【解説】北朝鮮の核実験と日本を飛び越えた弾道ミサイル 我々は不安と怒りに包まれるべきなのか/Jアラートで何を警戒すべきなのか [無断転載禁止]©2ch.net
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北朝鮮は9月3日、1年ぶりに6回目の核実験を実施した。同日午後3時半に朝鮮中央テレビは、ICBN(大陸間弾道ミサイル)搭載用の水爆実験が「完全に成功した」と発表した。
場所は核実験場のある咸鏡北道吉州郡の豊渓里(プンゲリ)周辺と見られる。現時点では、今回の核実験が成功したかどうかは定かではない。ただ、日本の気象庁は午後0時31分頃、北朝鮮付近を震源とするマグニチュード(M)6.1の地震波を観測している。前回(16年9月)の実験ではエネルギー量がM5.3だったことを考えると、爆発の規模は10倍程度大きくなっている。
8月29日、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは日本列島を越え、北海道の襟裳岬沖約1180kmの地点に着弾した。日米問わず、国際社会から強い非難を浴びる中、それらを無視するかのように、1週間後には核実験を強行した。
北朝鮮を巡る情勢は更に緊迫度が高まってきた。私たちは、今、これらの行動をどのように捉えるべきなのか。
戦争リスクは高まったのか
弾道ミサイルの発射については、軍事的には典型的な陽動作戦であったと見て取れる。北朝鮮は8月10日、「火星12号」4発をグアム近海に向けて発射すると通告していたが、我々を挑発するかのように突如、発射の向きを北海道方面へと変えたことになる。
自衛隊や米軍が保有する地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)や、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載するイージス艦の数には限界があることを見越し、事前の通告で別の地域に打つと嘘をついて相手の戦力を分散させた。
守る側は、陽動作戦の可能性があると予測できていても、アセットに限りがあるため事前通告の地域の安全を担保せざるを得ない。結果として、北朝鮮からすれば、本当に狙いたいコースで撃墜される可能性を低下させることに成功した。
戦力を運用する際の原則に「主導と先制」という考え方がある。戦いで勝利の機会を得るためには、相手よりも先に、自ら進んで状況を意図する方向に導くことが肝要だという法則だ。この点、北朝鮮は純粋に軍事的合理性のある行動を選択したといえる。今回のような弾道ミサイル戦は、攻撃側(北朝鮮)が圧倒的に有利となることが明確となる事例となった。
もう一つ巧妙だった点は、津軽海峡上空を飛翔させたことだ。ここは「国際海峡」であり、日本の領海には当たらない部分がある。日本が、わが国の領土・領海上を飛行したと主張すれば、北朝鮮は、その証拠を示せというだろう。
たとえ日本が弾道軌道を「正確に把握」していたとしても、その証拠を示してしまえば、今度は北朝鮮に対して日米の探知・識別能力を露呈することになる。こうなると、次にどう撃てば、より撃墜されなくなるかを検討するヒントを「敵」に与えてしまい、結果的に日米は軍事的なデメリットを蒙ることになる。
更に重要なポイントは、弾道軌道の延長線上に何があるか、ということだ。
(北海道の)襟裳岬沖の1180kmまで飛んだ、ということが重要なのではない。その先にはハワイがあり、米太平洋軍司令部を置く基地がある。この基地は、米軍が太平洋地域で作戦を行うための中枢であり、多くの情報がネットワークで集約され、最新鋭のステルス戦闘機「F-22」をも含む大規模な兵力が配備されている。
さらに、日本にとってこの基地は、米国が日米安全保障条約に基づく対日本防衛義務を果たすための作戦中枢でもあり、そのトップはハリス海軍大将 ( 弾道ミサイル発射直前の8月22日に韓国入りし、北朝鮮を牽制した人物)だ。北朝鮮は、今回のミサイル発射により、米国に対して明確なメッセージを送ったのである。「今後は、日本を越えてハワイに向かって撃つ」と。
トランプ大統領は発射直後の8月29日、こう発言している。「世界は北朝鮮の明確なメッセージを受け取った。それはすなわち、この政権は隣国そして国連のすべての加盟国を軽視し、さらには国際社会が求めている最低限の振る舞いすら尊重できないということだ」
北朝鮮は更にその上で核実験を強行し、「核兵器をも弾道ミサイルに搭載できるぞ」と、全世界にメッセージを伝えた。今回の一連の事案によって、双方の主張は完全に衝突する事態を迎えた。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/090300726/
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中国軍の特異な動き
実は、中国の動きにも警戒すべき変化があった。弾道ミサイル発射5日前の8月24日、中国は「H-6爆撃機」6機を紀伊半島沖まで飛行させた。これまでにない特異な行動とされ、同日付で統合幕僚監部が公表した情報(下図)によると、
その爆撃機編隊はゆうゆうと第一列島線(中国海軍および中国空軍の対米国防ラインの1つ、九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるライン)を越え、グアムまでの弾道軌道をカバーする高知県沖の太平洋上を飛行していることがわかる。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/090300726/p2.jpg
統合幕僚監部報道発表資料(2017年8月24日)から抜粋
実は、このH-6爆撃機にはイージス鑑などを攻撃可能な長距離の空対艦ミサイルを搭載することができる。つまり、グアムに向けて発射される弾道ミサイルに対抗する日本及び米軍のイージス艦に対し、「こちらも手があるぞ」と威嚇した、と日本や米国に捉えられても不思議ではない行動をとったのである。
この公開情報だけでは憶測の域を出ないが、仮に8月24日の中国のこの行動が北朝鮮の陽動作戦と連動していたとするならば、事態は一層、複雑な方向に発展する可能性がある。
中国は、あたかもグアム付近への発射を念頭に置いたかのような行動を見せ、北朝鮮の陽動作戦に加担したのではないか、という不信感が軍関係者の間に生じかねないからだ。
結局、9月3日に強行された北朝鮮による核実験とも相まって、今、北東アジア地域は不透明・不確実な様相を呈しており、事態は確実にエスカレートしていると見るべきだ。
なお、中国外務省は北朝鮮の6回目の核実験に対して、「国際社会の反対を顧みず再び核実験を実施した。中国政府は断固たる反対と強烈な非難を表明する」との声明を発表している。
問題の根は深い、南北の戦力構造×ミサイル技術の拡散
このような北東アジア地域の情勢を判断する際、単に北朝鮮による核実験そのものや弾道ミサイル一発一発の意味合いだけを分析するだけでは、事態の本質に迫ることはできない。この地域に住む日本人として最低限、知っておくべきことが2つある。
1つは、米ソ冷戦期以降続いている南北の伝統的な戦力構造だ。南北を分断するDMZ(非武装地帯)の南約50kmには、人口約990万人の韓国の首都ソウルがある。日本でたとえると、東京-秩父、名古屋-琵琶湖、大阪-姫路、福岡-下関と同程度の距離に、約100万人の北朝鮮陸軍が待ち構えている。
戦争となれば、170mm自走砲や200mm多連装ロケットといった砲撃による第一撃と共に陸軍部隊が侵攻し、一般市民を巻き込む甚大な被害をもたらす。
対する韓国の陸軍兵力は半分の約50万人、在韓米軍に至っては、わずか2.5万人であり、圧倒的に数的劣勢を負っている。仮に北朝鮮陸軍による先制奇襲攻撃を受ければ、米軍の空軍力を駆使しても韓国側の被害は免れない。
このため、韓国は、事前に米軍を中心とする朝鮮国連軍の陸上兵力の増援を受けて対抗するのだが、大規模な部隊を受け入れるには時間がかかってしまうため、奇襲攻撃のリスクを拭えないというジレンマに陥っている。
この戦力構造が存在するため、韓国側は北朝鮮に対して過度の刺激を与えることを嫌う。対する北朝鮮側は、一定程度、自己に有利な軍事バランスを保持することができており、結果として現体制の維持につながっていると考えることができる。
情勢が一気に緊迫し始めた今年、韓国人が南北融和の考えを合わせ持つ文在寅(ムン・ジェイン)政権を選択したのは、この戦力構造がもたらす悲惨な結果を肌身で感じているからだろう。
そして2つ目に知っておくべきことは、今、私たち日本人は未だかつて人類が経験したことのない、複雑な戦闘様相の渦中にいるということだ。
ミサイル技術の急速な拡散により、北朝鮮でもボタン一つでハワイをミサイル攻撃することができるようになりつつある。従来は地勢の影響を受けていたが、今後は自らの戦力の影響をより遠方まで、しかも迅速に投射することが可能となる。
この新たな戦闘様相は、冷戦期以降の伝統的な戦力構造に不均衡をもたらしつつある。北朝鮮は、弾道ミサイルを使えばグアム・ハワイなど遠方に配備されている増援部隊を攻撃できるようになり、朝鮮半島に戦力が近づくことを遅らせたり、防ぐことができたりするようになる。
これはA2AD(Anti-Access/Aria-Denial;接近阻止/領域拒否)と呼ばれる戦術であり、現在、米中も南シナ海で同様の構図で対立している。
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さらに日米は、これに弾道ミサイル防衛システムという新たな軍事技術で対抗しようと試みている。
米国やヨーロッパ諸国にも同様のシステムが配備されているが、実際の状況下で使用したことがあるのは、世界で唯一、日本の航空自衛隊、海上自衛隊と米太平洋軍に限られている。宇宙空間をも利用した実戦的な攻防は、北東アジア地域が世界で初めてとなる。
このように、私たち日本人は、実に稀で複雑な戦略環境にさらされており、戦術・戦略的に極めて不透明・不確実な状況に立たされていることを自覚しなければならない。常に頭を捻り続けながら、最適な対処を導き出す努力が求められている。
有効な一手はあるのか?
これまで、米国や国際社会は様々な形で核実験や北朝鮮のミサイル発射や核実験を抑止するための行動を展開してきているが、有効な結果を出せていない。
最後には、まるで金正恩(キム・ジョンウン)と同じ表現を使えば伝わるとの意図があったのか、トランプ大統領から「炎と怒り」という挑発的な言葉までもが飛び出すに至った。
米国は本年4月6日、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして、59発のトマホーク巡航ミサイルを発射し、シリア側の化学兵器拠点とされる施設などに限定的な空爆を行った。では、これと同じような作戦を北朝鮮に対して行う可能性はあるのか。
既に戦闘状態にあったシリアの場合とは異なり、朝鮮半島は現在、休戦中である。たとえ限定的であっても、一度攻撃に踏み切ってしまえば、それなりにバランスが取れていた朝鮮半島は、突然、開戦のリスクを背負うこととなる。
いざ開戦となれば、地域が一気に不安定化し、経済活動も大混乱する。このため、攻撃に踏み切る敷居は高く、そもそも戦争後の朝鮮半島の統治のあり方が見出せていなければ、あまりにもリスクが高い一手となる。
しかし、このまま単なる「話し合い」だけで現状を解決できるかは疑問が残る。今後、想定すべき選択肢は大きく分けて3つあるだろう。
1つは、本格的な戦争によって問題を解決する選択肢だ。朝鮮半島から在韓の外国人を逐次避難させ、1991年の湾岸戦争時のように、約半年ほどで北東アジア地域に戦力を増強する。準備が整ってから北朝鮮に対して先制攻撃に踏み切り、一気に北進する。
軍事的な制圧後、現在の北朝鮮の体制を一掃し、新たな政権を樹立するシナリオだ。米軍を中心とする圧倒的な兵力による先制攻撃は、朝鮮半島の戦力構造を念頭に置いた場合、戦いに勝利する可能性が最も高い。
2つ目は、力と圧力を背景とした外交により、核・ミサイル開発の放棄を要求する。有効な交渉のためには、北朝鮮が真剣に対応するための「脅し」が必要となる。
経済制裁に加え、第一の選択肢の場合と同様、北東アジア地域への戦力増強を開始して先制攻撃の態勢を確保しつつ、力を背景とした「話し合い」により事態を進展させる。この場合、当然、開戦のリスクも背負うことにもなる。
そして3つ目は、双方の戦略的妥協だ。現状を追認する形で北朝鮮による核保有の現状を認め、北朝鮮からも妥協を引き出すことを目指しつつ、当面の開戦リスクを下げる。
ただし、日本を含む近隣諸国は、その後も彼らからの軍事的な影響力を受けることとなり、北朝鮮という核兵器保有国の存在によって一層の不安や恐れを抱え込み続けることとなる。
企業経営上の指標
現在のように事態がエスカレートする段階では、危機管理上、残念ながら事態が更に悪化することを想定し、準備しておかなければならない。各社における様々なビジネスモデルやフットプリント(拠点)がある中で準備の緩急を一概に語ることは難しい。
しかし、少なくとも社員の安全は、どの企業も最も重視すべき課題の一つであることは間違いない。
その場合、次の事態へエスカレートする兆候を絶対に見逃さないことが重要だ。具体的には、朝鮮半島で米軍による「非戦闘員退避作戦」(Non-Combatant Evacuation Operation:NEO)の開始である。
約20万人の在韓米国人を空港から軍用機で他国へ移送したり、バスや鉄道を使って南部のプサン港まで輸送し、船で日本などへ移動させる。
同時期に、日本も外務大臣の依頼に応じ、自衛隊が自衛隊法第84条に基づく「在外邦人等輸送任務」を開始することになる。また、在日米軍基地への戦力の増派も危険サインとみなす必要がある。
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嘉手納・普天間(沖縄県)、横田(東京都)、岩国(山口県)、三沢(青森県)、厚木(神奈川県)などの在日米軍基地へ各種の航空兵力が多数展開したり、大規模な陸軍・海兵隊兵力の輸送が行われたりするような報道情報には、十分に配慮する必要がある。
その上で、様々なインシデントが発生した直後に開催される国家安全保障会議(NSC)に注目するとともに、官房長官による公式発表を注意深く聞く必要がある。
北朝鮮周辺でわが国の安全保障環境に影響を及ぼす事態が発生すると判断される場合は、「重要影響事態」に該当すると認定され、日本も順次、有事の態勢へと移行する流れとなる。
そして、それぞれの兆候が出た際、社員の安全を確保するために、どのような行動をとるべきかを予め定め、各企業内の意思決定プロセスを構築しておくことが肝要であろう。
日本人に求められる覚悟
これらの兆候は、現時点では観測されていない。弾道ミサイルの発射実験については、ロフテッド軌道による実験が限界を迎えたので、実際の弾道軌道に近い飛び方でデータを取った、
というところが北朝鮮の本音であろうし、核実験の実施はあり得る、と国際社会は事前に予測してきていた。「先軍政治」体制の北朝鮮は、現段階ではこれら実験を米国や国際社会に対する「政治的」メッセージとして有効活用し、着々と核・ミサイル技術の進展を図ったと見られる。
従って、近々にも日本周辺が有事となると考えるのは行き過ぎた解釈だろう。ただし、今回の核実験を含めて、米国にとっての「レッドライン」が不明確である点は、依然、この地域の安全保障にとって不確定要素となっていることは間違いない。
それは今回の核実験であったのかもしれないし、グアムやハワイ近海への弾道ミサイルの発射かもしれない。いずれにしても、不明確であるからこそ、相手との駆け引きが成立するというものだ。
このような状況下において、私たち日本人には、ある覚悟が求められる。私たちが住むこの北東アジア地域は、決して愉快な楽園ではない。米ソ冷戦期から引き続く戦力構造がそのまま残され、核兵器の保有を目指す隣国が存在する地域なのである。
そして同時に、世界に類を見ない新たな戦闘様相を目の当たりにしているという、極めて不確実、不透明で不安定な環境に立たされている。
戦争による解決を選択するのか、非常に戦争に近い緊迫した状況により外交的解決を成功に導くのか、あるいは戦略的な妥協の道を探るのか。いずれの場合であっても、変化の中で思考を推し進め、変化を恐れず、新たな未来を切り開く責任と勇気が求められる。
私たち日本人は、単に不安や怒りに包まれるのでなく、現状を正面から直視し、地域の平和と安定をリードしていく覚悟を決めなければならない。今、まさに私たちは歴史的な転換点に差しかかっているのではないだろうか。
上村 康太
元航空自衛官
防衛大学校卒。航空自衛隊の戦闘機部隊などで勤務後、指揮幕僚課程を経て外務省北米局日米安全保障条約課、航空幕僚監部防衛部、防衛省内局日米防衛協力課などで勤務。
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Jアラートで我々は何を警戒すべきなのか 弾道ミサイルを探知して国民に知らせるシステムを理解する
8月29日の早朝、北朝鮮が太平洋上に向けて弾道ミサイル「火星12」を発射した。このとき、東日本各地で「Jアラート(全国瞬時警報システム)」が作動して警報を発した。
対象は北海道を含め、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、長野の12道県。着弾したのが北海道の襟裳(えりも)岬から東へ約1180km離れた位置であったため、「警報が出る範囲が広すぎる」という批判が上がった。
また、「(着弾する)数分前に警報を出されても意味がない」といった指摘もある。
こうした批判が出るのは、弾道ミサイルを探知して国民に警報するシステムへの理解が不足しているためではないか。そこで本稿では、弾道ミサイル発射に対する警戒・追尾の仕組みと合わせて解説したい。
Jアラートとは
弾道ミサイル情報、津波警報、緊急地震速報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を国(内閣官房・気象庁から消防庁を経由)から送信し、市町村防災行政無線(同報系)等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム
弾道ミサイルの飛び方
弾道ミサイルに対する警戒・追尾について理解するためには、弾道ミサイルの飛翔について知る必要がある。野球の外野手を例に考えると分かりやすい。
外野に打球が飛んで、それを見た走者が本塁に向けて走っているとする。すると外野手は、ボールをとって本塁にいる捕手のところに投げる。このとき、自分がいる位置から捕手の位置までの距離と方向を見定めて、ボールを投げる向き、投げ上げる角度、投げる力を加減している。
弾道ミサイルの発射も、これと同じである。発射地点と目標地点を決めれば、両者を結ぶ弾道飛行のコースは物理法則によって確定する。それにより、ミサイルを発射する方位、ミサイルを発射する際の角度、ミサイルが到達すべき速度という三大諸元が決まるので、それを発射の際に設定する。
実際の発射では、発射台からミサイルを撃ち出すときには真上に向けている。離昇した後で少しずつ向きを変えて、発射の際に設定した方位・角度に向かうようになっている。
そして、発射の際に設定した速度に達したところでエンジンの燃焼を停止させるか、先端部に搭載した再突入体を放出すると、その後は慣性によって目標地点まで飛翔する。
米軍の「トマホーク」のような巡航ミサイルであれば、飛行中に針路・高度・速度を変えられるのだが、弾道ミサイルは慣性飛行に移るまでの段階ですべてが決まってしまう点に特徴がある。
弾道ミサイルの探知・追尾
では、その弾道ミサイルを探知・追尾する側の仕組みはどうなっているか。
まず、発射の探知には赤外線を使用する。ロケットを作動させた際に噴射する排気ガスから赤外線が放射されるので、それを人工衛星に搭載した赤外線センサーで探知する仕組みだ。
米軍の場合、DSP(Defense Support Program、国防支援計画衛星)、あるいはその後継となるSBIRS(Space-Based Infrared System、宇宙配備赤外線システム)といった弾道ミサイル早期警戒衛星がある。
ただし、早期警戒衛星が発射を探知した時点で分かるのは、「どの地点で赤外線放射が発生したか」までである。その時点では、まだミサイルは上昇と方位変化の途上にあるので、どちらに向けて飛翔しているかは分からない。
加えて、赤道上空の高度約3万6000kmという位置にある早期警戒衛星が、分解能(データのきめの細かさ)の低い赤外線を使って探知するため、飛翔経路を精確に追尾するのは無理がある。
その後のミサイルの飛翔を追尾するには、もっと精度が高い探知手段、すなわちレーダーが必要である。その一例が、米軍が車力分屯基地(青森県つがる市)と経ヶ岬通信所(京都府京丹後市)に配備しているXバンド・レーダー「AN/TPY-2」である。
これはもともとTHAAD(Terminal High-Altitude Area Defense)弾道弾迎撃ミサイルを管制・誘導する目的で開発されたレーダーだが、ソフトウエアを変更して、弾道ミサイルの追尾に専念する動作モードが加えられた。
ミサイルの射撃管制を行うときと比べると、追尾に専念する方が探知可能距離は長く、一説によると4000kmに達するという。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/090100725/
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また、航空自衛隊が日本国内の4カ所(下甑島、佐渡、大湊、与座島)に配備している大型レーダー「J/FPS-5」も、弾道ミサイルの追尾が可能である。
注意しなければならないのは、地球は球体であり、表面が丸みを帯びている点である。そのため、たとえ4000kmの探知距離があっても、4000km遠方で離昇したミサイルを直ちに探知することはできない。
そのミサイルが地平線から姿を現すと初めて探知できるので、実際に探知可能な距離は仕様上の探知可能距離よりも短くなる。
段階的に危険範囲が狭まる
ともあれ、高い分解能を持つ「AN/TPY-2」や「J/FPS-5」といった地上設置レーダー、あるいは洋上に展開させたイージス艦の対空捜索レーダー「AN/SPY-1」を使って連続的に追尾することで、弾道ミサイルの飛翔経路と速力が分かる。
その時点で初めて、ミサイルが描く弾道飛行の経路が分かり、着弾地点の予測が可能になる。そうやって得られたデータが、日本政府を通じて「Jアラート」によって一般市民レベルまで流れてくる。
全体の流れは、「弾道ミサイルが、どの辺から発射された」→「弾道ミサイルが、おおむねどちらの方向に向けて飛翔している」→「弾道ミサイルが、この辺りに着弾しそうだ」といった具合に、段階的に危険範囲を狭める形になる。発射を探知した瞬間に着弾地点まで予測できるわけではない。
だから、「Jアラート」による警告も「最初から着弾地点を正確に予測して、該当する地域にだけ警報を発する」というわけにはいかない。最初は広い範囲に警報を発しておいて、その後の追尾と着弾地点の予測を受けて、必要であれば着弾予想地域を絞り込んで追加の警報を出す」という流れにならざるを得ないのだ。
このことを理解していないと、「どうして、こんな広い範囲に警報を出すんだ」という批判につながるし、そうした批判を「もっともなことだ」と納得してしまう人も出てくる。
避難のための時間が足りない?
「Jアラート」に対する批判のひとつに、「着弾の数分前に警報を出しても逃げられない」というものがある。
「緊急地震速報」もそうだが、被害の発生が予想されるエリアから完全に離脱するのは無理な相談である。それには何時間も前に警報を出さなければならないが、地震にしても弾道ミサイルにしても、その時点ではまだ発生あるいは発射していないのだから、警報の出しようがない。
警報を出すことの意味は、「最寄りの、身を守れそうな場所に移動する」あるいは「身を護る態勢をとる」ための時間を稼ぐことである。では、弾道ミサイルが飛来した場合に考えられる被害とは何だろうか。
核弾頭装備であれ、通常弾頭装備であれ、あるいは今回のような試射(弾頭を搭載していない)であれ、ミサイル本体、あるいはその先端部の再突入体が降ってきて直撃すれば、運動エネルギーによる破壊が生じる。それだけでなく、破片が飛散することに起因する被害も発生する。
また、実弾頭が付いたミサイルが飛来した場合には、爆風による被害も発生する。これは爆風のレベルこそ大差があるものの、核弾頭でも通常弾頭でも同じである。それに付随して、弾片、あるいは爆風によって破壊された建物などの破片が飛散するところも、核弾頭と通常弾頭の双方に共通する。
また、着弾直前の土壇場で弾道ミサイルを迎撃・破壊した場合には、破壊されたミサイルの破片が降ってくるかもしれない。
ということは、爆風や破片に対して遮蔽物になるようなものがあれば、自分自身が死傷する可能性は低くなると考えられる。その遮蔽物、あるいは遮蔽物の陰になった場所を探して待避して、さらに爆風による被害を抑える姿勢を取るための時間を稼ぐこと。それが「Jアラート」による警報の意味である。
緊急地震速報も同じだ。すぐ後に本震の揺れが追いかけてきているわけだが、その揺れが到達する前に危険な場所から逃れる、あるいは安全そうな場所に待避するためのものである。決して、地震が来ない場所に移動するためのものではない。
井上孝司
テクニカルライター、軍事研究家
日本マイクロソフトを退職後、1999年にテクニカルライターとして独立。主に技術解説記事を手掛け、IT分野から鉄道・航空・軍事まで幅広くカバーしている。
(おわり) やられる前に敵を叩く!それ以外の方法はない、一択。 レッドラインは超えた、これで戦争が無いならアメリカは終わり。 国内では北の協力者を血祭りにあげるくらいしか出来ないからなぁ アメリカの、日本という人類の中ではいい意味で異質の歴史を刻んで来た特別の国、そしてそれ
を形作って来た日本人というものに対する恐怖から、日本の永遠の武装解除を目的に作られた
日本国憲法。
ところがそれを、あろうことか間違いなく日本人の意思でそれを逆手にとって、日本の全ての安全
保障をアメリカ任せにして来た、そのツケを日本人は今払わされようとしてるんだよ。
払うしかあるまい。
さあどうやって払うかをこれから日本人は考えなければならないんだよ。
もちろん日本人自身のためにだ。惨めな今を逆転することまで考えるということだ。
アメリカも中国も核兵器を持っていて廃棄するそぶりすらない
にもかかわらず新たに核武装する国が出てくると許せないと声をあげて叩く
何かおかしくはないか?
自分たちは捨てず新たに核を持とうとする国は許さない そんな勝手が許されるのか?
寛容な心で 北朝鮮の核武装を認めるべきではないか? いやそうすべきだ
寛容な心で受け入れれば世界の平和は保たれるのである 早く開戦しろ。開戦しなければもっと怖い未来が待ち受けている。
東アジアの癌である金正恩体制を滅亡させろ。 北朝鮮が6度目の核実験を行った日にJリーグのルヴァンカップで
北朝鮮人がいるベガルタ仙台がベスト4進出は酷過ぎる。
Jリーグは北朝鮮擁護主義なのか? >>日本人に求められる覚悟
まずは敗戦のトラウマを克服することだな
そして憲法9条を改正して自衛隊を正式な軍隊にして必要な軍備を整えて国を守る 腹をくくるしかない。今やらないなら未来はもっと酷い事になるだろう。
出来ることなら朝鮮内で終わる戦争であるべきだ、これは絶対だ。
統一出来ない糞が悪いのだから、同民族の恥なのだから韓国は責任がある。
朝鮮を諦めたら出来る戦争だ、人類からしたら大したことではない。 アメリカの進出地域との国境を接する事を嫌う中露の戦争に成りかねない為、昔から北朝鮮と戦火を飛ばせる立場は持てなかった。
少し昔からは日本をノドンの射程内に収め
今は迎撃とアメリカ基地の保護が難しい長距離ミサイルの射程内に完全に入れている。
地中格納基や山間部の格納横穴の何処かに移動式車両で配備され
観測からの秘匿性の高いミサイル戦力を事前に無力化し報復の脅威無く北朝鮮と戦火を交える事は先制では難しいのが現状で、
攻撃出来る時など、非現実的な昔にしか存在していないのが現実 ●北朝鮮は、2年後には米中露を核兵器で脅し北朝鮮特権で核富裕国『大韓連邦誕生』
日本マスコミは報道しないが、今年BBCが作った広島原爆投下の再現動画だ。
https://youtu.be/3wxWNAM8Cso
動画は4分あるが落下していく2分目からでも良いでしょう。
これでも空恐ろしい破壊力だが水爆はこの1000倍だ。四国が1発で吹っ飛びます。
今はJアラートがあるので地下やビルに逃げていれば全身火傷は防ぐことができる。
この水爆と長距離弾道ミサイルは完成しつつあり、大量生産体制が完成すると、経済制裁をする国には核ミサイルを撃ち込むと脅して来るでしょう。
ニューヨーク、ロスアンゼルス、北京、上海、モスクワ、東京、大阪に迎撃不可能な多弾頭核ミサイルがセットされたら終わりです。
捨てるものがない北朝鮮は、米中露が攻撃したら核ミサイル発射するでしょうから大国もこわくて経済制裁解除したり、逆に北朝鮮特権でいろいろ安くして輸出したり優遇されていくでしょう。
世界は、経済でユダヤ人、武力で北朝鮮により特権を得て実質支配されていきます。
韓国文大統領は北朝鮮系であり大韓連邦を目指しており、韓国と北朝鮮は統合し、武力と経済で反日真っしぐらとなるだろうから、まず慰安婦に法外な10兆円くらいは請求して来るでしょう。徴用工には100兆円、日韓併合に200兆円などは言うでしょう。
イランのように、核兵器工場やウラン工場など大量生産する前に破壊してしまえば良いが、北朝鮮の攻撃には韓国政府がソウルが火の海になると反対し、将来の大韓連邦を目指し北朝鮮の核兵器開発を支援してきました。、
あと一年以内に北朝鮮の核関連施設を全て破壊しないと世界を脅迫する核大国大韓連邦が出現するでしょう。
マスコミは、経済制裁で北朝鮮を刺激するなとか対話をしろとか、Jアラートは大袈裟だと批判するが、目標は核大国ですから対話なんて聞くはずもないのは、この20年間で分かっているはずだ。
韓国系の多い民進党の党首選では北朝鮮問題は一切出てこなかった。 民進党はとても良い仕事をしたなぁ
朝日新聞社「日本国民のみなさん、冷静かつ速やかに北朝鮮の奴隷となりましょう。死ぬより良いだろw」 わざとこういう時に成り済ましに加計学園コメントをして与党を援護?しようとする奴は恥 >>0020
ユダヤ原因論は
会社の雇用コストの追求と社会を維持するのに必然な雇用コストの解離の問題という社会運営構造の不備という、
現在でもIT利用での仕事の少人数化と賃金の安い外部移転化で拡大している資本主義の問題を、
ドイツ社会がソ連という国民単一のブラック企業国家の前にユダヤ人の特性問題にすり替えていた所が有る
北は日本を飛び越えミサイル発射
南はそれを見日本海へミサイル発射
電磁パルスミサイルの可能性も
出てきてるらしいじゃん
もはやPAC3なんて話じゃないよな マスコミの基本スタンスは「Jアラートは不要」だからねww
警察官も
自衛隊も消防署も要らないってw
パトカーはサイレン鳴らすなってさ
>>1
第二次世界大戦ですら【 空襲警報 】が有ったのに、
【 空襲警報(Jアラート) 】を切って勝手に死ねば良い。
最近は戦時中を扱ったドラマが無いから判らないんだろうね。 >>6
発射地点から近いレーダ拠点の佐渡や大湊はせいぜい1000kmあたりなのに観測4000kmの誤差を語られても説得力ゼロのクソ記事
井上孝司はテクニカルライター軍事研究家名乗るのやめな >>30
青森で起きた殺人事件出動時のパトカーのサイレンを長野まで聞かせる愚かさな 精度を今の5倍は上げられないうちはJアラートの自治区警報は運用しないでくれ >>12
その理論でいくなら、日本が核武装しても問題ないよな? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています