ソウル市麻浦区の弘益大学の近くには、若者たちが料理を楽しみながら、DJのかける音楽に合わせてダンスを踊ることができるクラブが数多く存在する。人気店の場合、週末に入店するためには1−2時間は待たなければならない。

7月末に訪れたAクラブでは、30坪(約99平方メートル)ほどの空間で数百人の若者がダンスを踊っていた。

食品衛生法上、特定遊興飲食店として営業許可を受けた店でのみ顧客がダンスを踊ることができるが、麻浦区は昨年2月、一般の飲食店でもダンスを踊ることができるように条例を制定した。ただし、飲食店のテーブルや通路でのみ可能となっている。

Aクラブの場合、ダンスをする用途の空間を別途に用意し、特定遊興飲食店と同じように運営されていたため違法となった。

こうしたクラブは、安全管理がずさんだ。7月15日、Aクラブでは酔っ払ったパク容疑者(23)が他人といざこざを起こした。パク容疑者は、割れた焼酎の瓶を振り回して14人の顧客にけがを負わせた。

当時同店を訪れていたチョンさん(27)は、左首を刺される重傷を負い、手術を受けた。麻浦区の条例によると、顧客がダンスを踊ることができる飲食店では安全要員を配置するよう定められている。

しかし、先月の事件当時、Aクラブの従業員たちは、音楽のボリュームが大き過ぎて的確に対応することができなかったことが、警察の調べで分かっている。警察庁によると、クラブやナイトクラブなど特定遊興飲食店で発生した犯罪件数は2011年の1704件から16年には2400件へと毎年増加の一途をたどっている。

また、クラブは火災にも弱い。7月20日、ソウル市消防災難本部が消防安全点検を行った結果、調査対象となった弘大近くの8カ所のクラブのうち実に7カ所が、過料など行政処分の対象となった。防火区画の毀損(きそん)、非常口の閉鎖など待避施設が十分に確保されていないことが分かった。

慶ミン大学消防防災学科のコン・ハソン教授は「クラブは狭い空間に多くの人が押し寄せている上、照明が暗いため、酔っ払い客たちの視野確保が非常に困難だ。火災に備えて消火器をいたる所に設置し、非常口は利用可能か、随時抜き打ちの取り締まりを行わなければならない」と主張する。

麻浦区に続き西大門区、広津区、釜山鎮区、光州西区、光州北区などが「踊りを許可した飲食店」条例を施行している。クラブの安全点検をする権限は、管轄の区役所と消防、警察にある。

麻浦区役所が昨年行った現場の取り締まりは2回だけだ。注意を与えただけで行政処分は下さなかった。今年は7月15日、弘大近くのクラブで事件が発生した後、取り締まりに出たものの、事故を未然に防ぐため安全要員を配置するよう指導するにとどまっている。

イ・ヘイン記者

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