「ここは忍者屋敷か。他にも仕掛けがあるんじゃなかろうの?」

 オラは呆れたように、梓を見る。




「あるよっ。畳の下とか壁の中に、忍びの武器とかね。後は隠し部屋とか、脱出用の隠し階段とか」

 梓が不敵な笑みを浮かべる。




「……だと思ったわい」

 オラは肩を落として、ため息を零した。




「ほらっ。行こうよっ」

 梓がオラの腕に抱き付いて、隠し階段を下りる。




「お、おい。放さんかっ!」

 オラは梓から放れようとして、バランスを崩し、盛大に階段から転げ落ちた。