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2017/07/19(水) 20:55:47.94ID:CAP_USER会議を主催したのは党中央総書記であり国家主席、また党中央軍事委員会主席である習近平だ。
軍民融合−−。
そう聞いてすぐに連想するのは、米国の軍産複合体である。そのココロは、「もし軍事技術を進化させようとすれば産業の底上げが不可欠」とでもなるのだろうか。
だが、いうまでもなく軍事技術を支える産業なら中国には不足していない。身近な例では、北方工業公司や保利集団公司などの商社の関連の名前はよく聞かれる。
メーカーであれば第三工業部系列や第七工業部系列の中国航天科技集団公司、中国航天科工集団公司など。空母建設でも名を馳せた中国船舶重工業集団公司も有名だ。
これらの企業は「一部軍と関わりのある企業」程度を飛び越えて、軍のために存在する企業だ。
では、何のためにいまさら「軍民融合」なのか。
そもそも軍民が融合する必要性は、「軍の近代化推進のためには社会経済発展のなかで人材や科学技術との融合が必要」といった考え方に根ざしている。要するに経済発展によるライフスタイルの変化と軍事技術がもはや不可分の関係にあるということが前提なのだ。
具体的にはドローンの進化がそのまま軍事技術の進化と重なり、サイバー攻撃を行う人材は民間のハッカーから集めなければならないのが実情であり、またAIに絡んではビッグデータの応用が当然のことながら軍事にも大いに役に立つということだ。
逆に宇宙開発など民政に利用できる技術は民間におろし、ビジネスとして利益に結びつけた後にそれを研究費用に還元するといった必要もある。
そうした民間と軍との線引きを政治的に判断し見極めるというのが、融合委員会の役割だ。
驚くべきは、この組織に対する中国共産党の熱の入れようだ。
すでに今年1月の政治局会議で習近平国家主席自身が主任に就くことは決まっているが、今回の第1回会議にともない、脇を固める人事も明らかにされている。
それによれば副主任には李克強首相に続いて劉雲山、そして張高麗という3人の政治局常務委員(常委)が選ばれたのである。
こうした組織では一般に、一人の常委または政治局委員がトップに就けば十分である。その例外性は公安組織を統括する政法委員会の書記が政治局委員止まりなのをみても明らかだ。つまり、いかに融合委員会に習氏が力を注いでいるかが人事から見て取れるのだ。
そんな重要な組織のナンバーツーに習氏との確執が噂される李克強氏をもってきている点も注目しなければならないのだが、その一方でやはり退役軍人の再就職問題に対する党の気配りを示す意味もあるとの指摘もある。ちょっと目の離せない組織である。
■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170719/soc1707190004-n1.html
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確執が噂される習近平国家主席(左)と李克強首相(ロイター)