歴史(れきし)をさまざまに見(み)る

1923年(ねん)9月(がつ)1日(ついたち)に関東大震災(かんとうだいしんさい)が起(お)こった。9月(がつ)1日(ついたち)が防災(ぼうさい)の日(ひ)になった理由(りゆう)だ。小(しょう)6の読者(どくしゃ)のキミは、社会(しゃかい)の教科書(きょうかしょ)を開(ひら)いてほしい。どの教科書(きょうかしょ)にも、ウソを信(しん)じた人々(ひとびと)により朝鮮人(ちょうせんじん)が殺(ころ)される事件(じけん)があったことを書(か)いている。今回(こんかい)は、朝鮮人犠牲者(ちょうせんじんぎせいしゃ)の追悼式(ついとうしき)のニュースを読(よ)んで、読者(どくしゃ)のキミと編集長(へんしゅうちょう)のボクとで、頭(あたま)グルグル考(かんが)えよう。【編集長(へんしゅうちょう)・西村隆(にしむらたかし)】

小池知事(こいけちじ)のニュース

東京都(とうきょうと)の小池百合子知事(こいけゆりこちじ)は、朝鮮人犠牲者(ちょうせんじんぎせいしゃ)を追悼(ついとう)する式典(しきてん)にあいさつ文(ぶん)を送(おく)ることを見合(みあ)わせた。歴代知事(れきだいちじ)が毎年送(まいとしおく)っていたのが途切(とぎ)れたからニュースになった。理由(りゆう)を聞(き)かれた知事(ちじ)は「さまざまな見方(みかた)があるととらえている」と答(こた)えた。するとインターネットの世界(せかい)では「本当(ほんとう)は朝鮮人虐殺(ちょうせんじんぎゃくさつ)などなかった」という声(こえ)も出(で)てきた。

朝鮮人虐殺(ちょうせんじんぎゃくさつ)、または殺傷事件(さっしょうじけん)

教科書(きょうかしょ)には、震災(しんさい)の混乱(こんらん)の中(なか)で、「朝鮮人(ちょうせんじん)が暴動(ぼうどう)を起(お)こす」「朝鮮人(ちょうせんじん)が井戸(いど)に毒(どく)を流(なが)している」という根拠(こんきょ)のないうわさが流(なが)れ、それを信(しん)じた人々(ひとびと)や警察(けいさつ)・軍隊(ぐんたい)によって、罪(つみ)のない多(おお)くの朝鮮人(ちょうせんじん)が殺(ころ)される事件(じけん)が起(お)きたと書(か)いている。毎日新聞(まいにちしんぶん)などは「朝鮮人虐殺(ちょうせんじんぎゃくさつ)」と呼(よ)んでいる。

国(くに)の正式(せいしき)な報告書(ほうこくしょ)は「殺傷事件(さっしょうじけん)」という表現(ひょうげん)で、約(やく)1000人(にん)〜数千人(すうせんにん)が犠牲(ぎせい)になったとまとめている。そして「過去(かこ)の反省(はんせい)と民族差別(みんぞくさべつ)の解消(かいしょう)の努力(どりょく)が必要(ひつよう)」と強調(きょうちょう)した。

ソース:毎日小学生新聞 2017年9月9日
https://mainichi.jp/articles/20170909/kei/00s/00s/003000c

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