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2017/07/30(日) 19:38:56.60ID:CAP_USER北朝鮮は国民向けにこの問題を報じる一方でAP通信に現場を公開し、担当者が「処理には100年以上かかる」などと発言した。戦争が残した負の遺産もまた、反米プロパガンダに使われている。
不発弾処理チーム
APが「度重なる申し込み」の結果、取材を認められたのは日本海沿いの東北部、咸鏡南道にある同国第二の都市、咸興の不発弾処理現場。チョン・イルヒョン少佐(44)は10年にわたってこの職務を担当し、この間に5人の同僚を爆発で失ったという。本人も左の頬に処理の不手際によるという傷がある。
チョン氏は「専門家はすべての不発弾処理に100年かかると言うが、もっとかかると思う」と話した。
北朝鮮の9行政区にはそれぞれ不発弾処理チームがあり、咸鏡南道だけでも昨年は2900発を処理した。昨年10月には、小学校の近くで370発以上の迫撃弾が発見されたという。近年は事故は少ないが、今年5月、不発弾を見つけた11歳の少年が触って遊んでいる間に爆発し、複数の指を失ったという。
核開発を正当化
APによると、朝鮮戦争の3年間に、米軍などの攻撃で朝鮮半島に落とされた爆弾は63万5000トンにのぼるとされる。多くは今日の北朝鮮領内に投下され、第二次大戦中の日本への投下量に匹敵するという。
主要22都市の多くは灰燼(かいじん)に帰し、人口の12〜15%が戦争の犠牲になった。歴史上では恐らくカンボジアに次ぐ規模の爆撃だったという。
米コロンビア大の歴史家、チャールズ・アームストロング氏は、一帯を焦土化する集中爆撃は朝鮮戦争で拡大し、後のベトナム戦争でより激しくなったと指摘。「北朝鮮の政府やメディアは米軍の爆撃を戦争犯罪だと糾弾し、将来の攻撃に備えるためだとして、国民を動員したり核兵器を開発したりすることを正当化している」と述べた。
「世界に知ってほしい」
咸鏡南道の不発弾処理チームは9人で、通報への対応や、建設現場の事前調査、子供への教育なども担う。今年5月に灌漑(かんがい)水路で発見された不発弾は爆発させる際に3メートルの穴があいたという。担当者は「住民を退避させ、その場で爆発させた」と話す。
チョン氏は、不発弾が錆(さ)びるなどして傷むと、少し動かしただけで爆発することもあるためより危険になると指摘。「私の娘の世代も同じ問題に悩まされ続けるだろう。世界にこの現状を知ってほしい」と述べた。
これを報じたのはAP通信の平壌支局長で、チョン氏へのインタビューや現地取材は度重なる要求の結果認められたとしている。一方で北朝鮮の国営メディアは、休戦記念日に向けた1カ月にわたる反米キャンペーンの一環として不発弾の問題を報じているという。
http://www.sankei.com/west/news/170730/wst1707300004-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/170730/wst1707300004-n2.html
http://www.sankei.com/images/news/170730/wst1707300004-p1.jpg
朝鮮戦争の不発弾処理についてAP通信記者に話す北朝鮮のチョン・イルヒョン少佐。「100年以上かかると言う」などと話した=7月21日(AP)
http://www.sankei.com/images/news/170730/wst1707300004-p2.jpg
北朝鮮の東北部、咸興郊外で錆びた不発弾が見つかり掘り返されている建設現場=7月21日(AP)
http://www.sankei.com/images/news/170730/wst1707300004-p3.jpg
朝鮮戦争中、いまの北朝鮮領内に爆弾を投下する米軍の爆撃機=1953年3月(AP)