【ソウル時事】韓国の徐柱錫国防次官は1日、時事通信との単独インタビューに応じ、日韓防衛相間の直通電話(ホットライン)について、「実務者間で協議しており、年内に開設可能だ」との見通しを明らかにした。北朝鮮の核・ミサイルの脅威に、日韓で緊密に連携して対処していかなければならないという危機感を反映した形だ。

次官は「韓日間の防衛協力・対話は重要だ。歴史問題で立場の違いがあるのは事実だが、韓日関係を発展させていかなければならないというのがわが政府の明確な立場だ」と強調。防衛協力と歴史問題を切り離して対応していく方針を示した。

昨年11月に締結された防衛機密の共有を可能にする軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関しては、「情報交流の期間はまだ短く、協定の効用を評価するのはまだ早い」と指摘。「さらに1年間運用し、効用を綿密に検討した後、延長するかどうかを決定することにした」と今年11月から1年延長する理由を説明した。

北朝鮮の出方をめぐっては、「6回目の核実験の準備をしており、状況を見て実施するだろう。これまで10キロトン規模が最大だが、爆発力を増大させる方向に進むとみている」と語り、水爆の前段階であるブースト型核分裂弾(強化原爆)の実験も可能だと警鐘を鳴らした。

日本上空を通過した北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12」については「それまでは高角発射で(実験が)行われ、技術的能力のみを誇示していたが、今回は戦略的意味がさらに大きい」と分析。

「北朝鮮はミサイル能力を引き続き高度化し、射程を完全な大陸間弾道ミサイル(ICBM)まで延ばすとともに、中距離、短距離など多様なミサイル体系を拡充させることを目標としている」との見方を示した。

保守系野党などは、北朝鮮との「核の均衡」を図るため、在韓米軍への戦術核の再配備を主張しているが、次官は「韓国に戦術核が再配備されれば、北朝鮮に非核化を求める圧力や名分、正当性が弱まる」と述べ、否定的見解を表明した。

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