別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)の学生が、別府駅前通りで英会話カフェ「ことばハウス」(北浜)を運営している。多国籍の料理を提供する他、英会話教室や企業説明会の開催、商品開発など多分野にわたる事業を展開。市中心部という好立地で、市民と留学生がつながる場を生み出している。

韓国人留学生の宋太男(ソン・テナム)さん(23)=3年=が学生らに呼び掛けて昨年春にオープンした。日本人の母を持つ宋さんは市民との交流を夢見て留学したものの、その機会は少ないと実感。

ボランティア活動などで市民や地元経営者らのネットワークを広げた。そんな中、知人の紹介で出会ったのが商品開発コンサルタントで作家の美崎栄一郎さん(東京都)。「交流の場をつくりたい」という学生らの意欲や思いに共感した美崎さんが会社を設立し、開店にこぎ着けた。

スタッフはアジアやアフリカ出身の学生10人で、宋さんはマネジャーを務める。調理師免許を持っていたり、起業を目指す学生がそれぞれ得意分野を生かす。タイや韓国、ボツワナやインドネシアなど本場の料理を週替わりで提供。

留学生と会話をしながら学べる英会話教室や地元企業による会社説明会、交流イベントなども開いている。学生が考案し、県しいたけ料理コンクールで最優秀に輝いた国東産乾シイタケの「山の上のしいたけスープ」の商品化にも乗り出している。

宋さんは日本の地方都市で、地域の活性化につながるような会社を起業するのが夢。

「APUは市民の暮らす場所から離れており、アルバイトや食事をする店でしか市民と触れ合う機会がなかった。大学で学ぶ経営やマーケティングの知識を生かし、留学生と市民が交流できる仕組みをつくりたい」と話している。

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