2017年9月29日、韓国・中央日報は、ソフトバンクが開発したロボット「ペッパー」が韓国にやってくることが決まったとして、「ロボット強国」の韓国の企業が日本製ロボットを試験導入することになった理由と、韓国のロボット開発の現状について伝えた。

ペッパーは、例えばホンダの「アシモ」のように二足歩行をするなどの技術は備えていないが、人の表情などから感情を読み取って対応する「状況判断能力」を持つのが特徴だ。

つまり「サービスロボット」としての能力に優れており、韓国企業が国産ではなくペッパーに注目した理由もまさにここにあるという。かつてのロボット市場は製造用ロボットが主導したが、情報通信技術(ICT)の発達により、今後はペッパーのようなサービスロボットに重点が移っていくとみられている。そうした中、韓国はサービスロボット分野で後れを取っているのだ。

世界のロボット市場でサービスロボットが占める割合は2015年時点で38%だが、韓国では同15%にすぎなかった。同じ年、韓国は中国に次いで規模では世界2位のロボット輸出国(3万8285台)だったが、それでも国内生産より輸入量が1.7倍も多かった。輸入は主に日本からだったという。

現代(ヒュンダイ)経済研究院のイ・ジャンギュン首席研究委員は、「急変した産業環境で、問題は単純に技術(の問題)ではない」とし、「それより、ICTにどれだけ消費者中心のサービス要素を組み合わせるかがはるかに重要になった時代」と指摘した。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「韓国はペッパーよりも公務員をありがたがってくれる珍しい国だ」「公務員を解雇してペッパーに置き換えたら、サービスがもっと良くなるかも」「雇用がさらに減りそうだ。今でもいっぱいいる青年失業者がさらにあふれる」など、雇用問題と関連した意見が多く寄せられている。

また、「日本ではすし店の入り口でペッパーが客の待機リスト管理と案内をしていたぞ」と日本で目にした光景を報告するものや、「日本の悪口を言うだけじゃなくて、学ぶべきところは学ばねば」と日本へのリスベクトの声もみられる一方、

「でもロボット大会では韓国が1位だったよ(15年、米国防高等研究計画局主催のロボットコンテストで韓国チームが優勝した)」との指摘もあった。(翻訳・編集/三田)

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20171001/Recordchina_20171001007.html