「うん? どういうこと? よくわからんぞぉ」

 梓が腕を組んで、考え込んだ。




「体を動かして汗を掻けば、少しはいい案が出るかもしれないじゃないか」

 神楽が煙管を吸って、煙管の煙を吐いた。




「ああ、なるほどっ。それいいかも」

 梓が納得したように、拳を掌で叩いた。

「訓練所じゃと? 十六夜の地下に、そげなもんがあるんか?」

 オラは頭の後ろで手を組んだまま、天井を仰いだ。

「ああ。くノ一の訓練所さ。もしかしたら、忍びの素質が光秀にあるかもしれないね」

 神楽がオラを、真剣な表情で見つめている。

「またまたぁ。神楽ったら、冗談上手いんだからぁ。光秀、まだ子供だよ?」

 梓が両手を腰に当てて、高笑いしている。