「か、神楽。お前、神さまに会ったことがあるんじゃろ?」

 オラは畳に胡坐をかいた。

 神楽の胸の妄想をやめて、咳払いして語る。

 オラは神楽を一瞥する。




「うん。うん」

 梓が瞼を閉じて、腕を組んで、首を縦に振っている。




「なんだい? 会ったことはあるけど……何を話したか覚えてないんだ」

 神楽が畳に正座した。

 首を傾げて、天井を仰いだ。




「ええっ~! これじゃ、振り出しだぁ!」

 梓が肩を落とした。

 梓がこめかみを両手の掌で押さえて、首を横に振った。