タイの首都・バンコクにある、北朝鮮レストラン。中で行われていたのは、北朝鮮の女性従業員たちによる、流ちょうな歌と、笑顔あふれるダンス。

日本のアイドルグループ、AKB48の大ヒットソングが披露されていた。北朝鮮が、敵国とみなす日本の曲を、いったいなぜ。

ミサイル発射をめぐって高まる緊張を、一見、感じないこの店にも、「北」の狙いがうかがえる。

ステージの脇に目をやると、「Gift 500B」と書かれた花かごがあった。1つ500バーツ、日本円にして、およそ1,600円の花を購入すれば、女性従業員へのチップ代わりになる。

つまり、購入させれば、それだけ北朝鮮への外貨収入が増える仕組みとみられる。

この日は、日本人、韓国人、地元のタイ人など、あわせて25人ほどの客が来店していた。

女性従業員は、皆、20代。この店で4年間働いて、北朝鮮に帰るという。女性従業員は、「(ミサイルのこと知ってる?)ミサイル、知ってます」と、顔色一つ変えずに答えた。

国連安保理の制裁強化を機に、東南アジアとの連携を強める、北朝鮮。こうした店が、北朝鮮が核やミサイルを開発する費用を稼ぐための、「抜け穴」の1つとなっている。

一方、当の北朝鮮では22日、朝鮮中央テレビが「『正しい選択をせよ』との、われわれの警告を無視して、危険な軍事挑発を仕掛けてきた以上、無慈悲な報復と懲罰を免れることはできないだろう」と、朝鮮人民軍板門店(パンムンジョム)代表部の談話を発表。

2日目に入った米韓合同軍事演習について、「無慈悲な報復」を示唆した。

さらに、演習にあわせて、ハリス太平洋軍司令官ら、米軍幹部3人が韓国入りしたことにも反発し、「アメリカよ、われわれが本気で(ミサイルの)引き金に指をかけ、発射待機の状態で、一挙一動を注視していることを忘れてはならない」と、アメリカを強烈に威嚇した。

さらに、北朝鮮が運営する宣伝サイト「わが民族同士よ」で公開された動画には、アジア人離れした顔立ちで、朝鮮人民軍の制服を着ている、男性2人の姿があった。実はこの2人、拉致被害者・曽我 ひとみさんの夫の、ジェンキンス氏と同時期に北朝鮮で暮らしていたアメリカ人脱走兵、ジェームズ・ドレスノク氏の息子たち。

北朝鮮へ亡命したアメリカ人の息子は、「父は亡くなりました。亡くなる瞬間まで、わが国の胸に抱かれていました」と語った。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に忠誠を誓ったドレスノク氏は、2016年に死亡したという。

その息子たちのインタビュー映像を、このタイミングで公開した北朝鮮。北朝鮮へ亡命したアメリカ人の息子は、「もし、敵が先に挑発してくれば、わたしたちはその機会を逃さない。アメリカを、この地球上から永久に消し去るだろう」と語った。

正恩委員長と、トランプ大統領の挑発合戦の矢面に立たされている、太平洋司令軍のハリス司令官は、「最も重要なのは、外交的手段だ。金正恩委員長の挑発に対して、外交的な解決を目指す」と述べた。

北朝鮮を刺激しないためなのか、ややトーンダウン。事態を打開するための糸口を見いだせない、アメリカと北朝鮮の神経戦は、続いている。

https://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00368038.html