『銀と金』(ぎんときん)は、福本伸行による日本の漫画作品。

第1話 - 第14話
競馬場で主人公の森田鉄雄が平井銀二に声をかけられるところから物語は始まる。典型的なギャンブル中毒者であった森田に、銀二は数個の段ボール箱をアパートまで運ぶ、簡単な仕事に誘う。怪しみながらもしぶしぶ仕事をこなした森田が銀二の隙を見て箱を開けると、そこには札束が詰め込まれていた。驚く森田を尻目に、銀二はそこへ集まった人々に次々と金を貸し付けていく。最後に、銀二は森田の前に貸付金の残りの札束を積み上げ、ある老人の殺害を依頼する。
答えあぐねる森田に対し、銀二は徐々に札束を減らしていく。森田はいったん立ち去るが、ふたたび銀二の前に戻り、「人殺しはできない、だけど裏社会で生きたい」と懇願する。そんな森田に、「その気持ちを忘れるな」と告げ、次の計画、日本旭との株の仕手戦の内容を話す。銀二と仲間たちは仕手戦を制し、政権与党である自由民政党の大物議員・伊沢や、帝日銀行の頭取である土門とも協力関係を取り付ける。

安田 巌(やすだ いわお)
警視庁OB。メンバーのなかでは比較的出番が多く、特に森田を信用している描写が多い。ポーカー戦では森田の外ウマに乗る。
巽 有三(たつみ ゆうぞう)
元新聞記者。かつての経験を生かし、情報収集によって銀二をサポートする。つねにサングラスを掛けており、素顔を晒す場面はない。
船田 正志(ふなだ まさし)
東京地検特捜部に所属していた元検事で、経歴をもとに企業を相手にしているブローカー。登場シーンは少なく、台詞もほとんどない。
川松 良平(かわまつ りょうへい)
競馬勝負から仲間に加わる若者。森田と同じくギャンブルに染まっており、400万円の借金を背負っていた。見た目が標的の河野洋一の四男とよく似ていたことで、銀二は秘策を思いつき、作戦を実行に移す。
自ら考えて動く場面はなく、もっぱら銀二からの指示を受けるだけで「森田ほどの器量はない」「今回(競馬勝負)限り」と言われるが、ラストの場面でも銀二と別れるような様子はない。