>>1の続き)

これに応えて中央軍委副主席で制服組のトップの範長龍陸軍大将が「全軍は必ずトップ指導者の負託に応え、統帥者(習近平)の号令に服従します」と宣誓しており、習主席が軍権をほぼ完全掌握したこと象徴していた。

また90周年祝賀会は翌31日に人民大会堂を舞台に李克強総理主催で開催され、習主席をはじめ政治局常委全員の外に3000人もの国内外の賓客が出席した。

習主席は観閲式に続いて2度目の重要講話をし、「戦争に勝てる準備」と「反分裂」を強調し、秋の党大会を前に国内不安の一端を覗(のぞ)かせていた。

これまで解放軍の服装は北朝鮮軍の金ぴか軍服と競うほどの華麗さを増していたが、かねて習主席は軍の官僚主義、形式主義、華美主義などを戒めてきた。

現に習主席は迷彩式の野戦服姿で閲兵しており、今次の異色の「戦場閲兵」は、戦える軍隊を誇示するものであったとみてよかろう。

しかし習軍事改革の党軍化は進んだとしても、もう一つの統合作戦を展開するまでには表面的な軍事改革だけでなく、軍の統合マインドも含めたさらなる精強軍化への錬成が必要であることは言うまでもない。

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拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

(おわり)