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2017/09/01(金) 20:46:58.84ID:CAP_USERそして、この「犯罪者の決めつけ」を映画の中ではなく実社会に適用させようと今、ある国が積極的に動いているという。それはアメリカではなく、なんと中国である。
■AIとビッグデータで人物を瞬時に特定
中国政府は犯罪を未然に防ぐために、映画のように特殊能力を持つ人間に予知させるのではなく、AI(人工知能)を使いたい構えだ。犯罪発生率を下げるためにAIを使い、犯罪が発生する前に今後起きる犯罪を予想させ、治安維持を図りたいのだという。
それは、つまり、まだ犯罪を犯していない人物を国家がマークすることを意味する。なんだか監視国家、国家の過剰介入のようで物々しい。
Li Meng科学事務官は「システムをスマートに使いこなせれば、誰がテロリストであり得るか、誰が害悪を及ぼし得るかをあぶり出せるんですよ」と、この手法に対して肯定的な見解を示した。
英紙「Express」によると、中国政府は、顔認証システムで有名なIT企業Cloud Walk社の協力を得て、街にいる人物の顔と行動をモニタリングすることにより、監視政策を充実させたいのだという。では、具体例にはどのような方法を取るのか?
そこで示された「あくまでも一例(実施有無は不明)」の内容が、なんとも興味深い。
例えば、ある人が銃器店を訪れるとする。入店するや否や、その人の顔認証データは他のデータにリンクされ、複数のデータとの照合を経て、フィルターにかけられる。そして、この人が犯罪を犯す可能性があるかどうかを一気に判別する……というものだ。
なによりCloud Walks広報官、Fu Xiaolong氏の次のコメントが、のん気に暮らす歩行者の背筋を凍らせる。
「誰がどこに行くのか、誰に嫌疑をかけるべきか。警察はもうこのビッグデータを使用していますよ」(Fu Xiaolong氏)
■監視社会はすでに始まっていた!
……おい、ちょっと待ってくれ。実際に筆者もそうだが、中国旅行中にミリタリーショップをのぞいたことくらいある。買わずに興味本位で入店するだけ――こんな旅行者はいくらでもいるではないか。その店には、筆者以外にも日本人が数名いた。
海外のリアルを知りたいばかりに、飛行機や船を乗り継いで各地に渡航した回数も多い。そんな筆者をFu氏の次の言葉が一層追い詰める。
「渡航や移動を繰り返した結果、輸送ハブを何度も経由したり、銃器店に行ったりすると、その人が危険視されるリスクが高まります」(Fu Xiaolong氏)
自分が今いる経由地がうっかり輸送ハブだったら……。そうとは知らずにそのままショップを訪問していたとしたら……。まだ見ぬ監視部隊の存在のせいで頭の中が「たら」「れば」「もしかして」の無限ループになってきた。
トカナ読者の中にも中国在住者がいるだろう。しかし、呑気に構えてこれを読んでいる場合ではないかもしれない。なぜなら「包丁を買った後でハンマーと袋を買う人は、複合的に危険視されますから、マークされるでしょう」と言うのだから。おちおちとBBQもできやしない。
さらに、変装している人でさえも、しっかり「ダブル認証システム」によって個人を識別できるそうだ。北京大学航空宇宙工学部で身体認証を教えているLeng Biao教授によると、顔認証がしづらい時は、別の認証システムを複合させることで、個人認証の焦点を絞っていくそうだ。
「複合認証システムにより、特定の人物が遠くに移動しても追い続けることができますよ」(Leng Biao教授)
……いや、教授。そんな正面切って自慢されても、ただひたすら怖いだけなのだが……。
(文=鮎沢明)
参考:「Express」、ほか
http://tocana.jp/2017/08/post_14282_entry.html