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2017/07/30(日) 22:48:15.21ID:CAP_USERところが、ドイツで6日、日米韓首脳会談後に発表された共同声明では「大陸間に及ぶ射程を有する弾道ミサイル」という玉虫色の表現にとどまった。北朝鮮との対話を目指していた文在寅政権側が大気圏再突入技術が未確認であることなどを理由にICBMの認定に難色を示したためだ。
ICBM発射でレッドライン(越えてはならない一線)を越えたとの強固な警告を日米韓が足並みをそろえて発するタイミングをむざむざ逸したのだ。これが金正恩朝鮮労働党委員長の増長を招いた可能性がある。
28日の2度目の発射後も金委員長は「米国に核戦力でたっぷり道義を教えてやろう」とトランプ政権を侮る強気の言葉を放った。
核開発についても日米韓は、北朝鮮が何度核実験を強行しても「核保有国」との主張を認めなかった。ICBMという“レッドライン”に関しても表現にこだわり、現実から目をそらす愚を犯したことになる。
時期逸した制裁
国際社会が制裁を強める中でも金正恩政権が相次ぎミサイルを発射する背景には、比較的堅調な経済がある。韓国銀行の推計では、北朝鮮の2016年の経済成長率は前年比で韓国を超え、3・9%を記録した。
特に電気ガス水道分野では22・3%成長。消息筋によると、停電が当たり前だった平壌の電力供給が大幅に改善され、レストランの数が増えるなど、消費文化も拡大しているという。
干魃に見舞われた15年の反動も指摘されるが、専門家は、企業の独立採算制を一部認めるなどした金委員長の経済政策が一定の効果を収めているとの分析を示す。
地方では今年も干魃の影響も指摘されるが、少なくとも金委員長が日頃、目にする首都では、経済は好調に映り、金委員長が掲げる核・ミサイル開発と経済建設の並進路線に正当性を与える結果となっている。
核・ミサイル開発に必要な資材は制裁強化前に優先的に確保してきたともいわれる。今、泥縄式に制裁を強めたとしても、中国が原油供給の遮断などに踏み切らない限り、効果は限定的といわざるを得ない。
ロシア製と酷似
金委員長はどこまでミサイル開発を進めるのか。韓国の軍事筋は、火星14がロシアのICBM「MR UR−100」と似ている点に注目している。火星14と同じ2段式の液体燃料ミサイルで、射程は1万キロ超。弾頭部に複数の弾頭を搭載できるのが特徴だ。
軍事筋は「北朝鮮も最終的に多弾頭型開発を目指すのではないか」と指摘する。
米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」も、北朝鮮のICBMについて30年には複数の弾頭を搭載できるようになると予測する。ただ、核弾頭ではない「おとり弾頭」を複数搭載する技術なら5年以内にも獲得する可能性があるともみる。
一発のICBMで複数のおとり弾頭を落下させれば、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」でも迎撃が困難とされる。未知の脅威が現実味を帯び始めている。(ソウル 桜井紀雄)
http://www.sankei.com/world/news/170730/wor1707300036-n1.html
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北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(ロイター)