「政府が福祉支出財源を調達するために『スーパー予算』を編成すれば国家債務増加は不可避になります」。

22日の国会予算決算特別委員会でキム・ジョンソク自由韓国党議員が声を高めた。最低賃金引き上げ、児童手当て新設、基礎年金増額、健康保険保障性強化など「文在寅印の福祉政策」を履行するには国家債務が増えるほかないという指摘とともにだった。

無所属のソ・ヨンギョ議員も「年間予算が400兆ウォン台なのに昨年の国家債務に対する利子が20兆ウォンだった。政府に対策はあるのか」と問い質した。

委員会に出席した金東ヨン(キム・ドンヨン)副首相兼企画財政部長官は「今年末の国家債務は700兆ウォンを超えず、来年の赤字国債発行は20兆ウォン台中盤程度になるだろう」と話した。

金副首相は「財政当局が財政健全性維持のためにウォッチドッグ(監視者)の役割をする」と強調した。だが委員の懸念はなかなか解消されなかった。

韓国政府が昨年9月に国会に提出した「2016〜2020年国家財政運用計画」によると、今年の国家債務は682兆7000億ウォンと予想される。

昨年の債務額627兆1000億ウォンに比べ50兆ウォン以上増えた金額だ。来年の予想値は722兆5000億ウォンで700兆ウォンを初めて超えると予想される。

これも財政支出増加率を3%台として算定した結果であり、実際にはさらに増える可能性が高い。文在寅大統領が年7%という財政支出増加率をガイドラインで提示したためだ。

積極的財政政策を展開する過程である程度の債務増加は容認できるというのが一部経済政策担当者の考えだ。その本質には韓国の国家債務水準が先進国より良好なためという認識がある。正しい話だろうか。

結論から言えば正しい部分もあり、肯定しにくい部分もある。国家債務の適正性を見る時に主に使われる指標が国内総生産(GDP)比の国家債務の比率だ。2016年基準で韓国の国家債務(D1)比率は38.3%だ。D1は中央政府と地方政府の債務を加えた数値だ。

国同士の比較に使われる「一般政府負債」(D2)の基準を適用すれば2015年現在で43.2%だ。OECD平均である112.2%と比較すると非常に低い。

日本は228%、米国は126%、フランスは108%に達する。国家債務が少し増えても財政健全性を大きく損ねないだろうという主張が出てくる背景だ。

だが反論も少なくない。まず正しい韓国の国家債務はD2に175の公企業の負債を加えた「広義の国家負債」(D3)で考えなければならないという主張がある。韓国電力や土地住宅公社などの公企業は事実上政府政策代行機関の性格を持っているからだ。

D3基準を適用すれば2015年基準の債務額は1003兆5000億ウォン、国家債務比率は64%に大きく上昇する。

現在は大丈夫だがこれからは国家債務が急速に増えることになるとの主張もある。低成長・高齢化時代に入り込み福祉支出需要が大きくなるためだ。韓国よりこれに先立ちその道を歩んだ国と比較してみると可能性は十分だ。

現在天文学的な国家債務比率を記録している国々も高成長時代にはそうではなかった。

国会予算政策処によると1人当たり国民所得2万7000ドル到達時点の国家債務比率は韓国が35.9%(2014年)、ドイツが45.5%(1994年)、英国が52.3%(1998年)、日本が61.6%(1991年)などで、現在より格差ははるかに少ない。

全人口のうち65歳以上の高齢者人口が占める割合が14%に到達した時点を基準とすれば、韓国は40.9%(2018年予想)だが、フランスは32.6%(1979年)、ドイツは36.8%(1991年)とむしろ低い。

15〜64歳の生産可能人口の割合がピークとなった時期を基準としても、韓国は38.3%(2016年)でドイツの36.8%(1991年)、フランスの40.7%(1986年)などと同水準だ。

国会予算政策処は「所得水準と人口構造などの違いを考慮すると韓国の現在の国家債務比率は低いとは言いがたい」と話した。

http://japanese.joins.com/article/601/232601.html

>>2以降に続く)