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2017/08/04(金) 07:55:14.48ID:CAP_USER韓国銀行（中央銀行）は７月２１日、北朝鮮の昨年の経済成長率が１７年ぶりの高水準になったと発表した。韓国銀行によると、２０１６年の北朝鮮の国内総生産（ＧＤＰ）は前年比３・９％増で、鉱業やエネルギー部門の成長に加えて中国への輸出が成長を牽引（けんいん）した。
正直言えば、社会主義国の経済状況を把握するのは難しい。統計自体を改竄（かいざん）することがしばしばあるからだ。
中国もその例外ではなく、本コラムでも国内総生産（ＧＤＰ）統計が直ちに公表されること、その変動が異常なくらい少ないことなどの問題点を挙げてきた。北朝鮮では、そもそも統計自体の公表が少ないので、ますます分かりにくくなっている。
中国の経済状況を見るときに、貿易統計は相手がいるので比較的参考になるが、それは北朝鮮経済でも同じである。北朝鮮の場合、輸出と輸入の６割以上は対中国である。
となると、対中貿易をみれば北朝鮮の経済事情がある程度分かる。もし、北朝鮮の対中輸入が増えていれば、北朝鮮国内の経済が良いために、輸入額を増やしているのだろう。もし、北朝鮮の対中輸出が増えていれば、それは北朝鮮の経済には好影響のはずだ。
１６年３月、国連の安保理決議が採択され、中国は北朝鮮から石炭、鉄鉱石などの輸入を禁止している。ただし、石炭、鉄鉱石などは、民生目的の輸入などは禁止対象から除外されている。
１６年の中国の北朝鮮からの輸入状況をみると、石炭と鉄鉱石の輸入は制裁にもかかわらず前年比でむしろ増加した。北朝鮮は、石炭と鉄鉱石の価格下落分を数量の増加で補い、外貨収入の減少を食い止めたようだ。
１６年の中国の北朝鮮からの輸入全体についても、６％以上の増加となっている。
一方、中国の北朝鮮への輸出についてみれば、全体として８％以上の増加である。
以上のとおり、北朝鮮の輸出と輸入は増加しており、それは北朝鮮経済の成長を示しているといっていいだろう。もっとも、中国の貿易統計数字も、対北朝鮮に限ってはあまりあてにならないことを付け加えておこう。しばしば、統計内容の変更があり、数字を検証するのがなかなか困難だからだ。
いずれにしても、大ざっぱな分析ではあるが、度重なる国連の経済制裁決議にもかかわらず、北朝鮮経済が好調であるのは事実のようだ。制裁が北朝鮮の経済を弱らせるほどの成果を上げておらず、トランプ米大統領が中国に失望するのもやむを得ない。
北朝鮮への制裁措置については、あまりに例外項目が多く、実効性が上がっていない。例外を除いた総量管理が必要な段階になっている。もはや国際社会から中国へ圧力が必要である。（元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一）
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170804/soc1708040006-n1.html
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170804/soc1708040006-n2.html
