高麗ニンジンエキスなどで知られる韓国の中堅医薬メーカー、鐘根堂(チョングンダン)の李章漢(イジャンハン)会長(64)が14日、

運転手に暴言を吐いて傷つけたとして謝罪した。前日に元運転手が暴言を記録した音声ファイルを公開していた。韓国では社員らに暴言を吐く企業幹部の乱行がたびたび社会問題になっている。

 元運転手が公開した音声ファイルによれば、李会長は運転手に向かって「この野郎、頭が悪すぎる。親がちゃんと教えていないからだ」

「おまえの親が可哀想だ。おまえはこの場でクビだ」「俺はおまえに給料を払っているんだから、ちゃんとしろ」などと話した。

 韓国メディアによれば、李会長は暴言を吐きながら、助手席を蹴るなどした。1年間で運転手が5人辞めたという。

 李会長は14日に記者会見を開き、「物議を醸したことに謝罪申し上げる。傷を受けた方々を慰める最善の方法を見つけたい」と語ったが、記者団の質問は受け付けなかった。

 韓国のソーシャルメディアなどには「こんな人は辞めた方が良い」「金持ちはいつもこうだ」といった怒りの書き込みが相次いだ。

 韓国では2014年末に、大韓航空の趙顕娥(チョヒョナ)前副社長(当時)がナッツの出し方に激怒し、乗務員に暴言や暴行を働いたうえ、搭乗機を引き返させた。

15年末には中堅食品メーカーの名誉会長が運転手に暴行や暴言を働き、国民に対して謝罪する騒ぎに発展した。(ソウル=牧野愛博)

ソウル=牧野愛博

2017年7月15日1時10分 朝日新聞
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