ラスト・エンペラーの日本公開時のカットの件ですが厳密にはカットはあったそうです。ただ南京大虐殺の場面は残っていたとのこと。
この件について「映画監督 山崎達璽 「筆の遊(すさ)び」」というblogに詳しく記されてました。↓

2012年12月02日"『ラストエンペラー』のいわゆる「南京虐殺」はカットされていなかった。"
映画史に燦然と輝くベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストエンペラー』。中学1年の頃に見て、明確に映画監督という役職(仕事)を意識して目指すようになった、僕にとっても記念碑的作品です。
その「コレクターズ・エディション」のBlu-rayが届きました。VHS→LD→DVDとメディアが進化するたびに買い揃えてきました。
関連書籍も含めると、約25年間、もうこの映画にいくら費やしたか分かりません。
さて、本作は公開当時、いわゆる「南京虐殺」のシーンが配給会社の松竹富士によってカットされ、ずいぶん物議をかもしました。
四半世紀が経った今、その顛末をネットで調べると、“カットされたまま公開された”との説、“抗議を受けて戻して公開された”との説があり、どう決着されたかはあまり伝わっていないようです。
『ラストエンペラー』蒐集家と申し上げましょう。
結論としては、「南京虐殺」についてはカットされないまま公開されています。これは監督が渋々編集したヴァージョンになります。
当時の報道から事実関係を追ってみましょう。(88/1/24朝日新聞など)
○1987(昭和62)年10月4日
第2回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映。
“興行主を含む映画業界人”から、戦犯となった溥儀が記録映画を見せられるシークエンスが“刺激的すぎる”と問題となる。
松竹富士はこれを受け、一連の「南京事件」「人体実験」「アヘン栽培」(計40秒弱)の部分をカットする。
○11月上旬〜
プレス試写。
(続く)