昨今、海外旅行に多くの中国人が出掛けるようになった。渡航先として人気なのは、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど様々だが、日本や韓国、タイなどは地理的な距離が近いゆえに人気がある。

 だが、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備をめぐって政治的な関係が悪化してから、韓国へ渡航する中国人が「激減」しているようだ。
 
 中国メディアの今日頭条は27日、「韓国へ渡航する中国人が激減」していることを伝え、2017年もすでに半年以上が経過したが、韓国を訪れる中国人旅行客の数は減少する一方で、増加に転じる兆しが見えないことを伝えている。
 
 2016年に韓国を訪れた中国人は806万7700人に達し、韓国を訪れた外国人旅行客の約半数を占めた。つまり、韓国はインバウンド市場を中国に依存していたことを意味するが、それだけに中国人旅行客の減少は痛手以外の何物でもない。
 
 報道によれば、中韓関係がこじれたことで、17年3月から韓国を訪れる中国人の数が激減した。3月は前年同月比40.04%減、4月は66.61%減、5月は64.11%減、そして6月は66.39%減となった。

 17年1?2月はプラスだったが、3月からの大幅な減少によって17年上半期に韓国を訪れた外国人客全体も前年比16.7%減となってしまった。
 
 記事は、「中国旅行客の減少とともに、航空会社も中国と韓国を結ぶ便の運航を見合わせる動きが生じている」ことを紹介している。

 今後の見通しとしては、「両国の関係が改善すれば、両国の交流も徐々に回復してくる」としているが、THAAD配備が根本的な理由である以上、韓国は米国と中国の間で難しいかじ取りを迫られることになるだろう。
 
 韓国で今起きていることは対岸の火事ではない。今後、日本と中国の関係がこじれるようなことが生じれば、日本にやってくる中国人が激減することになるだろう。

 もしそうなれば日本の観光業界も大きなダメージを受けることになることは容易に想像ができ、中国人旅行客への過度な依存はリスクでもあると言えるだろう。(編集担当:村山健二)

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