らき☆すた5 2018/11/14 21:22

ついでだから思い出話。
武本監督以下、残ったスタッフには感謝しかない。

武本さんが後任の監督に決まった時、
「ヤマモッチャン、ちょっと店行こうや」
慰めてくれるのかと思いきや、いきなりノートを開いて、
「『らき☆すた』で考えた君のコンセプトやプラン、アイディアは俺が全部受け継ぐから、全部言ってくれ」

飲み屋で僕が延々と作品に込めた内容を語り、武本さんはそれを必死にメモした。

先輩で厳しい人だったけど、義理に篤い人だった。
今は感謝しかない。


・・・と、言いたいところだが、後になって各話スタッフからじゃんじゃん電話がかかってきて、
「山本さん!コンテ描いたんで見てください!」
へ?
「武本さん、コンテまったくチェックせずぶっ通しなんです!」
あらー。

誰とは言わないが、初コンテのスタッフ二人までそんな状態だったから、話数も明かさないでおくが、
何話かは僕がこっそりチェックした。
ひとりは家まで来てもらったかな。
もうひとりは家が遠いものだから、スタジオからほどほどの距離の駅の前で、チェックした。
確か店に入ったけど閉店で追い出されて、噴水的なものの前のベンチで残りをしたんじゃないかな?

僕も立場上、余りあれこれ直すつもりはなかった。
むしろ、演出技法を教える感じで、最低限のことを言っただけ。


こうして『らき☆すた』は、みんなの力で護られた。
今だから言えるが、立派な作品になったと思う。


そこでかの名高き「新章」だが、あの疫病g・・・いや「大天才」は何一つ、僕に訊くことはなかった。
伝え聴きだが、「ボクが『WUG』のことを一番解ってるんだよ!」と言ってたんだとか。

その結果が、あれだ。
作品の出来は、やはり作る姿勢から違うものだ。