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2017/08/21(月) 08:48:37.51ID:CAP_USERこれまでプロチームは札束を武器にした“爆買い”で海外の一流選手を集めることで、国内リーグのレベルアップを図ると同時に投資も呼び込み、中国サッカー界全体の底上げを図ってきた。
それだけに関係者からは「政府による規制強化は、中国サッカーにとってのオウンゴールだ」との不満の声が噴出している。
◆国内若手保護が名目
習近平国家主席が2015年に“国策”としてのサッカー振興を提唱して以来、中国は世界的サッカー大国となることを目標に強化を推進してきた。
中国プロサッカーの1部リーグ、中国スーパーリーグ(CSL)が、16年に外国人選手に支払った金額は4億5000万ドル(約491億3200万円)を超えた。
同年12月には、CSLの上海申花が元アルゼンチン代表FWカルロス・テベス、上海上港がブラジル代表MFオスカルといった世界有数の高額プレーヤーの獲得を相次いで発表した。
だがここにきて、中国政府は国内若手選手の保護名目でプロリーグの規制強化に乗り出した。中国のスポーツ行政を総括する国家体育総局は今年1月、法外な高額契約を規制するとの声明を発表した。
これを受け、中国サッカー協会(CFA)は外国人選手などに関する高額支出に対する「ぜいたく税」の導入に乗り出した。
選手獲得の資金に上限を設け、規定以上の金額を支払ったクラブチームは、同等の金額を国内の若手選手育成のための基金に払い込むことが要求される。
また、CFAは外国人枠も変更した。中国1部リーグの外国人枠はこれまで「4人+アジア人枠1人」の計5人だったが規制変更により今シーズンからは「3人」までとなった。
さらにCFAは中国人の23歳以下(U23)の選手に関する新規制を発表。来シーズンから導入される予定の新ルールには、スターティングメンバーにU23選手を少なくとも1人入れるほか、起用する外国人選手とU23選手を同数にするなどの要件が盛り込まれている。
◆盛り上がりに冷や水
中国サッカー界は政府の後ろ盾を失うどころか、冷や水を浴びせかけられた格好だ。度重なる規制変更によりクラブチームは戦略が立てづらくなるほか、スター選手が減少することでリーグの魅力が低下、盛り上がりを見せていたサッカー投資ブームが下火になる恐れもある。
上海上港のテクニカルディレクター、マッズ・ダビッドセン氏は「新規則は中国サッカーのレベルを下げる政府のオウンゴールだ。国内の若手選手から世界最高のプレーヤーと競い合う機会を奪ってしまう」と苦言を呈した。
政府の介入による悪影響を懸念しているのは、チーム関係者だけではない。政府系投資ファンド傘下のチャイナスポーツメディア(CSM)は、CSLの16年から20年までの5年間の放映権を約12億ドルで獲得した。
だがCSMの李会長は、同契約についてサッカー協会との再交渉を望んでいる。CSLが投資対象としての魅力を失いつつあるとの考えからだ。「まったくの期待外れだ」と同会長は発言している。
中国がサッカーワールドカップ本大会に出場したのは02年の1度だけだ。結果は3戦全敗で無得点に終わった。国際サッカー連盟(FIFA)の最新世界ランキングでの中国代表チームの順位は77位にとどまる。(ブルームバーグ Tariq Panja、Jing Yang De Morel)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170821/mcb1708210500006-n1.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170821/mcb1708210500006-n2.htm