トランプ政権発足後の米国では保護貿易主義が台頭し、韓国に対するさまざまな形の輸入規制が一気に動き出している。通常の輸入規制にあたる反ダンピング関税はもちろん、緊急輸入制限(セーフガード)、さらには安全保障を理由にした輸入規制まで、これまであまり使われなかった手段も次々と検討されているようだ。

韓国貿易協会が7日に明らかにしたところによると、今年9月までに世界各国が韓国に対して新たに発動した24件の輸入規制のうち、国別では米国が8件と最も多かった。米国はこれまでメッキ鋼板、熱延鋼板など韓国製鉄鋼製品に相次いで反ダンピング関税を賦課してきたが、最近は化学製品についても規制に乗り出している。

米国国際貿易委員会(ITC)は先月26日、韓国など5カ国が米国に輸出している厚手ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムについても反ダンピング関税賦課に向けた事前の調査を開始した。

米国が今後サムスン電子やLG電子の洗濯機や太陽光パネルなどに対してセーフガードを発動した場合、2002年以来15年ぶりにセーフガードの決定が下されることになる。米国は2002年に輸入鉄鋼製品に対してセーフガードを発動したが、この時も韓国製品が対象に含まれていた。

米国はまたかつての東西冷戦時代に制定された規制まで持ち出し始めた。

トランプ大統領は今年4月、国防条項と呼ばれる通商拡大法232条に基づき、韓国をはじめとする外国製鉄鋼製品の輸入が米国の安全保障を侵害していないか調査を指示する行政命令に署名した。この法律は自国の安全保障に悪影響が認められる場合に輸入を制限する措置で、1962年に制定されたものだ。

韓国の鉄鋼メーカー各社は米国でのこの調査結果に注目している。主なターゲットは中国の鉄鋼製品だが、韓国製もその対象に含まれているからだ。今回もし輸入鉄鋼製品が安全保障上の脅威になっていると判断されれば、関税の引き上げはもちろん、輸入制限に向けたさまざまな措置が取られることになる。

金承範(キム・スンボム)記者

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