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2017/08/23(水) 10:31:19.11ID:CAP_USERそしてとうとうその日がやって来た。ヒューム氏は、8月23日にネットオークションで南アフリカの住民向けに264本のサイの角を販売する予定だ。
南アフリカでは2009年から国内でのサイの角の売買が禁止されていたが、2015年にヒューム氏ともう一人の牧場主が禁止撤回を求める訴えを起こした。その結果、今年4月の判決で、国内取引再開の道が開かれた。ただし、1977年に定められた国際取引の禁止は現在も継続中である。
南アフリカ環境省は、サイの角を売買しようとする者に許可の申請を義務づけている。ヒューム氏は8月20日に土壇場でこの許可を得る判決を勝ち取ったと、この日法廷の傍聴席にいた南アフリカのジャーナリストがTwitterに投稿した。
3日間にわたって行われるこのネットオークションの目的は「サイの飼育と保護を推し進めるために必要な資金の調達」であると、オークションが行われるサイトには記載されている。オークションを取り仕切るのは、南アフリカの事実上の首都プレトリアを拠点とするヴァンズ・オークショニアズだ。
南アフリカには現在世界に2万9500頭しかいないシロサイの約7割が生息しているが、密猟の脅威にさらされている。この国で密猟者によって殺されたサイは、2007年には13頭に過ぎなかったが、昨年は1050頭以上に激増した。角の需要を背景に売買され、そのほとんどが中国とベトナムに密輸出される。
これらの国では彫刻を施して装飾品や美術品にされるほか、民間薬の材料としても売られている（ただし、サイの角の成分であるケラチンは、人間の毛髪や爪を形成するたんぱく質と変わりなく、薬効を示す証拠はほとんどない）。
オークションのウェブサイトによれば、ヒューム氏はサイの飼育のために、餌代や治療費のほかに年間17万ドルものセキュリティ費用をかけているという。支出の一部は、角を切り落とすために使われる。
南アフリカでの角の売買については賛否両論が渦巻いており、大多数の自然保護団体がこれに反対している。反対派は、南アフリカ国内にサイの角の需要はほとんどないことを強調し、国内で売られた角は国外で不正に取引されるのではないかと懸念する。
「国内でオークションを行うことに、どのような意味があるのでしょうか。世界に向けて、取引ができるぞという合図を送るだけです」と、南アフリカ国際問題研究所の上級研究員で経済学者のロス・ハーヴェイ氏は言う。
「南アフリカの国内需要はないに等しいとすれば、オークションでの購入者はその角を誰に売るつもりなのか、考えずにはいられません」
反対派が特にヒューム氏のオークションを問題視するのは、英語のホームページ以外にベトナム語と中国語のページが用意されているからだ。
「ヒューム氏が国外市場を意識しているのは明らかであり、彼が角を売る動機に疑問を感じます」と、NGO団体、国際動物福祉基金（IFAW）南アフリカ地域事務局長のジョゼフ・オコリ氏は同団体のウェブサイトで述べている。
反対意見は強く、先週にはオークションのウェブサイトがハッカーにより削除される事態まで発生した。ハッキングされたサイトには、「このサイトは動物に対する当たり前の思いやりを甚だしく欠いているため、当然の報いを受けた」との声明が表示された（その後修復された）。
National Frog Agency/Central Frog Servicesと名乗るグループ（Twitterのハンドルネームは@NFAGov）が、このサイバー攻撃の犯行声明を出している。
一方ヒューム氏は、オークションのウェブサイトで、サイの角の合法的な取引は違法取引に対抗することとなり、南アフリカの闇市場では1ポンド（約450グラム）あたり3000ドルにもなるという取引価格を引き下げることができると反論する。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/082200106/
（>>2以降に続く）
