【ワシントン=共同】トランプ米大統領は3日、北朝鮮が実施した6回目の核実験を受けて「米国にとって非常に敵対的で危険だ」とツイッターに投稿した。

1月発足のトランプ政権下では初となる核実験を重大視。米政府は核開発を支える中国やロシア企業への制裁拡大で圧力強化を検討する見通しだ。大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に成功したとの北朝鮮の主張についても分析を進める。

トランプ氏は核実験前の米東部時間2日夜(日本時間3日朝)、安倍晋三首相と1週間で3度目となる電話会談に臨み「米国は同盟国として100パーセント、日本と共にある」と伝えた。各国首脳が集まる今月中下旬の国連総会に合わせ日米韓首脳会談を開き、連携と圧力強化を確認する。

トランプ氏は「全ての選択肢がテーブルの上にある」と軍事行動もちらつかせてきたが、日韓両国への報復が予想されるため当面は「平和的な圧力」(ティラーソン国務長官)を継続する。

マティス国防長官とティラーソン氏は、国連の制裁決議を無視して核開発に突き進む北朝鮮とその協力国に「責任」を取らせるとの新たな政策方針を最近表明している。矛先が中国やロシア企業に向かう可能性は高い。

米政府は北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)や、核・ミサイル開発を手助けした中ロ企業などを制裁対象に指定してきた。今後は北朝鮮への石油輸出に関わる企業を対象にする追加制裁の検討を進め、北朝鮮経済の一層の締め付けを狙う。

北朝鮮がICBM用の水爆を完成させたかは明らかではないが、米太平洋軍のハリス司令官は北朝鮮の主張を「額面通り受け取る」と繰り返してきた。米軍は、水爆完成も前提に、軍事的な対抗策の選択肢をトランプ氏に示す見込み。

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