2017年10月2日、風傳媒によると、中国では科学技術分野でのノーベル賞受賞者の引き抜きが加速している。

05年のノーベル生理学・医学賞受賞者のバリー・マーシャル氏の名を冠した「マーシャル生物医学実験室」の設立式典が9月21日、広東省深セン市で開かれた。マーシャル氏は「われわれは中国がピロリ菌に打ち勝つことを祈っている」と話した。マーシャル氏は、胃かいようや胃がんの原因であるピロリ菌の発見で同賞を受賞。中国では人口の半分が胃の中にピロリ菌を保持しているとみられる。同実験室は深セン市の支援を受け、ピロリ菌の撲滅に向けた研究を進める計画だ。

新華社によると、中国ではマーシャル氏の実験室のほか、ノーベル賞受賞者が指揮をとったり、名を冠した研究室が少なくとも5カ所ある。そのなかには日本のノーベル賞受賞者も含まれている。

さらに、DNA(遺伝子)分子構造の共同発見者で、1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞したジェームズ・ワトソン氏が指揮する「生命科学技術センター」も、深セン市内に建設が進められている。ワトソン氏は「完成後は少なくとも1000人の研究者が働く。私もここで生活したい」と話している。深セン市は「ノーベル賞受賞者の引き抜き拠点」となっている。

さらに、江蘇省南京市は13年のノーベル生理学・医学賞のトーマス・スードフ氏、06年のノーベル物理学賞のジョージ・スムート氏は安徽省合肥市、河北省石家荘市、湖北省宜昌市の3カ所に研究施設を設立した。いずれも中国の豊富な資金援助を受けて研究している。(翻訳・編集/大宮)

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20171002/Recordchina_20171002036.html