「地方の未知の小都市に出張する時は、昭文社の都道府県地図帳を買って地理を把握して、時刻表で行き方を決めて、図書館で行き先のタウンページを見て適当なビジネスホテルの見当を付けて、電話して宿代確認して予約していましたね」

今はパソコン画面の操作ですべて済むが、出張の準備一つをとってもいろいろと大変だったのだ。

パソコンがない時代の仕事ぶりを、具体的に細かく説明する人もいた。

・直接取引先に行って用件とかの話を聞く。
・そのため移動に費やす時間がやたら多い。
・比較的に簡単な用なら電話で取引先と話をする。
・昭和末期ごろになると連絡にFAXも使用。
・紙の書類に手書きで発注書とか領収書とか会計書とか資料とかを作る。
・顧客情報とかは、個人の手帳やメモに記録されるから共有されない。
・だから『あの案件、あの顧客は××さんじゃないとわからない』というケースが多い。
・メールがないから、連絡→返答→また返答の間隔はすごく時間がかかる。
・上司とも取引先とも直接に話すことが多いから、コミュニケーション力が絶大に要求される。
・このため、声が大きく、上下関係を重んじる体育会系ばかりが重用される