【優しさと想像力/科学について:オッペンハイマーと朝永振一郎】

毎年、8月6日と9日の原爆の日にあわせて、TBSのNews23がシリーズで放送している、綾瀬はるかさんと被爆者の対話で、今年は、高齢になった女性の被爆者の方が、核兵器が無くなるまで、自分が生きてる限り、語り継ぐ活動を続けたいとする一方、若い人にも、核兵器や戦争の恐ろしさを後世に伝えて欲しいし、そのために必要なのは「優しさと想像力」だと話をしていた。

奇しくも、裕之を演じた三浦春馬さんは、生前、「想像力を届けることが役者の仕事」だと言っていたことを、有村架純さんが舞台挨拶で伝えていたのだけれど、観る側、つまり、受け取る側にも、更に想像力が必要であることは言うまでもない。

最近の映画のレビューで、映画のストーリーをなぞるだけでなく、具体的な指摘はなしに、周りにどんどん同調するかのように低評価が増殖していく様を眺めて、これは、ある意味、イジメが広がる構図と似ているなと考えたりした。
決定的に想像力が欠如しているのだ。
せっかく、人間だけに与えられた想像力なのだから、可能な限り駆使した方が良いように思う。

この「太陽の子」は、反戦というだけでなく、科学と国家、そして、人間としての科学者が、どうあるべきか考えさせられる作品になっている。