「そ、そうだね。そうだよね」

 梓は俯いて、拳を作った。




「なにしとんじゃ。さっさと案内せえ、梓隊長」

 オラは大股で大広間を出て行く。




「よぉし。手加減はしないからねっ!」

 梓が俯いたまま、深呼吸する。

 顔を上げて、涙を手で拭って、小走りに大広間を出て行く。

 梓は腕を振り回した。

「光秀、頼んだよ! お前なら、できるはずだ!」

 背中で神楽の大声が、オラの胸に突き刺さる。


 オラたちは、廊下の奥に吸い込まれるように消えて行った。

 廊下の行き止まりまで、やって来た。