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2017/08/31(木) 08:44:13.16ID:CAP_USER広い中国を一つの物差しでとらえるのは容易でないから、よくある方法として、東部(沿海部)、中部、東北部、西部という四つのブロックに分けて見ることがある。
東部は、沿海部という呼び方もあるように、海に接する河北、遼寧、江蘇、浙江、福建、山東、広東、海南の8省と北京、天津、上海の3市からなり、全国土の約10%を占める。
例外として、海に接する広西チワン族自治区は入っていない。逆に北京は、海と接していないにもかかわらず、東部のメンバーとして見なされている。海に接するという地理的な条件のほかに、その地域の経済力も考慮されているからだ。だから、東部は中国の先進地域と見ていいだろう。
中部は、本来ならば沿海各省と境を接する山西、内モンゴル、吉林、黒竜江、安徽、江西、河南、湖南、湖北の9省・自治区を指すが、いまでは山西、安徽、江西、河南、湖南、湖北の6省を指す場合が多い。中部は中国国内の「中進国」ならぬ中進地域のようなイメージをもつ地域だと思う。
東北部は、遼寧省、吉林省、黒竜江省からなる。以前は重工業が集中していた地域だが、ここ二十数年、地域間の競争に負けてしまい、いまや低迷地域に落ちこぼれている。
残る西部は、陝西、甘粛、青海、寧夏、新疆、四川、重慶、雲南、貴州、チベットなど内陸に広がる10省・自治区を指す。同地区は、自然環境が厳しいため経済が立ち遅れ、沿海部や中部と比べて大きな格差が横たわっている。中国の貧困地域と見られがちだ。
豊かな成都にはヨーカ堂や伊勢丹も進出
しかし、こと四川省の成都になると、イメージも実態も全然違う。成都平野(川西平野ともいう)にある町は、2000年来ずっと都江堰(とこうえん)に守られていたこともあって水害や干ばつもなく、安定した農産業を営むことができる豊かな都市だ。
四川省自体も、昔から物産が豊かな土地として知られ、「天府の国」とも呼ばれている。
私は、「茶館」が多い地域ほど、中国では豊かな街だと見ている。茶館とは、中国茶を飲む喫茶店のことだ。茶館が多いということは、のんびりと生活を楽しむ習慣がその土地に根付き、豊かさの指標だと見ていい。だから、茶館の多い成都は、西部一の豊かさであると言えるのだ。
1996年4月、イトーヨーカ堂は外国資本の企業として初めて中国政府から全国展開を認められ、中国企業と合弁で現地法人を設立。翌年の1997年11月、成都店を開店させた。
当時、多くの日本のメディア関係者が理解に苦しんだ。なぜ山奥にある成都を選んだのか、と。じつは、今だから明かせるが、邱永漢氏のアドバイスを受けてのものであり、イトーヨーカ堂には先見の明があったと言えよう。
2012年には北京で8店舗、成都では5店舗という規模に達していたが、北京では苦戦を強いられ、不採算店舗を相次いで閉鎖、撤退も視野に入れながら規模を縮小させていた。
しかし成都では、いまだ快進撃を続けている。特に2号店の双楠店は、日本国内も含めたイトーヨーカ堂全店の中で、売上高も利益もトップだ。その実績に鼓舞されたのか、近年、年に1店舗というスピードで、新店をオープンさせている。
成都イトーヨーカ堂董事長・総経理を務めた三枝富博氏も、今やイトーヨーカ堂の代表取締役社長となった。一種の論功行賞と見てもいい人事評価だと思う。そのイトーヨーカ堂の成功により、成都の豊かさと消費力の高さが日本でも認知されるようになり、伊勢丹も追いかけて進出したのである。
震災直後に就航した全日空 スタート時は試練の連続だった
こうした成都に、全日本空輸(全日空)は東日本大震災の直後、思い切って直行便を飛ばした。しかし、放射能汚染などに対する心配が広がり、日本へ向かう中国人は少なかった他、翌2012年に発生した尖閣諸島問題によって、搭乗率は一時49%にまで下がってしまった。
しかし、2015年度になって、日本へ向かう観光ツアーの中国人客が殺到、飛行機の搭乗率も81%まで改善し、ようやく黒字状態になった。
http://diamond.jp/articles/-/140445
(>>2以降に続く)