嫁たたき

新嫁の尻(しり)を棒でたたき、妊娠・出産を祈る行事。
全国各地で、正月14、15日の小(こ)正月に、子供や青年たちがヌルデやクリ、ヤナギなどの木でさまざまな形の棒をつくり、
新嫁のいる家々を訪れてその尻をたたいて回った。その棒をはらめ棒、嫁突き棒、嫁たたき棒などとよんだ。
この種の祝い棒は、果樹の豊穣(ほうじょう)を願う成木責(なりきぜ)め、鳥や虫の害を追い払う鳥追いなど、
ほかの小正月行事にも用いられ、いずれも棒に一種の呪力(じゅりょく)が秘められているとしたものである。
ほかに、嫁入り婚にあたって嫁が婿の家に入る際、その尻をたたく習俗も各地にみられた。
これにも妊娠・豊産を願う呪術的な意味が含められていたようである。