:19:07.08ID:5INnAN+M
何言ってんだか分からん
0968マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:23:47.91ID:TSuVFQQm
松倉修司 敬和学園大学 特定 青髭 新潟 ネトウヨ 学歴
0969マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:30:28.82ID:Z/xZX2z0
あの顔ってひどいなオイw
0970マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:50:58.24ID:5INnAN+M
ディーネは炎を吐いて火の粉が舞い、両手を地面にどすんと突いた。
0971マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:51:15.01ID:5INnAN+M
 間抜けなことに火の粉がディーネの翼に降って、ディーネの翼に火が点く。
0972マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:51:33.01ID:5INnAN+M
 ディーネは翼に点いた火を消そうと必死に翼を羽ばたかせたり、翼に振り向いて鼻息を吹いたりして暴れている。
0973マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:51:57.56ID:5INnAN+M
 オレはそんなディーネを見て、腰に手を当てて額に手を当て、瞼を閉じてやれやれと首を横に振る。
0974マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:52:14.60ID:5INnAN+M
「なにやってんだよ。無暗に炎吐くからだろ。火事になるだろが」
0976マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:52:50.54ID:5INnAN+M
 ディーネが暴れる度に地響きと、翼を動かす度に悪戯に風が舞う。
0978マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:53:25.45ID:5INnAN+M
 ディーネが地面を左に右に転がりながら、やたら暴れながらの怒声が聞こえる。
0979マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:53:43.51ID:5INnAN+M
 ディーネがオレの傍で立ち止り、オレは何かと思いディーネを見上げる。
0980マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:54:02.73ID:5INnAN+M
 ディーネは不敵に笑い、腹いせに荒い鼻息を吐くとオレは吹っ飛んだ。
0982マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:54:38.96ID:5INnAN+M
「なにするんだよ! お前、ドラゴンになると態度がでけぇんだよ!」
0983マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:54:57.27ID:5INnAN+M
 オレは吹っ飛びながら腕を下げて叫び、ディーネに拳を振り上げる。
0985マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:55:33.11ID:5INnAN+M
 尻を擦りながら、ディーネを指さす。尻に小石が食い込んで痛い。
0986マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:55:51.18ID:5INnAN+M
「ディーネ! 覚えてろよ! こいつで仕返ししてやるからな!」
0987マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:56:09.09ID:5INnAN+M
 オレは胸のオーヴを握り締め、片方の手でオーヴを指さした。
0988マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:56:27.25ID:5INnAN+M
 ディーネは二本足で立って腕を組み、鋭い牙を覗かせて不敵に笑いオレを見下ろしている。
0989マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:56:45.86ID:5INnAN+M
「オーヴの力もロクに使いこなせないひよっこがかい? 笑わせるんじゃないよ。……ここにいると危険だ。さっさと逃げるよ」
0990マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:57:04.09ID:5INnAN+M
 ディーネはオレを皮肉った後に、何かを感じ取ったのか急に空を仰ぎ、瞼を閉じて肩を竦めて首を横に振る。
0991マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:57:23.76ID:5INnAN+M
 両手を地面に静かに突いて、首を左右に振りながら四本足でオレに近づく。
0992マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:57:41.60ID:5INnAN+M
 オレは胡坐をかいて不思議に思って腕を組んで首を傾げる。
0993マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:58:00.85ID:5INnAN+M
 ディーネはオレの傍まで来ると背中に乗れと言わんばかりに、ディーネは両翼を羽ばたかせて顎をしゃくる。
0995マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:58:37.26ID:5INnAN+M
 オレが顔を上げるとディーネは不敵に笑い、またディーネは鼻息でオレを吹き飛ばす。
0998マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 22:59:30.30ID:5INnAN+M
 オレは尻が痛くて尻を擦りながらディーネを指さす。指さす手に力を入れて、手が震える。
1000マンセー名無しさん
垢版 |
2020/09/15(火) 23:00:06.25ID:5INnAN+M
 オレをオーヴの主と認めたわけじゃないから苛立ってるのか?
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