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2017/09/02(土) 10:56:14.52ID:CAP_USER不透明な人民元相場
共産党大会は、中国の向こう５年間の方向性を決める重要な会議で、約２３００人の代表が集う。習近平国家主席にとっては主要人事を決定し、自身の政策を党のガイドラインに組み込むまたとない機会でもある。
香港を拠点に２億ドル（約２２０億１８００万円）の資産を運用する深藍全球投資（ディープブルー・グローバル・インベストメント）の韓同利最高投資責任者（ＣＩＯ）は「中国に関心を持つ海外投資家の間には２つの大きな懸念がある。人民元相場と党大会をめぐる不透明感だ。状況が一段落し、党大会後に不透明感が消えれば、投資家は市場の価格決定を再検討するだろう」と述べる。
中国当局は指導部が後押しするレバレッジ縮小への取り組みを続ける一方で、今回の第１９回党大会を開催するための環境づくりとして、金融市場の安定・秩序の必要性を強調してきた。投資家は人民元の上昇と堅調な株式相場に安心感を覚え、繁栄と統制という党のメッセージから外れる可能性のある投機的な動きや大きな変動の兆候があれば、当局が迅速に押さえ込むと考えてきた。
しかし、当局による相場の安定も長くは続かない見通しだ。党大会では、共産党が描く中国の未来像が示され、大会後には多くの政策や規制活動が明らかになる可能性もある。米投資銀行大手ゴールドマン・サックスは党大会の開始時、相場は乱高下する傾向があると指摘する。
党大会でチャイナウオッチャーがまず注目するのは人事だ。最高指導部の政治局常務委員７人のうち最大で５人が入れ替わるとみられ、習氏の影響力が示される。同氏の後任候補が示されるのかも注目される。
党大会初日に発表される活動報告も重要だ。向こう５年間での政権の優先事項が明らかになるためだ。
習氏は任期の序盤で、共産党は市場に「確実な」役割を与えるとしたが、１５年８月に通貨切り下げに踏み切った。これにより元安圧力が強まったため、当局は外貨準備高を切り崩したり、資本流出を規制したりすることで、元安に歯止めをかけようとしてきた。トランプ米大統領が中国を「為替操作国」に指定すると脅し、元安を食い止める必要性はさらに高まった。
経済成長継続に疑問
今年に入り、対ドル元相場は堅調に推移しているが、市場改革がどのように活動報告で評価されるかが注目される。
成長目標がどのように言及されるかも焦点だ。市場関係者は共産党がバランスを保てるかを注視する。明白な設定目標を廃止し、堅調な成長維持を目指すための新たな方針も出さなければ、６％を上回るペースでの経済成長が継続できるか、疑問が広がるだろう。とはいえ、強気すぎる目標は財政赤字が膨らむ懸念を増大させる恐れもある。
党大会閉幕時までは、中国経済は乱調せず、現時点と同様の堅調さを保つ公算が大きい。米金融大手モルガン・スタンレーはオフショア人民元の相場や国債利回りについて「楽観的」との見方を維持している。
だが、そのような説明が通るのも党大会までだ。深藍全球投資の韓氏は「この５年間の成長を牽引（けんいん）したのは主に支出増加とレバレッジの増加だ。習氏が任期の前半の５年間、汚職防止の環境整備に注力したことは理解できるが、今では市場はより多くを望んでいる」と述べている。（ブルームバーグ Ｐｅｔｅｒ Ｍａｒｔｉｎ、Ｃｈｒｉｓｔｏｐｈｅｒ Ａｎｓｔｅｙ）
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170902/mcb1709020500005-n1.htm
http://www.sankeibiz.jp/images/news/170902/mcb1709020500005-p1.jpg
党大会は波乱の幕開けか。成長率の維持やレバレッジ解消など習近平氏の次の一手が示される党大会を世界中が注視している（ブルームバーグ）
