韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日、北朝鮮がどのような行動を取ったら取り返しのつかない状況になるのかという、いわゆる「レッドライン」(禁止線)について「大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成させ、それに核弾頭を搭載して武器化するに至ったとき」と語った。

文大統領はこの日、大統領府(青瓦台)で開かれた就任100日記念の記者会見で「北朝鮮はいよいよ、そのレッドラインの臨界値に近づきつつある」として、このように語った。国際関係において敵性国が「レッドライン」を越えたと判断された場合、外交的手段に代わって武力や軍事的方法を動員することになる。

韓国政府の関係者は「歴代政権を見渡しても、大統領が『レッドライン』を規定したのは今回が初めて。北朝鮮による核兵器開発問題の厳しさを反映している」と語った。

文大統領は「現段階では、北朝鮮によるさらなる挑発を防がなければならない。もし北朝鮮が再び挑発したら、北朝鮮はより強硬な制裁措置に直面し、耐えることはできないだろう」と語った。

しかし、文大統領のこうした「レッドライン」の基準に対しては「ならば、韓国を狙った核ミサイルの完成はレッドラインではないということか」という反論も出た。ICBM級のミサイルの核兵器化だけを「レッドライン」として提示したにすぎず、当の韓国が核兵器の射程に入って脅威を受けることになる中距離・短距離ミサイルの核兵器化には言及がなかったからだ。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に大統領府の国防補佐官を務めた金熙相(キム・ヒサン)韓国安保問題研究所理事長は「ICBM級の核兵器は、米国大統領の基準で見ると『レッドライン』。韓国が核攻撃の射程に入る『レッドライン』はスカッドやノドン・ミサイルの核兵器化であって、既にラインを越えて久しい」と語った。

文大統領はこの日「北朝鮮の核・ミサイル問題における最も中心的な当事者、最も大きな利害関係者はまさにわれわれ韓国」と語ったが、北朝鮮が核で韓国を脅す場合について言及はなかった。

文大統領はこの日も、8月15日の演説と同じく、平和的解決や「戦争はいけない」というメッセージを強調した。文大統領は「韓半島(朝鮮半島)で二度と戦争はない。米国のトランプ大統領も、北朝鮮に対していかなるオプションを使用するにせよ『その全てのオプションについて韓国と十分に協議し、同意を得たい』と約束したことがある」と語った。

また、対北朝鮮関係については「対話は必要だが、対話そのものが目的ではない」として、対北朝鮮特使も条件が整って初めて送ることができる、と語った。

このほかにも、文大統領は増税について「韓国国民の公論が集約されれば検討できるだろうが、現時点では政府が発表した増税案だけで十分に財源を賄うことが可能」と語った。不動産保有税の引き上げについては「今の段階では検討していない」と語った。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/18/2017081800946.html
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【社説】レッドラインを越えた北に「越えるな」と警告した文大統領

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は17日、就任100日の記者会見で、北朝鮮の核とミサイルの「レッドライン」(禁止線)について「大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成させ、それに核弾頭を搭載して兵器化するに至ったとき」と語った。

さらに「(レッドラインを越えていない)現段階では、北朝鮮によるさらなる挑発を防がなければならない。もし北朝鮮が再び挑発したら、より強硬な制裁措置に直面することになり、北朝鮮は耐えられないだろう」と語った。

「レッドライン」とは通常、北朝鮮の核やミサイルに対し、外交的手段を控えて非外交的手段を選ぶようになる転換点のことを指す。米国の立場からすると、レッドラインは文大統領が語った内容そのままという可能性が高い。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/18/2017081800951.html

>>2以降に続く)