OPSでは機動力が測れない。二塁打、三塁打を打つにはある程度の走塁力が必要なので、そういう意味ではOPSにも走塁力は少なからず加味されている。しかし長打というのは狙って打つのは容易ではない。試合において最も多いのは四球、エラー、単打による一塁への出塁である。その数多くのチャンスを如何に得点に繋げられるかが安定した得点、チームの勝率に直結すると考えられる。

低反発ボールが普及する現代MLBにおいて、まだ長打力を信仰する業界に筆者は専門家として危機を感じている。何故なら、長打力を下げない為にまずセーフティバントや流し打ちによるシフトの逆をつくという選択肢が選手の念頭にないからである。

これでは極端なシフトと極端な外角攻めをされた際に、打率は大幅に下がってしまう。現代の投高打低の大きな要因は前述によるものであると筆者は考える。加えて低反発ボールの採用により引っ張り打法は最早、意味を為しません。

エンゼルスが分かりやすい例で得点の大半が本塁打に頼っているチームです。ある日は大量得点しますが、ある日は容易く完封されます。

仮に走塁力を持っている選手が泥臭くも出塁した時に、盗塁で結果的に長打に出来ます。トラウトも怪我を恐れて盗塁をしませんが、かつての盗塁王であれば積極的に走るべきです。26打席連続無安打であればセーフティバントを試みるべきです。

というわけで一塁への出塁率とその後の走塁力を数値化するセイバーメトリクスを我々で考えましょう。既にあるセイバーメトリクスを拝見しましたが頭悪くて理解できませんでした。