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 日本人は古来より亀を鶴とともに長寿の縁起物として崇めてきた。動きの鈍い亀は「ドジでのろま」の代名詞として扱われる一方で、一歩一歩慎重かつ着実に物事をこなしていくポジティブな形容にも用いられる。その最たるものが、昔話の「うさぎとかめ」だろう。

 中国メディア・今日頭条は16日、日本を旅行で訪れた中国人観光客は、滞在中の端々に「亀」のような印象を覚えるとする記事を掲載した。記事は「中国人の多くが日本人のやることに『笨』を感じる。それは亀を崇めているからかもしれない」としている。「笨」は本来のろま、間抜け、鈍いといった意味を示すが、この記事ではさしずめ「クソまじめ」といった意味合いで使っているようだ。貶しているのではなく、褒めているのである。

 記事は日本の「亀」っぷりを示す事例をいくつか紹介している。例えば、日本の商業施設にはアイコン付きの案内板が至るところに設置されているばかりか、各フロアに案内係が配備されている点、街頭で見かける各スポットへの方向を示す案内板がそれぞれ正確に方角を指し示している点だ。しかも、その案内板にはご丁寧にどの方角からも見えるように時計が3個も取り付けられているという説明付きだ。

 さらに、電車内では携帯電話のマナーモードやリュックの持ち方、座席の座り方に関する注意書きが至るところに掲示されていること、駅のコンコースでは床に行き先案内が張り付けられていること、駅などから各種施設までの無料シャトルバスが数多く運行されていること、日本語が話せなくても自動券売機で食券が買えることなどを挙げている。

 記事は最後に「『聡明』な同胞たちよ、われわれは日本人の『笨』に学ぶべきではないか」と結んだ。「聡明」とは日本語と同様賢いという意味だが、ここでは「ずる賢い」というニュアンス。つまり「うさぎの同胞たちよ、われわれは亀の日本人に学ぶべきではないか」と問いかけているのだ。

 もしうさぎが亀のようなまじめさを手に入れれば、亀自体の優位性が崩れることになる。ならば、亀たちもうさぎから何かを学び取る必要があるのではないだろうか。