【北京=藤本欣也】10月18日に開幕する中国共産党大会の焦点は、習近平国家主席(総書記)が独裁体制を確立するのか、あるいは集団指導体制が維持されるのか−などだ。習氏が江沢民元国家主席派や胡錦濤前国家主席派の軍高官の一掃を図る中、激しい駆け引きが続いているもようだ。

中国ウオッチャーが注目したのが、8月31日に党政治局が発表した内容だった。党大会の開幕日を明らかにした後、「習総書記の一連の重要講話の精神と、党中央の治国理政(国家統治・政策運営)の新理念、新思想、新戦略」を貫徹すると強調していた。

最近の党の文書や高官の発言では「党中央の」の文言がなく、「習氏の治国理政の新思想」と読める内容だった。このため「習近平思想」が党規約に盛り込まれて独裁色が強まるのではとの見方が出ていた。

党中央とは、一般に党中央委員会を指す。つまり31日の発表は、集団指導体制の存続が決まったことを示唆したものとの観測が広がった。その後、軍高官の拘束が伝えられる中、最高指導部メンバーの劉雲山政治局常務委員の1日の演説では「党中央の」が再び欠落。状況は依然流動的だ。

http://www.sankei.com/world/news/170903/wor1709030008-n1.html