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 「一帯一路建設では、政治と経済の両面のリスクを注意しなければならない」

 一帯一路の動向をウオッチする陝西省の新聞社幹部が指摘する。中国は沿線国のインフラ建設支援で影響力拡大を狙うが、当然、支援は無償ではない。プロジェクトには収益率が低いものも見込まれる上、一帯一路沿線には支払い能力が疑われるような経済・政情不安定国もある。

 返済が滞ると何が起きるか。亜細亜大学の遊川和郎教授は「返済できない場合に中国側が相手国に交換条件を持ち掛け、それにより『新植民地』のように扱われる問題が起きる可能性もある」と将来を懸念する。



【用語解説】一帯一路
習近平国家主席が2013年に提唱。中国から欧州まで中央アジアや東南アジア、アラビア半島などを陸路や海路で結び、中国主導で経済圏の構築を図る構想。沿線諸国で鉄道や道路、港湾などのインフラ建設を支援し、中国の影響力を高める狙いがある。
沿線国は中央・東南アジアや北アフリカ、東欧などの60超とされるが、中国政府は一帯一路のルートを明確に示していない。

(おわり)