【米韓首脳会談】文在寅氏「適切な条件下なら北と対話可能 トランプ氏が発言」 ワシントンで講演

 【ワシントン=黒瀬悦成】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6月30日、トランプ米大統領との会談後にワシントン市内の政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)で講演し、トランプ氏が「適切な条件下であれば北朝鮮と対話を始めることができる」と述べたことを明らかにした。

 文氏は、現時点で何が「適切な条件」であるかは明確でないとしつつ、例として北朝鮮が「核実験や弾道ミサイル発射などの挑発行為を停止する」「拘束中の3人の米国人を解放する」などの措置を取れば、対話開始の契機になり得るとの見方を示した。

 文氏はまた、北朝鮮による核開発計画の凍結が対話の「入り口」になるとすれば、「最終目標は核開発の完全放棄」でなくてはならないと強調した。

 一方、文氏の外交ブレーンが6月中旬、北朝鮮の挑発行為停止と引き換えに米韓合同軍事演習の縮小を支持するかのような発言をした問題に関しては、「韓米の合同演習は防衛目的の正当な演習だ」とし、「北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射の停止と引き換えに中止するなどできない。この立場は不変だ」と述べ、懸念の一掃に努めた。

 米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国への配備に関しては、環境影響評価などの「手続き上の正当性」が必要であることをトランプ氏に説明し、理解を求めたとしている。

 中国がTHAAD配備に反発していることに対しては「THAAD配備は韓国の主権の問題だ」と言明し、中国による経済的報復措置の撤回を強く求めた。

http://www.sankei.com/world/news/170701/wor1707010022-n1.html
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講演する韓国の文在寅大統領=6月30日、ワシントン(AP)