弁護士は1日に20件の相談に応じるが、ロボットは1万件をこなすことができる。弁護士は10字ほどで回答するが、ロボットは1000字で回答できる。弁護士は空いた時間に相談に応じるが、ロボットは1分で対応できる。

8月20日、雲南省昆明市司法局と律品匯科技(北京)有限公司が共同開発した「法律ロボット」、昆明市公共法律サービスインテリジェンスプラットフォームが発表された。

このシステムは4月に昆明市に試験導入されてから、1万人以上に全面的な法律サービスを提供している。統計によると、法律相談サイトで「法律ロボット」が回答する質問の件数、質、評価は本物の弁護士を上回っている。多くの法律相談サイトで、1位の弁護士はロボットである。

24時間休まず対応し、完全無料で真面目な法律界の「AlphaGo」は、法律業界を覆し、本物の弁護士の代わりになるのだろうか。

ベテラン弁護士が「法律ロボット」を開発

このロボットを開発した武侠氏は、20年の経験を持つ弁護士である。

「長年の弁護士業務で、訴訟を起こす人が増えていると感じた。中国の弁護士の数は限られているが、一般人による法律サービスのニーズは増えている。弁護士費用が高く、多くの人が弁護士に依頼できない状況である」と武侠氏は話す。

統計したところ、多くの人が高額の弁護士費用を支払えず、訴訟の80%が弁護士に依頼していないという。

それだけでなく、都市部と農村部の格差により、法律サービスの資源は大都市に集中し、中小都市、特に農村部は法律サービスの能力が低く、庶民は質の高いサービスを受けられない。

これを受け、武侠氏は3年前にスマート法律相談システムの開発チームを結成した。

今年4月、法律相談、法律支援、仲裁、公証などの行政サービスを一体としたシステムが昆明市に試験導入され、これまでに53万人が利用した。電話調査によると、利用者の80%以上が報告の専門度と実用性に満足し、91%以上が「助かった」と回答している。

インターネットさえ繋がれば、都市部・農村部、お金があるかないかにかかわらず、パソコンか携帯電話でこの公共法律サービスを無料で利用できるという。

「法律ロボット」はどのように業務を行うか

「法律ロボット」のプログラムを知るため、中国青年報・中青在線の記者は携帯電話を使って体験してみた。ロボットが提供する法律相談サービスは離婚、金銭の貸し借り、労働、交通事故、労災、相続である。記者は労働の問題について相談した。

ロボットは「男性か女性か」、「誰ともめているか」、「以下のどのような問題について相談したいか」などを質問し、1つずつ答えていく。数分後、記者は法律意見書を受け取った。

この法律意見書には裁判所の判断、当事者が支持される確率、権利維持、行動のアドバイス、使用できる起訴状や証拠書類、関連の法律、司法解説、部門の規則などが細かく記されている。

また、ロボットは参考にできる類似のケースも提供した。いくつかのケースを閲覧すれば裁判所がどのように判決するかが大体わかり、ロボットが分析した裁判所の判決結果をもとに訴訟を起こすかどうかを決める。

武侠氏によると、このシステムは「人工知能に基づく法律ロジックデータ処理システム」という名称で、法律法規バンク、裁判所ケースバンク、全国の経験豊富な弁護士、裁判官の知識と経験などの情報が入っている。ロボットが記者に出した法律意見書は、数千件の判決ケースをもとに算出したものである。

面白いことに、ロボットには経験蓄積機能があり、処理レベルが次第に上がり、もっと賢くなるという。

武侠氏によると、最初は若手弁護士のレベルだったが、3カ月後にベテラン弁護士にレベルアップした。多くの弁護士がロボットの法律意見書を高く評価している。

法律相談をロボットに任せたら、弁護士は何をするのか

http://japanese.china.org.cn/life/2017-08/22/content_50002638.htm

>>2以降に続く)