要するにサルンクルは北海道に於けるアイヌ中、特殊な一系統を形造つて居り、他の諸分派の中に楔狀に割り込んだ島の様なもので、
少なくともある時期の間他のアイヌ、シュムクル、メナシクル等とは交捗の少ない地域に隔離して居たらしいことゝ、
奥茶Aイヌと密接な關係を有するのではあるまいかといふ疑念を述べて、今後アイヌを研究せられる人々の御注意を乞ふ次第である。