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2017/09/03(日) 14:14:53.97ID:CAP_USERそこで、私が感じた違和感は、左右の論客が「陣営」内で一般的と思われるスタンスに無批判に従っているように見えたこと。右には右の、左には左の政策の「定食メニュー」があって、そこからの逸脱が許されない雰囲気なのです。
私自身は、外交・安全保障政策についてはいわゆるリアリズム(=現実主義)の発想をするので、戦後日本の一般的な考え方からすると右側に位置づけられることが多く、女性の社会進出や社会的価値観をめぐる論点では、伝統よりも多様性を重視するので左側に位置づけられることが多い。
政策分野によって立ち位置が異なることは、当然あって良いし、あるのが当然だと思っています。要は、政策はアラカルトでいきたいと。
外交・安保の世界で、目下最大の懸案は北朝鮮情勢でしょう。北朝鮮は実質的な核保有国となるなど安保環境が悪化する中で、安保論議は右派有利で展開してきました。
ところが、右の求心力が高まったことで変なことも起きている。保守や右派を自認する政治家や論客が、その他の論点でも一様に右派「定食メニュー」を採用し、「伝統」、「家族の価値」、「国体」などの概念が社会政策において重要になってしまっているのです。
反対に国民にとって安保が重大関心事となる中でも、左派はなかなかその本質と向き合えていません。現実にミサイルが飛んできているのに、Jアラートのあり方で政府批判に力を入れるような有様なのです。与党が失点を重ねる中でも受け皿になれないでいます。
結果、何が起きたかと言うと、左が信じている(はずの)社会変革が進みません。女性の社会進出やLGBT(性的少数者)などマイノリティーの地位向上は停滞したまま。
日本社会の多様性を阻んでいる一因が、憲法9条墨守に代表される左派の非現実的な発想にあると言ったらずいぶんお叱りを受けそうですが、そういう構造があることは否定しがたいのです。
(国際政治学者)
http://www.hochi.co.jp/topics/serial/CO021131/20170902-OHT1T50238.html