“ニセ大島優子”に入れ込んだ69歳男性が「4000万円」を溶かすまで(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
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ネット詐欺の被害が後を絶たない...


【メール】
“いつもお世話になっております。実は最近、うちの大島優子が芸能界の仕事に疲れてしまっているみたいで……。その相談をしたいと思って連絡しました。返信お待ちしています。”

よくある迷惑メールの一種だろう。そう思った中山さんは、最初こそ無視していたという。しかしその後も「1度でいいから返信がほしい」といった連絡が続き、ついに「宛先を間違っていますよ」と返信してしまった。

すると、次のようなショートメールが届く。

【メール】
“本当ですね。失礼しました。ただ突然こんなことを言うのも変なのですが、あなたに不思議な縁を感じています。大島は芸能界の人間をあまり信用していません。できたら業界と接点のない人と話したがっているので、うちの大島の相手になってくれませんか?”

「別に大島優子のファンだったわけではありませんでしたが、話し相手ぐらいならと思って『いいですよ』と返信しました。そしたら、その2時間後ぐらいでしょうか。元AKBの大島優子を名乗る女性からショートメールが送られてきたんです」(中山さん)

当然、この大島優子はニセモノだ。しかし中山さんは本物だと信じ込み、やりとりを重ねるうちにすっかり感情移入してしまったという。

そして、「あなたと連絡を取り合っていることが世間にバレたら大変なことになります。誰にもバレないサイトでやりとりしたい」と言われるがまま、中山さんはそれに応じてしまった。

佐久間氏はこの怪しいサイトの仕組みについて、次のように解説する。

「相手にチャットを1通送るたびに数百円かかるのが特徴です。コンビニで販売されている電子マネーをチャージしないと使えないので、被害者は頻繁にこれを買いに行くことになります」

中山さんには50年以上連れ添った妻がいる。しかし、このニセ大島優子に対して、すでに恋愛感情に近いものを抱いていた。やり取りに夢中になり、何の疑いもなくチャージを続けしまっていた。中山さん曰く、「注ぎ込んだ額はたぶん4000万円くらい」だと言う。