ロンドン中心部の中国大使館前で14日、中国当局による拘束中に死去した民主活動家、劉暁波氏の追悼集会が開かれ、参加者は劉氏の写真を掲げながら大使館に向かって「中国に民主主義を」とシュプレヒコールを上げた。

 集会には中国人留学生の姿も。中国当局からの嫌がらせを恐れて変装して参加した中国南東部出身の20代の女性は、劉氏について「政府による弾圧に負けず人々のために声を上げた。本当に尊敬していた」と語った。

 中国では劉氏に関する情報が統制され、中国にいるこの女性の友人の中には劉氏のことを知らない人も多いといい、「政府はもう都合の悪い情報を隠すのをやめるべきだ。歴史を直視することが重要で、劉氏の死去を転換点にしなければならない」と語気を強めた。(ロンドン共同)

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【劉暁波氏死去】天安門元リーダーら「北京の期待と裏腹に影響力は消えない」

 天安門事件(1989年)の元リーダーら米国在住の中国民主活動家は14日、同事件を戦った劉暁波氏の死を悼むコメントをインターネットやSNSを通じ相次ぎ発表した。

 事件の精神的指導者とされた元中国社会科学院政治学研究所長、厳家其氏(74)は、「北京の期待と裏腹に劉暁波氏の死でその影響力が消えることはない。(劉氏らが起草した)08憲章は将来中国の津々浦々に浸透し、すべての人々の共通認識となって中国を変える巨大な力になるだろう」と指摘した。

 当時、北京大学のリーダーだった王丹氏(48)は、自身のツイッターで「劉氏が足跡を残したニューヨークに彼の塑像か衣冠塚(遺骨のない代替墓)を設け、08憲章を納めたい。7月13日の命日に献花する場所ができる」と述べた。

 王丹氏は事件後2度の投獄を経験。2度目は劉氏と同じ錦州監獄(遼寧省)に投獄されたが、江沢民政権下の98年に「人道的配慮」として病気治療の名目で仮釈放され、米国への出国を許可された。

 在米活動家らのグループは、15日にニューヨーク市内で劉氏の追悼集会を計画している。 (山本秀也)

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14日、ロンドンの中国大使館前で劉暁波氏らの写真を掲げる集会の参加者(共同)
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2005年、インタビューに答える劉暁波氏(共同)