ソウル北方の議政府(ウィジョンブ)市にある在韓米軍の対北最前線部隊である第2歩兵師団司令部を先日、日本の民間視察団とともに訪ねた。この師団は第一次大戦中の1917年に創設され今年で100年とか。

 第二次大戦では対独ノルマンディー上陸作戦に加わり、戦後は朝鮮戦争(50〜53年)で韓国に派兵された後、65年からは在韓米軍の主力として駐屯している。

 100年史の半分以上を韓国防衛のため“献身”してきたことになる。地元の市当局が先頃、100年記念で感謝のイベントを計画したところ、出演予定の韓国人タレントが反米団体に脅迫され出演中止となった。

 左翼・革新政権の誕生で親北・反米勢力の意気が上がっているのだ。

 在韓米軍司令部はソウル南方の平沢(ピョンテク)への移転が始まっていて、第2歩兵師団もやがて平沢に移る。案内の米軍将校に「前線の守りは大丈夫か?」と聞くと「戦闘部隊は前線に残るから心配するな」とのことだった。

 日本の自衛隊との協力経験がある彼は「自衛隊は極めてプロフェッショナル!」と絶賛していたが、第2歩兵師団は2年前から「米韓連合師団」になっている。

 同じく案内の韓国軍将校たちは日米韓の軍事協力の必要性をしきりに強調しながらも「われわれ制服組はともかく政治がねえ…」と残念がっていた。(黒田勝弘)

http://www.sankei.com/column/news/170722/clm1707220005-n1.html