バッテリーの発火事故で評判を落とした韓国・サムスンは、5月に起死回生を期した新型スマホGalaxy S8シリーズを発売した。シェアが急落した中国でも発売されているが、以前の栄光を取り戻すことはできるのだろうか。中国メディア・今日頭条は10日「サムスンは中国市場を諦めたがらないが、中国市場はサムスンを捨てつつある」とする記事を掲載した。 
  
 記事は、Galaxy Note7の発火問題によって評判が急速に落ち、世界的なリコールの実施を余儀なくされたサムスンが、中国市場に対してはリコールを実施しなかったと紹介。これにより、中国の消費者は激怒し、同社は中国において挽回不能なほど信頼度を失ったと指摘した。また、同社が社内改革とともに新たなフラッグシップ機であるS8の発売によって捲土重来を期し、世界的には好評を博しているとする一方、それとは対照的に中国市場では完全に壁にぶち当たったとしている。 
  
 そして、第三者調査機関counterpointによるデータで、今年1−3月の中国市場における同社スマホの出荷台数が前年同期比で60%落ち込み、シェアも1年前の8.6%から3.3%にまで急落、販売ランキングトップ5の座を奪われたことが明らかになったと紹介。5月のS8発表会では「中国市場を決して捨てない」と表明したものの、同シリーズの中国での売り上げは発売から1カ月あまりでわずか30万台と低迷しており、「サムスンは現在、中国市場から捨てられつつある状況だ」と評した。 
  
 記事は「今後サムスンが再び消費者から認められるかは分からないが、1点間違いなく言えるのは、消費者の感情を一たび傷つけた代価の影響は深刻になりうるということだ」と結んだ。 
  
 記事にある「中国市場に対してリコールしなかった」というのは、当初サムスンが「中国市場向けの製品は問題のバッテリーを使用していない」としてリコール対象に入れなかったことを示している。結局後日中国市場においても全てがリコールの対象になったが、一連の対応の拙さが中国人消費者の信頼を失う結果になったようである。THAADミサイル問題も解決しないなか、同社にとって中国の「失地挽回」はかなり厳しい状況と言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)


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2017-07-11 09:12