日本を訪れる中国人観光客の多くがドラッグストアなどに立ち寄り、医薬品を購入することは今やよく知られている。購入する医薬品の中には漢方薬も含まれているが、中国に源を発する伝統医学の薬品だけに、中国国内からは「何たる皮肉か」といった声が出ているようである。中国メディア・今日頭条が21日伝えた。

記事は「中国の歴史は、われわれに多くの貴重な財宝を残してくれた。しかしその一部はわれわれの間で徐々に忘れ去られてしまった。一方で日本はこれをとても上手に利用しており、日本を訪れる中国人観光客が争うように買っていくのである。

中国にだっていいものはあるのに、一体どういう心理か分からないが、外国の物はみな国産の物よりもいいと考えているのである」とした。

そのうえで、中国人観光客が日本の薬品、特に日本の漢方薬をこぞって買っていくことを指摘。

「薬にも三分の毒、と言うではないか。日本で買って帰った薬品を使って問題が起きたら、消費者の権利を守ることも難しい。そしてより皮肉なことに、中国人が買っていく薬品はなんとみんな中国からやってきた物なのだ」と伝えている。

記事は日本の漢方薬について「実は中国から伝わった中医薬を日本がさらに発展させたものなのだ。一部の病症には確かに中医は独自の効果を発揮する。一方で一部ガイドの宣伝を軽々しく信じてはいけない。買って帰った後で、中国の薬品の方がいいことに気づくことだってあるのだ」と説明した。

そして「旅行でお土産を買うのはいいが、薬品を買い漁るというのはいい選択ではない」と結んでいる。

中国のネットユーザーからは「国内では中医を罵りながら、国外では薬を買い漁る。大きな皮肉だ」、「多くの人がそう。外国の物はいいものだと思いがちだ」との感想が見られる一方で、

「確かに皮肉だ。その大きな理由は、中国にはニセモノが多いこと」、「物が良ければ自然と買う人が増える。中国みたいに劣悪品ばかり買わせたりしないから」、「これは国レベルの問題。国民は、ちょっと長生きしたいから日本の薬を買いに行くに過ぎないのだ」という意見が見られた。

皮肉は皮肉だが、一体だれに対する皮肉なのかを考えなければいけないという声もある。確かに「外国の物はいい物だ」と考える傾向が今の中国にはあるかもしれない。しかしその消費者心理を批判する前に、中国社会にはやるべきことがあるはずだ。(編集担当:今関忠馬)

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